Blackmagic Designの発表によると、Stern Advertising社によるマクドナルドの「SuperGood」キャンペーンで、Blackmagic Pocket Cinema Cameraが使用されているという。一人称視点で作成された同CMの監督および撮影を担当したのは、カリフォルニアのポストプロダクション会社、Native Sons Filmsのジョー・マレー氏。マレー氏は、Pocket Cinema Cameraで撮影したフッテージを、DaVinci Resolve 10を使ってトランスコードし、ディレクターズカット版のカラーグレーディングを行った。
マレー氏:このCMのコンセプトは、一人称視点のカメラでマクドナルドのある生活を追うというものです。この手法のメリットは、すべてのショットで製品やロゴを見せることができること、そして一人称視点で視聴者の注目を引き、視聴者自身にCM体験を共有してもらえることです。
この撮影では、カメラを自転車用ヘルメットのマウスガード部に取り付ける必要があった。このため、軽量かつコンパクトで、さらに13ストップのダイナミックレンジでRAW収録が可能なPocket Cinema Cameraが採用されることになった。
マレー氏:カメラマンと俳優が自転車やスケートボードに乗ったり、人々の輪に加わって浜辺のパーティでダンスするシーンを撮影しました。このCMのコンセプトでは「動き」が非常に重要だったのですが、Pocket Cinema Cameraの形状はこの撮影に最適でしたね。
カメラを通してではなく、あたかも実際の人の目を通してそのシーンを見ているかのような仕上がりにしたかったので、洗練されたシネマライクなルックにする必要がありました。映像は視点がコロコロと切り替わりますが、作り込み過ぎた過密な映像や、魚眼レンズを使用したゆがんだ映像は使用したくなかったのです。私が望んでいたのは、ワイドレンズを使用した、角の歪んでいないスムーズで高画質なルックです。これを実現するには、Pocket Cinema Camera以外の選択肢はありませんでした。
今回の撮影では、窓から明るい日差しが差し込むシーン、橋のトラスから光が漏れるシーン、夕暮れ時のビーチでのキャンプファイヤーなど、コントラストレンジが非常に広いフッテージが多かった。Pocket Cinema Cameraのラティチュードは、これらのディテールを捉えるに役立ったとマレー氏は言う。
マレー氏:いくつかのショットは一眼レフで撮影したのですが、Pocket Cinema Cameraとの画質の違いは一目瞭然でしたね。Pocket Cinema Cameraではクリップすることなく簡単に撮れるシーンでも、一眼レフでは露出、ラティチュードのダイナミックな変更を捉えられなかったのです。Pocket Cinema Cameraのラティチュードは、まさに私たちが必要としていたものでした。ビーチでのキャンプファイヤーのシーンでも、Pocket Cinema Cameraは影から炎まで、あらゆるディティールを捉えることができたのです。
Pocket Cinema Cameraは13ストップのダイナミックレンジに対応しているので、ポストプロダクションの段階でDaVinci Resolveでカラーグレーディングを行う際に必要なすべての情報を得られる。
マレー氏:DaVinci Resolveでは、フッテージの露出を適切に調整してネイティブのRAWコーデックで作業すると広いラティチュードが得られます。これは従来のH.264コーデックと比べて非常に大きなメリットでした。これからもパワフルなDaVinci Resolveを使い続けていきたいと思います。他の選択肢はもう考えられませんね。