© NASA/UrtheCast

高精細地球表示システム(High Definition Earth-Viewing System=HDEV)をご存じだろうか?昨年4月に宇宙ステーション(ISS)が開始した実験の一つで、宇宙から地球(天体)の様子を24時間、ライブストリーミングで体験できる。

今回は、地球天体の観察ではなく、地上の様子を宇宙から超解像度の映像で観測できるカメラについてだ。カナダのUrtheCast(アースキャスト)が水曜日に一部の映像を公開した。アースキャストのTheia(中解像度)カメラとIris超解像度カメラは2013年にISSに設置された。以来、ライブストリーミングができることを目標に、Theiaでは3200×8000(25Mピクセル)の静止画を記録しつづけている。

ボストンの様子。高速道路に走る車がわかる

Irisカメラは2軸のポインティングプラットフォームに搭載され、時速2.7万キロで地球上を通過するISSから地上の様子を映像でとらえる。現在、フルカラーで15平方キロメートルの面積を60秒間収めることができるとしている。今回公開された映像はダウンリンクされてから数時間で、オンラインに公開された。現在の画像解像度は1メートル。

アースキャストは事業展開として、映像は地球の作物の成長観察や地球自然の変化や天災の観測、油田・ガス田などに利用できるという。またISSの移動場所を計算しておけば、自分が住む地域の映像から人文字アートを撮ってもらうこともできる。

アースキャストは米ペプシの「2015 Pepsi Challenge」キャンペーンビデオで提携している

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HDEV。太陽の光で無数の塵が見える。加圧・温度制御したハウジングに封入した一般のHDビデオカメラが地球方面に向けられて撮影をしている。カメラは数台そろえられており、各カメラが切り替わるときには黒色のスレートがスクリーンに現れる。ISSの移動場所によって地球は夜の状態でスクリーンは暗くなる

(山下香欧)