映像に纏わるものであればすべてに食指が伸びるのが、映像集団ヒマナイヌ。業務用と民生用との役割があいまいになっている昨今この状況はさらに増すのは自明である。今日も西にデジタル一眼が発売されれば、即ゲット&検証!東にテープレスカメラがあれば、仕事の発注が来る前に商品注文して即検証!ひょっとしたらアイデア一つで明日の映像世界に貢献するのではないのか?そんなあまた存在するガジェットを独断と偏見で取り上げて紐解いていきたい。今回は、つい先日発売されたばかりのiPod nanoを取り上げたい。

世界最小クラスのビデオカメラ。それは、iPod nano

新型iPod nanoにビデオカメラがついた。静止画機能なく、まさしくビデオカメラという表記が正しい。640/480の30fps動画が撮影できるスペックは、今となれば、珍しくもないし、HDでもない。興味を引かれなかった人も多いのではないだろうか?しかしだ。ちょっと待てよ、このサイズ…と思い早速手に入れた。

サイズはこれまでのiPod nanoとほぼ同じ。キスミントなどのチューインガムくらいの大きさで左右に向かって絞り込まれていくボディのせいで実際より薄く感じさせる。ビデオカメラ部分はピンホールのような感じでレンズ回りの処理はケータイ電話やアップル製品ではMacBookなどについているカメラ周りに類似している。マイクもそこの横に実装され針のような穴が開いている。重さは36g。この軽さはおそらくビデオカメラとしてみれば、世界最軽量クラスである。

使用後、最初に驚いたのが画面のアスペクトだ。横にして撮ると640/480の動画。縦にして撮ると480/640の動画になる。4方向どこを上にしても録画を開始したときの天地をキープする仕組みになっている。通常のビデオカメラは当然上下に縛られているのが、この自由さはいかにもアップルらしい。

次に驚いたのが音のクリアさだ。マイク収録の風切り音の少なさは驚きだ。ピンホールのような開口部の構造的なメリットなのか正面から風があたっていてもほとんどボコボコとした音にならない。人の声もかなりクリアに入る。そしてなによりもこのボディの軽さと平面性。これは世界でもっともフレキシブルに設置できるビデオカメラかもしれない。そう思ったヒマナイヌはさまざまなシチュエーションでの撮影をテストしてみた。

(1)自転車のハンドルにつけたサイクリングムービー

クリップ型の電気スタンドのような両側クリップを使って自転車のハンドルに固定。横向きで撮影してみた。走行しながらしゃべってみたが、風きり音がなくマイクと逆サイドの声をクリアに拾っていることに驚かされる。自転車であればヘルメットにつけたり帽子につけたりしても面白い映像が撮れそうだ。画角にとらわれないのであれば、まめカム以上に重宝する。 gf0101.jpg

(2)ラジコンにつけて撮影したドライブムービー

2000円程度のどこのおもちゃ屋でも売ってるラジコンカーのフロントに装着して撮影してみた。クルマをセレクトするときに垂直面が多いモデルがいいと考えこの場合はベンツのオフロードタイプを購入した。バンパーのように装着しているがiPod nano上下をどちらにするかによってレンズが地上1cmか5cmかも選べる。迫力を出すために1cmのほうで撮ってみた。YouTubeに上げる際にかなり劣化しているが元ファイルは30fpsなのでなかなか迫力がある。今後、気球や風船、ラジコンヘリコプターにもつけてみたいと思っている。 gf0103.jpg

(3)ネックストラップによるサイクリングムービー

iPod nanoにはネックストラップのサードパーティオプションも多い。回転しないようになっているネックストラップを使って撮りながら商店街を自転車で走り抜けてみた。ハンドルに固定しているものに比べると体の揺れを吸収してしまい揺れてしまうが縦アスペクトの主観移動映像というのは新鮮に見える。

(4)LEDスタンドと組み合わせた講演収録ムービー

USB から給電するLEDライトがある。このライト部分にクリップでiPod nanoを装着し、イベントの講演を撮影してみた。三脚などを使ってビデオカメラを設置するのに比べてはるかに存在感がなく手軽である。iPod nanoの最大録画制限は1ファイル2GBで1時間以上のファイルを気軽に収録できる。2GB以上になった場合は自動で分割録画を実行してくれるのでバッテリーさえフル充電しておけば2時間程度の講演は軽くこなせることになる。

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(5)存在感を消した赤ちゃん記録ムービー

iPod nanoのカメラ部分はフラットな面なのでステッカーなどが簡単に貼れる。レンズ部分を目立たなくするためにコンビニで売っている「都こんぶ」のラベルを貼り付けクリップではさんで生後8ヶ月の赤ちゃんの前に置いた。ビデオカメラなどのレンズが目玉に見えるものは赤ちゃんの注意をとても引いてしまうのだが「都こんぶ」仕様のiPod nanoは存在感がないので自然な表情を捉えることができた。

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ということでヒマナイヌのガジェットファインダー第一回はiPod nanoをご紹介した。このわずか15000円で遊べるビデオカメラ。読者のみなさんもユニークなアイデアで新しい映像にトライしてみては?

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頓知を駆使した創造企業