映像に纏わるものであれば、すべてに食指が伸びるのが、映像集団ヒマナイヌ。業務用と民生用との役割があいまいになっている昨今この状況はさらに増すのは自明である。今日も西にデジタル一眼が発売されれば、即ゲット&検証!東にテープレスカメラがあれば、仕事の発注が来る前に商品注文して即検証!ひょっとしたらアイデア一つで明日の映像世界に貢献するのではないのか?そんなあまた存在するガジェットを独断と偏見で取り上げて紐解いていきたい。先日タッチパネルPCと電子書籍を掌握されると噂のiPadの発表が行われた。紙の時代は去り、新しい書籍の時代は来るのだろうか?今回は今話題の次世代の端末電子書籍について考えたい。

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長旅のお伴といえば、本を読むことに尽きる。しかしながらその大きさと重さに頭を悩ませる。海外に行く際に持ち込んだ本は現地で処分してしまうことがほとんどである。ここ数年空港で目につくのが、eBookだ。書籍が電子化なんて!と思っていたが、今回参加したCESでは、eBook一色なのである!コンテンツをダウンロードして、専用の端末機で読書するアレである。現に空港のキオスクでもeBookが販売されているのだ!現在は、2007年に発売されたAmazon「Kindle」を筆頭に、書店グループであるBarnes& Nobleの「nook」そしてSonyの「Reader」がその凌ぎを削っている。今年の初めCESに参加する道中で幾人もの人がこのeBookで熱心に読書に耽る姿を何度も目撃した。

iPadが電子書籍の勝利者ではない

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日本でも4月には販売されるiPad

2月にリリースがアナウンスされたiPadの発表で、電子書籍の状況は大きく変わってしまったという意見が大方であるが、果たしてそうだろうか?思うにiPadは、複合機であり、eBookは、単機能ガジェットである。ヒマナイヌは、電子書籍として、カラーで何でもできるiPadよりもモノクロで単機能なeBookを強く推したい。時として「何でもできるモノ」よりも「これしかできないモノ」が評価されることがある。日本でも昨年単機能のワードプロセッサー「ポメラ」が人気を博したことを考えると、「読書」ということで考えれば、単一機能のみで成立するポジションで十分なのである。

人間の視力解像度に適したe-Ink

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e-Inkが採用されたeBook

さてこの単機能モノクロeBookがiPadと大きく異なることがある。それは、スクリーンにローバッテリーで視認性の高いモノクロのe-Inkが使用されていることだ。長時間の読書に向いているの高精度のモニターよりも人間の眼の解像度に優しいe-inkであることは言うまでもない。映像はHD化しているが、自分の眼に合った解像度の選択も大切なことだ。進化だけがすべてではないことが言える。

e-Inkの歴史は、90年代までにさかのぼる。MITラボJoerJacobson氏が開発した技術がベースになっている。LCDは、コストがかかる上に、精密機械であり、バッテリー問題があげられる。それに比べ、e-Inkは、書き換えるときのみに電力を消費するためにバッテリー問題がない。幼いころに遊んだマグネット式の落書きおもちゃと同じ仕組みなのである。ヒマナイヌ的に解釈すれば、目にやさしいe-Inkを採用した電子ペーパーをスクリーンに採用した電子書籍端末をeBookと定義したい。

実は2004年にSonyが初めてこのe-Inkを使用したLIBRIé(リブリエ)をリリースした。が、2007年に人知れず国内販売を終了した。それはコンテンツ不足がまず挙げられる。さらにLIBRIéが貸本というスタイルで販売していたために慢性的なコンテンツ不足を招いた。そして現在海外で販売されているSonyの「Reader」は買い切り方式で本を販売している。かつて存在したeBookは、上記のような理由で広まらなかった。Amazon「Kindle」では、昨年のクリスマスシーズンに印刷された書籍よりも、eBookの販売が上回った記録がある。Amazonが扱う販売網がそのまま電子化すると思えば納得がいくだろう。さらにAppleの強みはそのコンテンツを提供するシステムの秀逸さにある。iPadリリース後、電子書籍アプリ「iBooks」が新たに追加され、「iBookstore」でコンテンツが販売される。すでにiTunesMusicStoreやAppStoreでその販売スキームは実証されている。やはりソフトウェア(電子化された書籍)の充実につきる。日本での対応は今一歩遅れているようだ。

彷徨える出版

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e-Ink画面と液晶画面の2画面eBook

今年のCESでは、eBook多くのモデルや周辺機器。気になる新ラインナップもお目見えした。しかしながらよくありがちな罠で、カラー化をしたり、2画面にしたりと気付くと単一機能であるはずのeBookが結局PCになってしまうという本末転倒になるのではと思う。繰り返しになるが、成功するにはそのコンテンツの供給にある。より軽量化し、大型化したSkiffなどのeBookを見ると、出版業界よりも新聞社に向いているのではないかと思う。実際にニューヨークタイムズの定期購読者にKindleを無料配布し、購読してもらう方が増収益になること試算されているという。これまでのメディアが大英断をし、紙をやめeBookに移行する日が来るのかもしれない。

eBookの隆盛は出版業界にとって、福音になるのかどうかはいまだ未知数であるが、消費者である我々の「読書」という行動が大きく変わることは言うまでもない。

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ヒマナイヌ

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頓知を駆使した創造企業