Blackmagic Designの発表によると、マドリードを拠点とするポストプロダクション会社Pigmento Color Gradingが、HDRカラーコレクションおよびIMFデリバリーに対応するための施設アップグレードにおいて、ソフトウェアをDaVinci Resolve Studioに切り替えたという。
創始者のフェルナンド・マルティネス氏とペペ・アベラン氏は、オーディオビジュアルのフィニッシングにおいて20年以上の経験を積んできたカラリストで、欧州全土の放送関係やOTTの顧客に対して、きめ細やかなサービスを提供することで知られているという。同社はこれまでに、「El embarcadero(The Pier)」、「Vis a vis(Locked Up)」、や、エミー賞受賞作「La casa de papel(Money Heist)」などを担当してきた。
Dolby Vision、HDR10+、IMFに対応したワークローに対する顧客からの要望が高まる中、PigmentoはDaVinci Resolve Studioをメインのオンライン、グレーディング、マスタリングソリューションとして導入することに決めた。DaVinci Resolve Studioは、同社に2室設けられたグレーディングスタジオに加え、コンフォーム、VFXフレームの送信処理、納品用に2台のサポート・ワークステーションにインストールされた。
ワークステーションは、Intel XeonのデュアルSuperMicroプロセッサーに加え、それぞれNVIDIA Tesla K80およびRTX2080tiグラフィックカードを搭載している。また、スタジオにはSonyのBVM-HX310およびDolbyのPRM 4220リファレンスモニターと、DaVinci Resolve Mini Panelを設置。このセットアップは180TBの共有ストレージに接続されており、600TBのNASがバックアップに使用されている。
これに加え、2020年末までに4KおよびHDR用に、さらに2室のスタジオを追加することを同社はすでに決めているという。
アベラン氏:新しい作品に取り掛かる前に、毎回ワークフローの見直しを行ない、必要に応じて改善を図っています。これにより、弊社が関わる作品の品質が維持され、今後も引き続き興味深い仕事の依頼が得られると考えています。
以前は他のフィニッシングツールを使用していましたが、HDRやIMFなどの新しいテクノロジーに対する適応性という点では特に、満足度は決して高いものではありませんでした。顧客は、このような新しいフォーマットでの納品を希望しますが、以前に使用していたソフトウェアでは、それに応えられないと感じていました。そこで、他の製品のリサーチを始めたのですが、DaVinci Resolveは常にあらゆるレビューで非常に高い評価を得ていました。
カラリストのダビード・ゴンザレス氏は次のようにコメントしている。
ゴンザレス氏:今では、毎日のようにフリッカー除去やデッドピクセル用のOFXツールを使用しています。また、カラーページのフィルター機能では、番組全体の中から特定のテープを抜き出し、品質管理のために行うカラーコレクションを数分で適用できるので大変助かっています。ワークフローが本当に高速化されました。
マルティネス氏:DaVinci Resolveへの切り替えは、シームレスに行えました。技術面だけでなく、インターフェースはシンプルで整理されたデザインで、また全世界に広がるDaVinci ResolveのユーザーコミュニティやBlackmagic Designのサポートチームは掛け替えのない存在です。何か問題がある場合に、解決策を探す手伝いをしてくれます。
DaVinci Resolveは、極めて優れた製品ですね。高品質なだけでなく、価格的にも手頃で、柔軟性に富んでいるので、弊社のような小規模のスタジオに最適なツールです。必要に応じて、簡単にスケールアップし、最新のテクノロジーを使って納品できます。