五輪マルチスクリーン放送元年となったロンドンオリンピック。日本放送協会(NHK)では過去最大規模のネット生中継も実施し、オリンピック開催期間中における特設サイトの総アクセス数(PV)は3億3936万1068件となった。このうち、スマホ/携帯電話からのアクセスは3793万9722件。また7月30日には1日の最大値である3161万5393件を記録した。NHKが初めて本格的に実施したネット生中継.では2613万8061件のアクセス数を得ている。

このライブ配信では、7月28日から8月13日(日本時間)までの17日間にNHK地上波・BS、民放で中継しなかった20競技を計913時間40分提供した。日本時間28日16時半からのバドミントン1次リーグを皮切りに、大会最終日まで1日6~19競技を最大で同時8チャンネル(L1~L8)で配信した。最もアクセス数が多かったのは、7月29日のテニス男子シングルスのアンディ・マリー選手(英国)の1回戦で午後11時5分の約5万3千件。オンデマンドでは、動画クリップが620本製作され、総再生回数は344万5033回だった。対して2010年冬季バンクーバー五輪では、7競技で計100時間ほど行っている。このイベントでのアクセス数は約25万件だったという。

オリンピック公式放送局の米NBCでも、イベントでの過去最大のテレビ視聴率を得ただけでなく、オンライン視聴者数でも最高の数値を記録した。テレビでは2億1940万ビューワー(平均3100万/日)、特設サイトの総アクセス数(PV)は20億PVにも及んだ。総合ビデオストリーム数は北京オリンピックの2倍以上になる1億5900万本、その内ライブ配信は6400万ストリーム(計3,500時間分)であった。ライブ配信など特別サイトから鑑賞するためのアプリの認証数から、視聴端末数は990万台が確認されている。

米市場リサーチ会社によると、オンピック開催期間中、デバイスを問わずなにかしらオリンピック放送を視聴した数は全体の78%になるという。そのため開催期間中では、Netflixといったオリンピックに関連しないオンラインTVサービスの視聴率に影響が出ている。7月29日では25%も視聴率が下がった。

(山下香欧)