アドビ システムズ 株式会社は、2014年10月4日~8日(現地時間)にアメリカ・ロサンゼルスで開催されているクリエイター向けイベント「Adobe MAX 2014」で、Creative Cloud マイルストーンリリースの提供開始を発表した。Creative Cloudのアップデートは本日より利用可能となっている。
今回のリリースでは、新しいモバイルアプリ群と、連携する13の主要なCCデスクトップツールの機能アップデートが提供される。また、Photoshop CCとIllustrator CCの最新バージョンには、Microsoft Windows 8およびSurface Pro 3のタッチサポートに関するアップデートが含まれる。CCデスクトップツールと9つの新しいモバイルアプリを連携させることでPhotoshop、Lightroom、Illustrator、Premiereの機能をモバイルデバイスで拡張するとしている。
また同社は、Creative Cloudに連携するモバイルアプリを配信可能な「Creative SDK」のパブリックベータと、世界中のクリエイターとブランドや企業クライアントをつなぐ新しいサービス「Creative Talent Search」も発表した。詳細は以下の通り。
(以下、プレスリリースより引用)
Creative Cloud上でメンバーのクリエイティブアイデンティティとなる最新のクリエイティブプロファイル
Creative Cloudの今回のリリースには、新しいクリエイティブプロファイルも含まれ、クリエイターは場所に関係なく各自の作品、制作に使用するアセット、貴重なフィードバックが得られるコミュニティにアクセスできます。指先の操作だけで、ファイル、写真、カラー、ブラシ、シェイプ、フォント、テキストスタイル、グラフィックスなどのアセットをいつでも利用できるようになります。この新しいクリエイティブプロファイルは、アプリからアプリ、デバイスからデバイスへと、クリエイターと共に移動するので、アセットは、クリエイターが必要とするときに正しいコンテキストで自動的に表示されます。モバイルアプリが提供するCreative Cloudとの新しい連携
今回のリリースは、基本的なCreative Cloudデスクトップツールと、Photoshop、Illustrator、Premiere Pro、Lightroomの機能をモバイルデバイスにまで拡張する新モバイルアプリ群をシームレスに繋ぎ、全く新しいワークフローを実現します。主なラインナップは次の通りです。
- PhotoshopファミリーのPhotoshop Sketch(従来のAdobe Sketch)では、クリエイターは表現力に優れた新しい内蔵ブラシを使って描画を行い、Photoshop CCおよびIllustrator CCとワークフローを統合できます。Photoshop Mixのアップデートでは、緻密なモバイル合成機能が拡張し、Photoshop CCだけでなく、新しいiPhoneバージョンで強化された統合も含まれています。新しいLightroom Mobileアプリは、デスクトップとモバイルの統合ワークフローの上に構築されており、クライアント、友人、家族とオンラインで共有している写真からお気に入りを選択したり、コメントを残したりする機能や、Lightroomデスクトップと同期されるようになったiPhoneからのGPS情報などを提供します。
- IllustratorファミリーのIllustrator Draw(従来のAdobe Ideas)では、先進的で合理化されたインターフェースからお気に入りのベクトル描画ツールおよび機能にアクセスできます。また、Illustrator CCとの統合は忠実度が高く、Adobe InkおよびSlideのサポートが強化されています。精密描画アプリのIllustrator Line(従来のAdobe Line)は、正確な幾何学図形や遠近法を用いたパース図をiPadで作成する環境をクリエイターに提供します。また、今回のアップデートで、Illustrator CCにアートワークを送信し、Illustrator CC側でベクトルデータを編集する事ができるようになりました。
- Premiereファミリーの新しいAdobe Premiere Clipアプリでは、iPhoneまたはiPad上でビデオショットを、簡単に共有できる編集済みビデオに簡単に変換できます。ビデオグラファーの志望者は、合成済みの作品をAdobe Premiere Pro CCに送信し、高度な編集や仕上げを施すことができます。
