2009年4月18日から23日まで米国ラスベガスにて開催されたNTSC規格では世界最大の放送機器展覧会「2009 NAB Show(NAB2009)」。PRONEWSでもリアルタイムにお伝えしたレポートだが、早くも1カ月が経過した。日本の企業でもこぞって、POSTNAB(NAB報告会)と銘打ちNABの新発表を日本のユーザーに紹介するイベントが開催される。PRONEWSでは、新たにカメラ編、モニター編、バッテリー編、三脚編とカテゴリー別に再度「Re:NABshow2009」と題して数回にわたってお伝えしたいと思う。体系に理解ができるかと思うので参考にしてほしい。
カメラ編-ファイルベース収録に収束-
戦車のような箱型スタジオカメラは最前列から姿を消し、代わって小型ビデオカメラやENGカメラのスタジオ仕様が目立つようになってきた。サブプライムに絡む景気低迷からスタジオ更新や中継車などの大型システムの年内受注はないという判断もあるのだろう。
一方小型ビデオカメラを初めとした収録環境は、半導体メモリーに記録するファイルベース記録が半ば当たり前になったといえる。VTRのフォーマットに縛られていた時代から比べると格段に自由度が増したといえるが、実はまだ引きずっている部分もある。
パナソニックはP2カードメモリー、ソニーはSxS、池上通信機はGFPAKとそれぞれ専用のメモリーパックを採用している点だ。例外的にトムソングラスバレーのInfinityシリーズはIomegaのREVおよびコンパクトフラッシュメモリーをサポートしているものの、耐久性などの点でREV PROが推奨されている。
これらのカメラは、圧縮フォーマットを採用しているが、転送レートが高いことと、業務用として運用する上での耐久性や利便性の問題から専用のメモリーパックの採用に至ったのだろう。
民生機由来の小型ビデオカメラの圧縮フォーマットは、AVCHDやHDV、H.264などで、転送レートも25Mbpsほどなので、メーカーごとに推奨メモリーはあるものの、SDメモリーなど汎用のメモリーを採用している。
カメラ自体は、レンズ交換可能な小型カメラのほか、クレイドルと組み合わせてスタジオ仕様にすることがきるカメラなど通常の制作で使われるもののほか、仕込みカメラとして使えるような小型カメラやハイスピードカメラなど、種類も多彩になってきた。そんな中、RED EPICやSCARLETを発表しながらRED Digital Cinemaはブースを出していなかったのは、サブプライムの影響により資金調達に問題があったのだろうか、NABは新製品を発表する絶好の場のはずなので、RED Digital Cinemaがブースを出していなかったのは残念でならない。なお、RED ONEはすでに潤沢に出回っているようで、レンズメーカーやアクセサリーメーカーなど様々なブースで目にすることができた。
SONY
SxSレコーダー。IBCで発表されていたが、今回も参考出展 |
ソニーまめカムHXR-MC1 |
マルチフォーマットカメラHDC-1500Rを使用した制作システム |
HVR-S270 |
PMW-EX3 |
デジタルシネマカメラF25。フジノン新開発PLマウントレンズ18-85mm装着 |
Panasonic
AG-HMR10専用オプションカメラAG-HCK10 |
AVCCAM小型ビデオAG-HMC40(AG-HMC45)。09年8月発売予定。 |
P2 HDカメラレコーダーVARICAM 3700(AJ-HPX3700) |
AVC-ULTRAフォーマットを採用した3Dカメラ |
JVC
IKEGAMI
Grass Valley
応したマルチフォーマットカメラシステムLDK3000。1080i50/60 と720p50/60に対。トライアックス伝送も可能 |
マルチフォーマットカメラシステムL LDK8000Elite。トライアックス伝送も可能、3倍速までの撮影が可能 |
Visionresearch
1280×720のレゾリューションで約7000fpsの撮影ができるPhantom v12.1 |
800×600のレゾリューションで1265fpsの撮影が可能なコンパクトなハイスピードカメラPhantomMiro4 |
i-MOVIX
SprintCamレンズにFujinon製を使用、本体はPhotronSA-2を使用。それに同社独自のCCUとコントローラの独自システム |
コンピュータや専任オペレーター無しで、システム本体だけで現場運用が可能 |
NHK
NHKの8kカメラ。展示会場へ生中継 |
撮像ブロック |
8M CMOS |