AJA Video Systems社は、同社のリアルタイムHDR/WCGコンバーター&フレームシンクロナイザー「FS-HDR」のファームウェアv4.1を提供開始した。同社Webページより無料でダウンロード可能。
同ファームウェアにより、デバイスのフレーム・バッファ深度を拡大し、最大20フレームの遅延を設定可能。また、HDRワークフローを簡易化したり、最新のBBC HLG LUTを利用したいと考えている制作現場に向けて、v1.5のBBC HLG LUTへの対応を拡大した。v1.5のBBC HLG LUTでは、直接マッピング用と、SDR BT.2020からHLG BT.2100へのアップマッピング変換用に対応する2種類のLUTを新たに追加。
HLG BT.2100からSDR BT.709へのダウンマッピング変換を行った際の彩度が改善された。同ファームウェアは、NBCユニバーサルとCromoramaが共同で新開発したNBCU LUTにも対応。NBCU LUTにはSDR、HLG、PQの各LUTが含まれており、核となるSDR放送は維持したまま、HDR放送ではダイナミックレンジとカラーボリュームを最大化できるとしている。
また、業界要件とユーザーからのフィードバックに応え、幅広いフォーマットと様々なコンバージョンに対応するアンシラリーデータのパススルー機能や変換機能を強化している。広告の挿入にSCTE-104マーカーを使用する伝送アプリケーションでは、FS-HDRでSCTE-104パケットの自動パススルーが可能。FS-HDRの新しいTimecode Xlatorは、アンシラリータイムコード(LTC、VITC1、VITC2)をパススルーまたは変換する。さらにクローズドキャプションのパススルーに対応する一連の変換機能が拡張された。
AJA Video Systems社の社長であるNick Rashby氏は次のようにコメントしている。
HDR制作・配信ワークフローが進化し続ける中、AJAは業界の牽引役として今回のFS-HDR v4.1最新アップデートのようなプロの現場で役立つツールを提供します。これにより、最も鮮明で正確な色味のHDRおよびWCG(広色域)コンテンツの制作に寄与します。