txt:山下大輔 構成:編集部
組んだ後での修正が簡単
第4回は第3回目で紹介しましたPremiere Proにおけるマルチクリップの考え方の後編を紹介します。
例えばタイムコードを同期させて撮影した素材が4カメあるとします。この場合、マルチクリップを組む際に「タイムコード同期」を選んで組むわけですが、実際は遅延などの原因でずれてしまうことがあります。他の編集ソフトだとまたマルチを組み直ししないといけない場合がありましたがPremiere Pro(以下:Pr)では簡単に修正することが可能な設計になっています。
マルチクリップはシーケンスと同じ
Prにおけるマルチクリップは素材を段積みしたシーケンスの状態です。組まれたマルチクリップシーケンスを右クリックすると「タイムラインで開く」オプションが出てきます。これで確認すると組むときに使った同期基準でマルチが組まれているのがわかります。
下の画面の(2)を見ていただくとマルチとして組んだ中身がどうなっているかが一目でわかりますね。例えば「V2」トラックのタイミングが他と合っていないという場合は「V2」に配置されたクリップを修正すれば良いということになり、非常に組んだ後も修正がしやすい状態なのが特徴です。この設定はタイムライン上のマルチクリップを直接Controlキーを押しながらクリック(Mac)/右クリック(Windows)することでも直接編集することが可能なので便利です。
そのまま使うと一つの塊になってしまうが、マルチクリップシーケンスを右クリック→「タイムラインで開く」で開けば素材の並びも確認することができる
マルチの表示設定の切り替えも簡単
一度、マルチクリップを組んだ後にマルチの表示の順番を変えたい場合はプログラムモニターにあるスパナのアイコンの「設定」(3)から「カメラを編集」(4)を選択します。
プログラムモニターの設定をクリック
ポップアップメニューから「カメラを編集」を選択
カメラを編集に入ると上から順番にアングルがリスト化されているので、そのサムネールを上下に移動することでアングルの順番を切り替えることが可能です。また。左下の「ページあたりのカメラ数」ダイアログで、ページごとのカメラソース数を設定するかをコントロールできます。
ドラッグでアングルの順番の移動ができる
複数ページの場合は切り替えることも可能
Prでは4面、9面、16面と一度に表示するアングルを切り替えることが可能ですがアングル数が多いとその分一つ一つの画面サイズが小さくなり見づらい場合があります。そう言った場合は1ページ2ページと画面を切り替えることで画面サイズを一定に保つことも可能です。
再生中にアングルをクリック
アングルをクリックすると切り替わり、(5)と(6)が同じ映像になる
まず基本として再生中にアングルを切り替えるとアングルが変更されます。停止をしたタイミングでカットが切り替わっているので、複数のアングルをチェックしながら編集が可能です。
編集点を修正する「ローリングツール」
一度切り替えたクリップ間の編集点を修正する場合は「ローリングツール」で修正します。編集点を前後にドラッグすると一括で前のクリップと後ろのクリップのタイミングを変更できるので、使いやすいです。ショートカットは「N」キーになります。
ツールボックスから「ローリングツール」を選択
「ローリングツール」を使えば2つのクリップ間の編集ポイントをロールすることが可能
その場でアングルを切り替える
その場でアングルを切り替える場合はレーザーツールなどに切り替えて編集点を追加し、切り替えたいクリップを選択して右クリックすると別のアングルに切り替えることも可能です。
このようにPrのマルチクリップ機能は修正も簡単なので非常に使いやすく感じます。例えば別撮りしたwavの音源をベースにクリップをスイッチしていくなど柔軟なフローが組み込めますので素材の条件もほとんどないのが大きなところです。この強力なマルチカメラ機能を使い、編集を効率よく行っていただければ幸いです。
Adobe Community Evangelistになりました^^
私ごとですがAdobe Max Japan 2017にタイミングでAdobe Community Evangelistプログラムに参加させていただくことになりました。映像系のコミュニティ活動をより広く行っていきたいと思います^^みなさまとお会いできる日を楽しみにしています!
また、Facebook上でPremiere ProやAfterEffectsのユーザーグループの活動も活発に行われています。この機会にぜひ興味ある方はご参加ください^^ではまた、お会いしましょう!