アドビは、デザインを作成し、それをクリエイティブワークフローに取り込むための新しいカテゴリとなる「キャプチャ」アプリも発表しました。
- Adobe Brush CCを使用することで、デザイナーはPhotoshop CC、Illustrator CC、Adobe Illustrator Sketchで使用できるユニークなブラシをiPadまたはiPhone上で作成できます。どのような写真からでもブラシを作成できるので、クリエイターは、写実的、オーガニック、絵画風、グラフィックなどさまざまな種類の美しい高品質ブラシを素早く、かつ楽しくデザインできます。
- Adobe Shape CCは、アイデアが思い浮かんだらいつでもiPhoneまたはiPad上で形状を取り込んだり、作成するためのシンプル、ユニークかつ楽しい方法を提供します。椅子、ペット、手書きフォントなど、あらゆるものの高コントラスト写真をベクトルアートに変換でき、それをCreative Cloud Libraries経由でそのままIllustrator CCやAdobe Illustrator Lineで利用できます。
- Adobe Color CC(旧Adobe Kuler)を使用することで、クリエイターは色を取り込んでテーマとして保存できます。保存したテーマは、Illustrator CCやPhotoshop CCなどの別のアドビアプリケーションでそのまま利用できます。3これらのモバイルアプリはCreative Cloudのすべてのプランと連携するため、フリーランスから大企業のクリエイターまで、誰もがクリエイティブプロファイルによって繋がれたモバイルとデスクトップの深い統合ワークフローのすべてのメリットを活用できます。アドビは、Creative Cloudと連携するサードパーティ製モバイルアプリの配信を強化するCreativeSDKのパブリックベータも発表しました。Adobe Creative SDKは、creativesdk.adobe.comで公開されています。
CCデスクトップツールの新機能
Creative Cloudの今回のリリースには、アドビのデスクトップアプリケーション向けの強力な新機能も含まれます。主な新機能には、主要デザインアプリケーション向けのWindows 8デバイスでのタッチサポート、Photoshop CC向けの新しい3Dプリント機能とMercury Graphics Engineのパフォーマンス強化、Illustrator CCの新しい曲線ツール、InDesign CCでのインタラクティブEPUBのサポート、Muse CCでのSVGとテキストの同期サポート、高精細4KおよびUltraHDビデオをPremiere Pro CCで表示するためのGPU最適化再生、After Effects CCでのHiDPIと新しい3Dのサポートなどがあります。メンバーのクリエイティブプロファイルによって、新しい強力なモバイルアプリやサービスにアクセスできるCCデスクトップツールとのシームレスな新しいワークフローが実現できます。ファイル共有、Behance、TypeKitなどのCreative Cloudサービスの成功をベースとして構築された、本日公開の主な新サービスは次のとおりです。
- Creative Cloudマーケットは、Creative Cloudメンバーが自由にアクセスできる高品質なロイヤリティーフリーの素材集です。プロフェッショナルなクリエイターによって作成されたユーザーインターフェース、パターン、アイコン、ブラシ、ベクトル形状など、何千ものファイルにアクセスして利用することで、デスクトップとモバイルにまたがるプロジェクトを迅速化できます。
- Creative Cloudライブラリは、強力なアセット管理サービスです。クリエイターは、Creative Cloudのデスクトップ、モバイルアプリ、サービスからカラー、ブラシ、テキストスタイル、ベクトル画像に簡単にアクセスしたり、作成することができます。Creative Cloud ライブラリは、Photoshop CCやIllustrator CCなどのデスクトップツールと相互にアクセスすることができ、コンパニオンモバイルアプリにもアクセスできます。
- Creative Cloud Extractは、WebデザイナーとデベロッパーのためにPhotoshop CCのComp-to-Codeワークフローを再定義するクラウドベースのサービスです。デザイナーとデベロッパーは、不可欠なデザイン情報(カラー、フォント、CSSなど)をPDFファイルから解放して共有し、モバイルとデスクトップのデザインをコーディングする際に利用できます。