Avidの発表によると、東海テレビ放送株式会社に最新のメディア&ワークフロー・マネジメントに対応するファイルベースシステム「MediaCentral」を導入したという。
今回の導入は、MediaCentralプラットフォームをベースに、次世代メディア&ワークフロー・マネジメント「MediaCentral | Cloud UX」の国内初事案となり、2019年4月より運用を開始している。オフライン編集とオンライン編集、およびファイルインジェストシステムは「Media Composer」が採用され、新たに4K編集に対応した編集室が構築されている。また、MAは2021年にはリニア編集室を改修し、MediaCentralのファイルベースシステムに統合し、システム拡張している。
実際の運用方法としては、スタジオ収録から、オンライン・オフライン編集までの一連のワークフローと番組のプロジェクトやメディア管理を「MediaCentral | Production Management」および「Avid NEXIS」で行い、さらに「Avid JNEWS」アプリケーションでファイルベースの作業フローを自動化している。
また、AvidのアライアンスパートナーであるEVSインジェストサーバーやTelestream VantageトランスコーダーをMediaCentral環境へ統合し、ファイルベースワークフローの促進につなげている。システム構成は、MediaCentralとAvid NEXISの主要コンポーネントを冗長し、ネットワーク環境も「Cisco Nexus」ネットワークスイッチで冗長構成となり、可用性の高い設計となっている。
東海テレビ放送株式会社 技術局 映像制作部 上席マネージャーの寺田雅樹氏は次のようにコメントしている。
元々、番組編集室システムではAvid ISISサーバーを使用していましたが、オフラインからオンラインへの編集データは、VTRテープによるメディア渡しでした。今回、スタジオ収録や回線収録をVTRテープ収録からファイル運用(メディアレス化)に更新するにあたり、番組編集室システムのオフライン⇔オンライン間も同時にファイル運用(メディアレス化)に変更することを検討しました。
オフラインからオンラインへ編集データの受け渡しをどうスムーズに早くするか、サブ収録からオフラインへ収録データをメディアレスで渡すにはどうしたらいいかということで、AvidのMediaCentralを選択しました。サブ収録素材はEVSインジェストサーバーのXS-VIAとSTINGで連携することで、収録直後から編集素材として使えて、ワークフローの時間と手間が短縮されています。
以前は膨大な収録データの管理が煩雑で、Media Composerのメディアツールだけでは、誤って消してしまうことが多々ありました。今はMediaCentral | Production Managementを使うことで取捨選択が楽になり、さらにそれを半自動化することで、素材管理にかかる時間も大幅に短縮しています。
ファイルベースシステムの設計およびネットワーク構築は、Avidの代理店である株式会社フォトロンによって実現したという。主な導入機器は以下の通り。
(以下、プレスリリースより引用)
- メディア&ワークフロープラットフォーム「MediaCentral」
Avidが開発・提供するメディア・エンターテイメントに特化したオープンなプラットフォーム - Webインターフェース「MediaCentral Cloud UX」
メディアの管理・編集・配信までEnd-to-Endで行え、段階的にシステムやアプリを柔軟に拡張できるWebベースの先進のアプリケーション。ラップトップやモバイル環境にも対応 - メディア&ワークフロー・マネジメント「MediaCentral | Production Management」
時差編集・バックグラウンド転送などワークフローの効率化やメディアの使用状況やバージョンの管理を含めたアセット 管理に対応 - メディアストレージ「Avid NEXIS」
- ノンリニア編集「Media Composer®」「Media Composer | Cloud VM」「Media Composer | Symphony® Option」
- ビデオI/Oインターフェース「Avid | Artist DNxIQ™」
- メディアインジェスター&ファイルインジェスター「Avid JNEWS」
- MA&音響効果「Pro Tools®」「Pro Tools | HDX™」「Avid | S6」