韓国ケーブルTV放送協会は、ケーブルTV発足20周年を祝った「행복나눔 방송축제(幸せ分かち合い放送祭り)」を3月12日に東大門デザインプラザで開幕し、さまざまな新技術が適用された放送やIoTベースのスマートホームサービスなどを披露している。
会場では目玉として、“目で見ることができる実際の色味をほぼ表現できる”という、次世代のUHD放送技術「Next 4K」を初公開した。
UHDチャンネル「UMAX(ユーマックス)」を運営するホームチョイスは、サムスン電子と共同でHDR(ハイダイナミックレンジ)技術を適用したNext 4Kコンテンツ「都市再発見、ソフトシティ」を制作し、サムスンの量子ドット4K TV「SUHD TV」を介して披露した。記念祭開幕直前まで、制作側(ユーマックス)と表示側のメーカー(サムスン)による細かな画質調整により、今回の一般展示の実現に至ったという。ユーマックスは昨年開局した世界初の商用UHDチャンネル。Next 4Kのコンテンツを確保し、TV画質競争に関しても韓国が主導していく意思を強調する。
ユーマックスの「都市再発見、ソフトシティ」は4K60p、10bitで放送されている(HDR非対応)
Next 4K、つまりHDRを取り入れたコンテンツは、米配給会社が映画製作に試験の形で制作されたことはあるが、これまで放送用には存在していなかった。
「都市再発見、ソフトシティ」は、4Kカメラで収録され放送用4Kコンテンツとして昨年末に制作されていたが、ユーマックス側でHDRのより広い色の範囲を再現できるように再編集が施されていた。既存の4Kと比較すると解像度(3840×2160)は同じであるが、コントラスト表現を8から14段階に増やし、色領域を30%広げたという。既に使用されているSDR(スタンダードダイナミックレンジ)では色の明るさと暗さを256階調で表現するが、HDRが適用されると色範囲が1万6000まで広がる。
ケーブル業界は昨年4月、世界に先駆けて商用UHD放送サービスを開始している。今後Next 4Kの番組を制作し、コンテンツの品質を世界最高水準に引き上げる。
ヤンフィブ韓国ケーブルTV放送協会長は記者会見で「UHDを次の(Next)4Kにアップグレードして、世界最高水準の高解像度コンテンツの品質を維持する」と語った。またリアルタイム放送だけでなく、ビデオオンデマンド(VOD)サービスでもUHDコンテンツを大幅に増やしていく予定だという。
さらにユーマックスは、4月10日から現在の20時間放送から24時間体制に延長することを明らかにした。UHDコンテンツ自主制作比率を高め、関連するコンテンツを年末までに1,000時間分確保するという。
(山下香欧)