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NTTエレクトロニクス社ブースでは、NTT研究所によるリアルタイム4K120fpsスケーラブルエンコード技術が参考出展され、ブースの表を飾っていた。ベースバンド信号を受ける放送向けリアルタイムHEVCエンコーダである。4K120fpsの映像データを田の字分割し、4つのNARA LSIで並列処理させることで、120fpsというフレームレートをリアルタイムでHEVC符号化処理が行えるようになる。
また、1つのLSIが1080p/30fpsの符号化を担う。複合化(デコード)処理は現在、汎用のPCに搭載したソフトウェアデコーダーでエンハンスメントストリームとベースストリームで受信した、圧縮されたビデオ情報を復号する。
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ARIB規定によるスケーラブル参照構成を持ち、エンハンスドレイヤー(Enhanced Layer)とベースレイヤーの処理が行われるため、将来市場に出てくるHFR対応のテレビ受信機であればHFRで、また非対応のテレビ受信機であれば60fpsで再現可能となる仕組みだ。
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同社ブースでは、ミニシアターで処理結果映像をプロジェクター投影が行われた。田の字のつなぎ目は全く違和感のない映像であった。
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同技術は2月に開催されたNTT R&Dフォーラム2017でも公開されていた。NAB展示会場では、ハードウェアによる120fps処理するエンコーダー製品の展示は、NTTブースだけだった。
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