Blackmagic Designでは、リーダー電子株式会社が開発したステレオスコピック3D効果測定システム「3D ASSIST STUDIO」に、同社製の3D対応キャプチャー・再生カード「DeckLink HD Extreme 3D」が使用されていることを発表した。
「3D ASSIST STUDIO」は映画やテレビ番組の3D制作、3Dモニターの研究や開発において3D効果の評価とシミュレーションができるソフトウェアパッケージ。視聴者が観る3D映像が、自然に見える立体映像となるよう、左右のカメラの視差を数値で確認しながら、人体に有害な映像になっていないかを測定する。
リーダー電子では、3D ASSIST STUDIOと推奨3D入出力ボードを搭載するワークステーションとモニターでシステム化している。今回、DeckLink HD Extreme 3Dが左右用映像の入出力ハードウェアとして選ばれた。3D視差自動ソフトウェアのSDI入力、3Dキャラクタスクロール・ソフトウェアと3Dキャラクタ生成ソフトウェアのHDMI出力を行う。「3D ASSIST STUDIOは、このExtreme 3Dボードの機能を活かして開発した。またワークステーションの推奨スペックも、入出力ボードに依存する」と、リーダー電子株式会社技術開発部チームマネージャーの三田博久氏(左写真)は説明している。
3D ASSIST STUDIOには、3Dの視差を測定・シミュレーションするためのソフトウェアが4つ同梱されている。そのうちメインとなる「3D視差自動測定ソフトウェア」は、DeckLink HD Extreme 3DのHD-SDIを経由して撮り込んだ画像のデータを加工測定して表示する。このソフトウェアは、IPD(瞳孔間距離)、視聴距離やスクリーンサイズといった、実際の視聴環境に関するパラメータ値を設定することでパーセンテージ表示から奥行き量(何センチ)という表示で計測することができる特長を持っている。3D ASSIST STUDIOは動画だけでなく、現場において静止画で簡単に測定できるソフトウェアや、3Dキャラクタスクロール、簡易3Dキャラクタ生成ソフトウェアが同梱されている。
現在、スポーツやコンサート会場などで3D収録を行うことが増えてきているが、リーダー電子では、そういった現場でも大いに活用してもらえるよう、システムの小型化も将来的に検討しているという。また3D ASSIST STUDIOはハードウェアベースの測定機器に比べて価格がおさえられており、3D制作をする際のコスト面的な敷居も下げられるとしている。