総務省は2月17日、衛星基幹放送による超高精細度テレビジョン放送(4K/8K放送)の試験放送を行う事業者に、申請のあった一般社団法人次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)及び日本放送協会(NHK)を認定したことを発表した。総務省では昨年10月30日から一か月間、衛星基幹放送による超高精細度テレビジョン放送の試験放送の業務について認定申請を受け付けていた。その間に申請のあった2事業者について、電波監理審議会に諮問し、原案を適当とする旨の答申を受けた。

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総務省が進めている研究会「4K・8Kロードマップに関するフォローアップ会合」がまとめたロードマップでは、BSを使った4K/8Kの試験放送は、2016年中に4Kは最大3チャンネル、8Kは1チャンネルで、それぞれ最大1日12時間放送することを目標に掲げていた。

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今回決まった4K/8K試験放送は、BS17チャンネル(「衛星セーフティネット」・地デジ難視対策衛星放送、終了後の空き周波数帯域)で実施される。8K試験放送はNHKがリオ・オリンピックをターゲットに8月1日より、4K試験放送はNexTV-Fが12月1日から開始する。

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4K放送ではBS右旋のトランスポンダ(中継器)の60スロット/40スロット、8K放送では120スロットを使用する(1トランスポンダは120スロット)。8Kは1日6時間、4Kは毎日1時間という、合わせて1日7時間程度の周波数分割および時分割方式で行われる。ただし計画表のとおり、週に一度はNexTV-Fが1時間中10分を8Kで実施、そしてNHKも毎週最終週の16時台に1か月に6時間程度の4K試験放送を行う予定となっている。

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この4K/8K試験放送では、周波数分割をするがゆえにリオ・オリンピックの4K放送を見送る形となっており、NexTV-Fが124/128度CS衛星を使って試験放送として続けてきた「Channel 4K」での実績が減速される感がある。加えて一般家庭への4K/8Kおよび従来のテレビ視聴環境とのハイブリッドの仕組みなど、実用サービスおよび一般への普及に向けての仕組み作りについて、ロードマップに敷かれた予定に間に合うよう急がれる。

(山下香欧)