米Harmonicの発表によると、NBCスポーツ・グループの1部門であるNBC Olympicsが、ブラジルのリオデジャネイロで2016年8月5日から21日まで開催される、第31回オリンピック競技大会の番組制作のために、Harmonic MediaGrid共有ストレージシステムおよびSpectrum MediaDeck統合メディアサーバーを採用したという。
NBC Olympicsは、世界10箇所におけるイベント放送、オンデマンド、デジタル、ニュースオペレーション、および長編アーカイブなど主要な制作分野において、Harmonic社のソリューションを活用。NBC Olympicsが業務の一部を米国内で行えることで、より簡単に、幅広くかつ効率的な配信コンテンツ制作ができるようになるとしている。Harmonic社のビデオ製品部門SVPバート・スプリースター氏は次のようにコメントしている。
スプリースター氏:Harmonic社は、2008北京五輪から継続的にNBC Olympicsの番組制作をサポートしており、当社の技術とインフラは、感動的でタイムリーなコンテンツを提供するマルチプラットフォームへの進化を下支えしてきました。2016リオ五輪でも、再びNBC Olympicsの信頼できるパートナーになったことを誇りに思うと同時に、リオ五輪の大成功を確信しています。
NBC Olympicsのコネチカット州スタンフォード施設には、Harmonic社のシステムインフラおよび制作ソリューションが既に整備されており、リオ五輪開催に際して、リオの国際放送センター内にあるNBC Olympics制作拠点に導入されたシステムと連携することで、複数のテレビチャンネルでタイムリーかつ、膨大な数のコンテンツの放送を可能にするとしている。
Harmonic社のMediaDeckメディアサーバーは、同時に最大60の受信フィードを50MbpsのXDCAM-HDおよびH.264低解像度プロキシの両方で記録。これらのシステムにより、スタムフォード施設のNBC Olympicsのスタッフはローカル収録の60以上の追加チャンネルを独自に制御できるようになる。各プロキシは、スタンフォードの施設に設置された第2の920TB MediaGridに2つの10GB回線を通じて接続された960TB Harmonic MediaGridストレージシステム上にて、ほぼリアルタイムで複製される。
アメリカとブラジルのNBC Olympics制作スタッフは、イベントの進行中や、ファイル受信中などの場合でも、メディアアセットマネジメント(MAM)システムを介して、MediaGridシステムのいずれかに格納されたコンテンツに直接アクセスすることが可能で、一旦収録が開始すると、スタンフォードにいる数十名のロガー、プロデューサー、エディターらは同時に映像素材にアクセスし、必要なものを抽出し、ハイライトを作成する。メタデータとして埋め込まれた大量のライブログ、統計情報、スコア、時刻などの情報を使用して、エディターは自動的にライブマルチスクリーンサービスと共に、ストリーミングを行うためのプロキシ解像度映像、もしくはNBC Olympics放送の従来のスタイルで、スタンフォードやアメリカなどその他の都市にある放送編集施設で使用するための、高解像度用ショットリストが作成可能だ。
MediaGridに直接マウントされたEVSのIPDirectorと、MediaGridシステム、NBCのEVSサーバーワークフローの統合により、EVSシステムのストレージ容量の拡張・確保が可能となり、全てのIPDirectorのデスクから、NBC Olympicsの担当者は全ての会場における競技の映像に即時にアクセスすることが可能。スタンフォードのLTO-6ライブラリーは、制作スタッフが過去のオリンピックのコンテンツへのアクセスや使用も、より容易に行うことができるという。