全米ナショナル・ホッケー・リーグ(NHL)のスタンレーカップをかけたプレイオフの中継放送に、GoPro HEROCastと超軽量なTimecode Buddyのタイムコードワイヤレス無線伝送装置をコラボレーションさせた、新しいワイヤレスPOVカメラシステムが採用された。
トロントにあるNHLのステータスルームでは、タイムコード付きのライブPOVフィードを受け取り、プレー状況や判定検査を行っている。この部屋ではHEROCastを含めて16チャンネルのカメラフィードを監視しており、インスタントリプレイで即座に判定やプレー状況を分析して、専用線を使ってそれぞれの試合のゴール審判やレフリーに分析結果を伝えるようになっている。今回、HEROCastを含め各スタジアムのワイヤレスおよび有線カメラで同期がとれるようにした。ワイヤレスによる映像伝送路遅延でタイムコードがドリフトされるのを排除し、フレーム単位で映像を確認する際にも絶対精度を実現する。
わずか120g程度の軽量でコンパクトなTimecode Buddyのタイムコード/ゲンロックジェネレータートランシーバ/ レシーバ
アリーナではHEROCastとTimecode Buddyのトランシーバ:mini trxをスタジアムのハウスタイムコードにロックし、またゴールポスト位置ではGoProとレシーバの:mini rxを配置した。RFの場合、双方向5msの超遅延で収まるという。Vislinkのレシーバ側では信号を受け取った後、タイムコードをつけたままHD-SDIに変換する。信号はステータスルームのほかに、ハウスプロダクションと現場の中継車に送られる。
NHLではプレイオフの放送用に:mini rxを40台、そしてHEROProと:mini trxの組み合わせを20のアリーナに導入した。各アリーナでは、4台のワイヤレスカメラシステムと3台のTimdecode Buddyシステムを設置している。今後、別の10か所のアリーナにも設置する予定という。
(山下香欧)