富士フイルム株式会社は8K映像の撮影を実現する放送用ズームレンズ「FUJINON HP66×15.2-ESM」(以下:HP66×15.2)を2021年2月より発売する。以前、2020年秋に発売予定としていたもの。価格はオープン。
HP66×15.2は、66倍ズーム・望遠11000mmのボックスタイプの放送用ズームレンズ。8K対応の解像力だけでなく、鮮やかな色再現と高いコントラストを実現しているため、ハイダイナミックレンジ(HDR)を活かした映像制作を可能にするとしている。15.2mmから1000mmまでの焦点距離をカバーし、66倍ズームを実現しているため、遠く離れたスポーツ選手の決定的なプレーなどをとらえることが可能。
非球面レンズと蛍石レンズにより、画像の歪みや周辺解像力の低下を徹底的に抑制。撮影距離に応じて複数のレンズ群を制御する「フローティングフォーカス方式」を採用しており、撮影距離の違いによる性能変化を極限まで抑え、近距離から無限遠までシャープな映像を提供するとしている。同社独自の多層コーティング処理「HT-EBC(High Transmittance Electron Beam Coating)」をレンズ表面に施し、光の透過率を向上させたことで、鮮やかな色再現と高いコントラストを実現。
手元でフォーカスの調整を行えるフォーカスデマンド「FUJINON EPD-51A-D02/F02」との組み合わせにより、精緻なフォーカシングが可能。高倍率ズームレンズで採用している光学式防振機構を搭載し、風や足場の揺れによる映像のブレをタイムラグなく的確に補正し、安定した映像撮影を実現。9枚絞り羽根を採用することで、円形に近い絞り形状を実現し、より自然なボケ味を活かした映像表現が可能。
ズームやフォーカスの位置情報などのレンズデータを高分解能で出力できる16bitエンコーダーを標準装備。CG映像とライブ映像を合成するバーチャルスタジオなど、さまざまなシステムと連携可能だ。