20220413_aja_top

AJA Video Systems社は、openGear互換カードOG-Hi5-4K-Plus、OG-HA5-4K、OG-4K2HD、OG-12GM用のファームウェアアップデートを発表した。新しいファームウェアは、AJAのウェブサイトから無料でダウンロード可能。

今回は最近発表したMini-Config v2.26.3ソフトウェアをベースにアップデートされた。対応するopenGear製品を用いたワークフロー全体を通して信号の整合性を維持し、メタデータの適切な管理が可能になるという。HDR VPIDパススルー機能の追加、BT.2020の色域に対応、デュアルリンク接続に対応、Dolbyオーディオに対応などの機能が拡張された。

HDRは映像制作のスタンダードとして急速に進化している。そのため、SDRおよびHDR機器からより多くのメタデータを取得し、ワークフロー内で一貫させる必要がある。今回の新しいファームウェアに追加されたオーバーライド機能オプションは、VPIDメタデータのパススルー機能によって、各openGearカードで色域と輝度のエラーが発生する可能性を低減するという。

HDRメタデータのパススルーの自動化により、アップストリーム機器が生成したHDRメタデータのダウンストリーム機器への共有が容易になるとしている。メタデータが途中で欠落する事態を回避し、手動で設定する必要もなくなるという。

さらに、インフォフレームの自動生成、HDMIメタデータのカスタムおよびマスタリング用HDMI出力の表示情報生成などの機能を追加。これにより、SDI機器とHDMI機器間のメタデータの移動を効率化し、ワークフローやトラブルシューティングを簡素化する。OG-Hi5-4K-PlusおよびOG-HA5-4Kは、BT.2020の色域に対応したHDR機能も搭載した。

Dolby Atmosオーディオサウンドシステムの普及により、没入型オーディオ技術の活用も進んでいる。しかし、処理系統内にステレオ、Dolby Digital、Dolby Digital Plusなど複数のオーディオタイプが混在している場面は珍しくない。機器間でオーディオが処理されたり書き出されたりする場合、多くのリスクを伴うが、OG-Hi5-4K-Plus v1.6.2では、エンベデッドオーディオをパススルーし保護できるようになった。DD+Atmos没入型サウンドを含むDolby DigitalおよびDolby Digital Plus圧縮オーディオに対応する。これにより、制作中に没入型オーディオが視聴者に届くかどうか、モニタリングおよび検証が行えるという。

今回のファームウェアでは没入型オーディオのアップグレードに加え、デュアルリンクの入力や出力への対応も追加された。OG-HA5-4Kは2×1.5G出力に対応。OG-12GMは2×6G、2×3G、2×1.5Gの入出力フォーマットに対応する。

AJA社Nick Rashby社長は次のようにコメントしている。

リモートやストリーミングのワークフロー、ライブイベント、ポストプロダクションなどのプロの現場では、ハイエンドなオーディオ・ビジュアルコンテンツをより簡単に制作する方法が求められています。openGear互換の変換技術はこれらの分野で高い需要があります。

AJAはこうした要望に応えるために、業界で実績のあるopenGearカードの機能を拡張し、HDR、WCG、BT.2020 カラースペース、Dolby Atmosなどの最新の業界標準に対応しました。HDRや没入型オーディオに関する信号やメタデータを、制作ワークフロー内で維持できるように設計されたこれらの新機能は、視聴者により純粋な視聴体験を提供します。