CP+2026の富士フイルムブースで注目を集めたのが「GFX ETERNA 55」だ。前年の参考出品を経て、今回は発売に合わせての実機展示となった。会場には本格的なシネマ撮影用のセットアップが組まれ、通電した状態の機材が用意されている。
コンシューマー向けの製品がひしめく展示会場内で、ボディ単体で約200万円、レンズを含めれば優に500万円を超えるプロフェッショナル機材が居並ぶ光景は、良い意味で場違いなほどの圧倒的な存在感を放っていた。
今回、特に目を引いたのは二つの異なるセットアップである。一つは、国内初展示となるSmallRig製のETERNA専用ケージを装着したGマウント仕様だ。驚くべきことに、そこには未発表のプロトタイプと思われるLeitz社の「HEKTOR(ヘクトール)」Gマウントバージョンが装着されていた。44×33mmオープンゲートモードでは、開放時にわずかな周辺光量落ちが見られるものの、Premistaモードや35mmモードに切り替えることで完璧な描写を得ることができる。レンズの特性をETERNA側の設定で引き出す柔軟性は、このカメラの大きな特徴といえる。

もう一方のPLマウント仕様は、まさに「手抜きなし」の重厚な構成であった。フジノンのPremista、Duvo、ZKといった放送・シネマ用レンズに加え、Atlasレンズのアナモフィックレンズまでもが用意されている。


SmallRigのケージで固められたボディには、外部マイクやタイムコード同期用のTentacle Syncが組み込まれ、即座に現場投入可能な実戦的スタイルが提示されていた。モニターにはモノクロのフィルムシミュレーションが映し出されていたが、その階調は豊かであり、スペック以上の質感が感じられた。
GFX ETERNA 55のデモ映像を通じて改めて惹きつけられたのは、4:3のオープンゲートがもたらす独特の映像美である。かつてのスタンダード・アスペクトを彷彿とさせるこの比率は、ETERNAの大型センサーと融合することで、現代のドキュメンタリーやミュージックビデオに新たな息吹を吹き込む可能性を秘めている。

横長画面が主流の現代において、上下に十分な高さを備えた構図はかえって新鮮であり、アナモフィックレンズとの相性の良さも際立つ。こうしたフォーマットの自在な運用を可能にするETERNAの設計は、単なるスペックの追求にとどまらず、多様化する現代の映像制作において、表現者の想像力を支える確かな基盤となっている。