NHKは、今年の夏季オリンピックにおいて、リニア放送されない一部の競技をインターネットで生中継した際の経費内訳を公開した。総計は3800万円。NHK編成局デジタルコンテンツセンターより11月5日に発表されたもの。
PDF: http://www.nhk.or.jp/pr/keiei/otherpress/pdf/20121105.pdf
内訳として、映像伝送関連がほぼ50%分占めており、その中でも配信インフラコスト(CDN配信費用)が1200万円となった。視聴者数が増えれば帯域負荷が大きくなり、CDN配信コストも増える仕組みだ。
NHKは、バンクーバーオリンピックでもライブストリーミングを実施したが、今回はその3倍規模となった。20競技を913時間でストリーミング放送を行い、2613万8061件のアクセス数を得たという。また今回はCDN配信方式(800kbps)に加えて、NHK技研が開発したP2P方式でも1.5Mbpsでの高画質で配信実験を行っている。P2Pでは、30万以上のアクセス数があった。
NHKは本格的なネット生中継(ライブストリーミング)を今年の夏季オリンピックで実施するため、総務省へ業務申請許可(6月13日に認可)を得て準備を進めていた。また放送通信連携サービス(Hybridcast:ハイブリッドキャスト)の早期実施を目指して、テレビとタブレット端末が連携するアプリを開発し、実証実験を会期中に行っている。実証実験はスーパーハイビジョンパブリックビューイング会場(ベルサール秋葉)で展示された。
技術的知見については、NHK放送技術研究所の公式サイト(http://www.nhk.or.jp/strl/)などで追って発表する予定。
(山下香欧)