© 2014「日々ロック」製作委員会 © 榎屋克優/集英社

Blackmagic Designの発表によると、2014年に公開され、2015年6月にDVDのリリースが予定されている映画「日々ロック」の制作に同社のカメラおよびDaVinci Resolveが使用されているという。

「日々ロック」はいじめられっこの主人公、日々沼拓郎がバンドを組み、ロックスターを夢見て活動する姿を描いた映画。榎屋克優氏の人気コミックを原作としている。野村周平、二階堂ふみという若手実力派俳優を主演に起用しているほか、ロックを題材にした作品だけに、旬のロックアーティストも多数参加している。

撮影監督を務めた谷川創平氏は次のようにコメントしている。

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撮影監督の谷川創平氏

谷川氏:内容が盛りだくさんの作品でしたので、その内容をすべて撮影するために、たくさんのカメラが必要でした。そのためカメラについては、トータルコストを抑えつつも、LogやRawで撮影できて映画としての色表現についても問題ないことも重要でした。その点、Blackmagicのカメラの色味は映画人にとって使いやすいと思いますね。

同作品の撮影ではBlackmagic Cinema CameraおよびBlackmagic Production Camera 4Kを1台ずつメインで使用した。Blackmagic Cinema Camera MFTは、Aカメラとして、Production Camera 4K EFはBカメラとして使い、最もカメラが必要なシーンでは、さらにBlackmagic Cinema CameraやBlackmagic Pocket Cinema Cameraを複数台追加して撮影に挑んだという。

谷川氏:アイドルのコンサートシーンでは、5台から6台のBlackmagicのカメラを回しました。ライブハウスでのシーンでは、Pocket Cinema Cameraを壁や天井に取り付けて撮影しました。ライブハウスのステージは狭いので、カメラが小さくて助かりました。

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© 2014「日々ロック」製作委員会 © 榎屋克優/集英社

谷川氏:デジタル撮影の作品はたくさん携わってきましたが、トラブルはつきものです。けれど今回、Blackmagicのカメラでの撮影は、問題がまったくありませんでした。非常に安定性があります。あれだけ安価でコンパクトなカメラなのに、あれだけいい画が撮れるということで、私のまわりでもBlackmagicのカメラを所有しているカメラマンが結構います。

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同作品は、カラリスト高田淳氏(IMAGICA)によって、DaVinci Resolveが使用された。

谷川氏:グレーディングの際は、フィルムっぽい質感が好きなので、黒がしっかりと出ていながらも、つぶれないでディテールがでるようにして、サチュレーションをあまりたてないようにしました。今回はカラリストにグレーディングをお願いしましたが、自分でDaVinci Resolveを使うこともあります。DaVinci Resolveはパワーウィンドウがいくつでも使えるところが気に入っています。最近の撮影現場では、細部まで照明を煮詰めていくことが難しいこともあります。また俳優のテンションをおとさないためにも、照明を直す処理に時間がかかり、後処理でも対応できると判断した場合は、ポストプロダクションで処理することもあります。そういった意味で、多くのパワーウィンドウを使い、細部まで芸術的な処理をすすめられることは、非常に便利ですね。