txt:山下大輔 構成:編集部

Premiere Proにはテロップ機能が2種類搭載されている

第5回は、Premiere Proにおけるテロップの考え方を紹介します。オフライン作業でも、どこにタイミングを計ったりイメージを伝わりやすくするために「仮テロップ」入れは必須の作業です。Premiere Proには2種類のテロップ機能を搭載しているので、選び方を把握していると作業効率が上がります。

Premiere Proにはテロップ機能が2種類あります。

  1. 「レガシータイトル」(タイトルデザイナー)
  2. 「グラフィック タイトル」

今回はレガシータイトルを解説します。

■レガシータイトルを起動する

Premiere ProがCreative Cloudになる以前から搭載されていたタイトル機能です。それまではタイトルという専用の項目の中に格納されていましたが、CC 2018現在ではメインメニュー→「ファイル」メニュー→「新規」→「レガシータイトル」の中に格納されています。

機能も豊富で、専用のウィンドウも用意されています。Photoshopの感覚で操作できることもあり、非常に柔軟です。いくつかの特徴を紹介します。

レガシータイトルのインターフェイス

■エッジをいくつも増やしていくことができる

レガシータイトルのプロパティには、「ストローク」という機能があります。これはテロップのエッジを任意に追加していく機能です。テロップでFinal Cut Pro 7のようなアウトラインテキストで使用していきたい場合は、この「ストローク(外側)」を追加すればエッジをつけていくことができます。必要であればダブルエッジやトリプルエッジにすることも可能です。

「ストローク(外側)」が0の状態(上)。「ストローク(外側)」を1つ追加した状態(中央)。「ストローク(外側)」を2つ追加した状態(下)

■文字ごとの行間、カーニング、トラッキングなどの機能が充実

レガシータイトルでは、フォントのパラメータを細かく設定できます。文字ごとにフォントを変更することもできるので、1文字ずつに分解しないのも良いところです。また、フォントの組み合わせによっては、文字の一部の高さが狙いと違う場合も「ベースラインシフト」などで調整することも可能です。

■フォントの表示をリアルタイムで切り替えられる

変更したいテキストを選択し、「フォントファミリー」でフォントを選択した状態で十字キーの上下を押すと、選んでいるテキストがリアルタイム更新されます。当たり前の機能なんですが、作業効率に直結する嬉しい機能の一つです。

フォントファミリーで選んだ書体が、即プレビューできる

レガシータイトルの注意点

■シーケンス内で複製する場合はコピペは使わない

オフライン中に「仮テロップを作成する場合決まり位置があり、文字だけ打ち込み直す」ことなどもあると思います。その場合はタイムライン上でコピペして貼り付けたいという心情は本当にわかるのですが、Premiere ProはNGです。それをしてしまうと「同じテロップ」として扱われてしまい、1つを修正すると全てが同じ状態に修正されます。何時間もかけて打ち込み、「ふぅテロップ打ちがやっと終わったから全体を確認してみよう」とシーケンスの最初に戻ると、全てが最後に切り替えた状態になってしまい、愕然とした人もいると思います。シーケンス上で他にも使いたい場合は、Option+ドラッグ(Mac)/Alt+ドラッグ(Win)で複製すると、「別の属性のテロップ」として扱われるので使い勝手は良いと思います。

他にも使いたい場合は、Option+ドラッグ(Mac)/Alt+ドラッグ(Win)で複製する

■レガシータイトルのレガシーという表記の問題

新タイトルが追加されてから旧タイトルの機能名には「レガシー」とつきました。これまでの遺産として機能があるのは嬉しい限りですが、新と旧の二つのタイトルがあるのはユーザーとして悩むこともあると思います。自分としてはこの「レガシータイトル」は、近い将来一つに統合されていくのだろうなと感じています。今までの機能とこれからの機能がどのように融合していくかを想像しても楽しいですが、まずはこれからどのようになっていくのかに注目です。

■テロップは日本の文化

日本は海外の番組と比べてもテロップが多いと言われています。それだけ情報が多かったりすので、ツールにも色々なことができることが求められます。今回解説したレガシータイトルと、次回解説するグラフィックタイトルで何ができるかをお伝えできればと思っています。

3月8日に「第7回 Premiere Proユーザーグループミーティング」が開催されます!

3月8日に今年1回目のPremiere Proユーザーミーティングが開催されます。ホストはグループの管理人でもある市井義彦氏です。アドビ システムズ様の協力もあるミーティングなので、ぜひご興味ある方は参加されてみてはいかがでしょうか?以下が参加フォームになります。

第7回 Premiere Proユーザーグループミーティング

それではまたお会いしましょう!

WRITER PROFILE

山下大輔

山下大輔

フリーランスの映像講師。Adobe Community Evangelist。アドビ製品でビデオ編集をどのようにやっていくか日々模索中。FacebookではAfter Effects User Groupの管理人として勉強会なども随時行なっている。