キヤノン、屋外向け映像制作用4Kリモートカメラ「CR-X300」発売

キヤノンは、IPによるリモートプロダクションを実現する、映像制作用リモートカメラシステムの新製品として、屋外向けの4Kリモートカメラ「CR-X300」を2022年2月中旬に発売する。希望小売価格はオープン、市場想定価格は税込1,485,000円。

CR-X300は、多様な通信規格への対応と高い耐環境性能により、スポーツ中継や野生動物、テーマパーク、イベント会場など屋外におけるさまざまな撮影に適したPTZ(パン、チルト、ズーム対応)リモートカメラ。大きさは約217(幅)×217(奥行き)×311(高さ)mm、質量約7kgの小型軽量設計。

天吊りに対応し、天井取付けが可能。天吊り撮影時は、「映像反転機能」を使用することで、天地を修正する後処理が不要

1/2.3型CMOSセンサー、映像処理プラットフォーム「DIGIC DV6」など、業務用ビデオカメラで培った映像処理技術などを活かしたキーデバイスを搭載し、4K30P 4:2:2 10bitの映像撮影が可能。また、焦点距離約29.3mm-601mm(35mm判換算)相当の光学20倍ズームレンズを搭載し、広角から超望遠まで、幅広いシーンでの撮影が可能だとしている。

4Kのデータから高画質なフルHD動画を生成可能な「Over Sampling HD Processing」に対応。上下左右/縦回転/水平回転補正の4軸の手ブレ補正をする「スタンダードIS」に加え、より補正効果の強力な「パワードIS」を搭載。望遠撮影時などの大きなブレの補正に好適だという。また、コントラストAFと位相差AFを組み合わせた「ハイブリッドAF」を搭載している。

事前に好みの色合いや明るさを設定可能な「カスタムピクチャー」に、業務用ビデオカメラと同じ画質設定を採用。複数のカメラでの撮影時に、映像が切り替わっても統一した色合いや明るさを再現可能。照明やフィルターを使わず赤外線撮影可能な「インフラレッドモード」も搭載している。赤外撮影時も画面周辺部の光量低下を抑え、明るい映像を得ることも可能。

さまざまな明るさの変化に対応し、自動で切り替えを行う電動NDフィルターを搭載。また、ブラックバランス調整時に絞りを閉じ、光を通さない状態を作る「アイリスクローズ」に対応。通常のカメラでの撮影時に必要なレンズキャップの取り付け、取り外しが不要で、リモート撮影に好適だ。

「XCプロトコル」によるシステム構築イメージ
「XCプロトコル」によるシステム構築イメージ

キヤノンの映像制作機器をIP制御する「XCプロトコル」に対応しており、CINEMA EOS SYSTEMのカメラや、屋内向けリモートカメラ「CR-N500/CR-N300」など複数のカメラとともに専用コントローラーやPCソフトウエアで制御することが可能。さらに、ストリーミング配信が可能な「RTMP」や、ライブ映像制作を支援する「NDI|HX」にも対応している。

国際電気標準会議が定める水や異物侵入の保護等級「IP65」準拠の防じん・防滴性能を達成。また、ワイパーの標準装備や腐食に強いアルミダイキャストの採用など、強風や風雨にさらされる屋外の設置環境に対応する。さらに、「PoE++」に対応し、LANケーブル1本で電源供給とカメラ制御を行うことができるため、設置時の省線化やコスト低減に貢献するとしている。

電動ワイパーを標準装備し、雨天時も良好な視界を実現
片手でも持ち運びが容易な大型ハンドルを装備

低速約0.3°/秒から最速約60°/秒まで多段階の旋回速度を選択可能なPT駆動機構を搭載。PT駆動と同時にズーム駆動を連動させることが可能な「同期PTZ」を搭載。ワンマンオペレーションなど多様な映像制作をサポート。

任意で選択した1地点の撮影位置と画角を登録する「プリセット」を搭載。カメラの方向に関わらず「プリセット」で登録した位置・画角へ指定した時間/速度でパン、チルト、ズーム移動が可能。最大100地点まで事前登録ができ、映像制作ワークフローを高速・効率化するとしている。