日本放送協会(NHK)は、2008年よりIBCにてスーパーハイビジョン(SHV)の研究開発を発表している。IBC2010では、5月に開催したNHK放送技術研究所一般公開にて発表した、SHVフル解像度カメラを使ったデモンストレーションを行う。

このフル解像度カメラは、日立国際電気株式会社の協力により開発されたもので、フル解像度となる3300万画素(横7680画素×縦4320ライン)60Pの映像を撮影できる。従来の800万画素の撮像素子を4枚用いたデュアルグリーン方式を変え、3300万画素の撮像素子3枚を採用したことで、RGBすべてにおいてSHVのフル解像度の映像が撮影可能となった。

また、新しい光伝送装置をカメラヘッドに内蔵しており、約74Gbpsのフル解像度の映像信号をハイビジョンカメラ用ケーブル1本で中継車まで送れるようになっている。シアターには、22.2マルチチャンネル音響設備を揃え、58インチプラズマスクリーンを並べた大型スクリーンへ、日本ビクター株式会社と共同開発した3300万画素数のフル解像度SHVプロジェクターを用いて表示する。

このプロジェクターは、ダイナミックレンジを、従来の前面投射方式プロジェクターの100倍となる100万対1に向上しており、より鮮明な「黒」を再現する。更に、もう1台のSHVフル解像度カメラはアムステルダム市内に設置され、超ワイドバンド光ファイバー経由でIBC会場へ伝送し、生中継する予定である。