Blackmagic Designの発表によると、中国のオンライン・ビデオサービス・プロバイダーであるLeTVが、北京国家体育場(通称:鳥の巣)で開催された、中国のロックスター、ワン・フォン(汪峰)のコンサートで、ATEM 1 M/E Production Studio 4Kスイッチャー、ATEM 1 M/E Broadcast Panel、ATEM Studio Converter、ATEM Camera Converterを使用したという。また、プロダクションには、Blackmagic Design SmartViewモニター、HyperDeck Studio Pro、HDLink Pro、DaVinci Resolveも使用された。

同コンサートでは、PLレンズを装着した10台のデジタルフィルムカメラを使用し、各カメラにはATEM Camera Converterが接続され、カメラのSDI出力を光ファイバーへと変換した。すべてのカメラフィードは、光ファイバー経由で複数のATEM Studio Converterへと送信され、そこで再びSDIへと変換し、ATEM 1 M/E Production Studio 4Kスイッチャーへと送信された。スイッチャーのコントロールはATEM 1 M/E Broadcast Panelを使って行われた。

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ライブプロダクションのシステムデザインおよび技術サポートを担当したOxygenTecのエンジニア、Li Mingyue氏は次のようにコメントしている。

Mingyue氏:光ファイバーを使えば、1本のケーブルでビデオ、トークバック、そしてタリー信号をカメラとスイッチャー間で送信でき、同軸ケーブルでは不可能な距離でも送信可能です。このため、Blackmagic Designの光ファイバーベースのライブプロダクション・ソリューションでは、複雑な配線が不要です。さらに、より多くの近代的なスタジアムで光ファイバーネットワークが使われるようになっているので、光ファイバーの配線が非常に便利なのです。

同コンサートのプロダクションチームは、従来のライブプロダクションとは異なり、コンサート撮影のユニークな特性に対応するオンセットグレーディングをワークフローに組み込んだ。

オンセットのカラーマネージメントを担当した、Homeboy CineStudioのCEO、Hua Cheng氏は次のようにコメントしている。

Cheng氏:ステージ上で使われている様々な光源や色、そしてハイコントラストのショットは、通常のTVプロダクションで使用されている Rec.709スペースをはるかに越えるものでした。ワン・フォンのコンサートで使用したデジタルフィルムカメラでは、可能な限り広いカラースペースとラティチュードを実現するためにS-Log3のプロファイルを選択しましたが、これはライブプロダクション中にオンセットのカラーマネージメントが必要になります。

弊社の『Homeboy Color On Set』というライブカラーマネージメント・ソリューションを、Blackmagic DesignのHDLink Pro LUTボックスと、PomfortのLiveGradeソフトウェアツールに合わせて構築しました。ライブプロダクションの最中、プログラムフィードをHDLink Proに送信し、ラップトップで起動しているLiveGradeからフィルムを模したLUTを選択してロードしました。このLUTは、予めDaVinci Resolveで作成し、必要に応じて調整してあります。そしてフィルムルックにグレーディングされたプログラムフィードは、HDLink Proのループスルー出力から出力されました。

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グレーディング済みのプログラムフィードは、ATEM 1 M/E Production Studio 4Kへと送信され、同梱の無償ソフトウェアコントロールパネルを使ってロゴや曲のタイトルを挿入したり、無償のソフトウェアを使って外部ミキサーからのオーディオをコントロールした。ロゴ、曲のタイトル、そしてライブオーディオの付いたプログラムフィードは、LeTVのライブ配信システムへと送られ、同局のウェブサイトを介してインターネット視聴者へとライブ配信された。また、モニタリングには2台のSmartView HDモニターおよび1台のSmartView Duoモニターが用いられた。HDマスターは、HyperDeck Studio Pro SSDレコーダーで収録された。

LeTVは、ウェブ視聴の「チケット」価格を30元($4.9)に設定したが、同コンサートのライブキャストとノーカットの再演には75,000以上のアクセスがあったという。