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ボリュメトリックビデオ撮影システム

株式会社ニコンクリエイツは、東京・平和島の複合型撮影施設にて、次世代自由視点3D映像ボリュメトリックビデオ撮影システム「POLYMOTION STAGE」を用いたサービスの提供を開始した。

100台以上のカメラで構成されボリュメトリックビデオ撮影システム「POLYMOTION STAGE」によって、ニコンクリエイツは様々なボリュメトリックビデオの企画・撮影・編集を担う、プロダクションサービスを行う。撮影にはプロデューサーやエンジニアが丁寧に対応するという。

12月には、ボリュメトリックビデオに加えて「バーチャルプロダクション」が稼働となり、最新映像技術による撮影が可能となる複合的な同施設が完成する。

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ロビー

また、人気アーティスト「SPiCYSOL」をボリュメトリックビデオで撮影し、その映像素材を3人のディレクターがそれぞれ映像作品制作した、ボリュメトリックビデオを体験できる3作品のショーリールを公開。同ショーリールは、ボリュメトリックビデオの可能性を理解できる内容となっている。

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ボリュメトリックビデオでは360°すべての映像データが撮影されるため、撮影後もアングルやズームを自由に変更して合成することができ、いままでの映像の制作プロセスを一変させるという。例えば、再撮影が不可能なタレントの撮影でもすべてのアングルが映像データとして残るので、撮影後の修正や変更も容易だとしている。

全員が揃うことが難しいグループでも1人ずつ撮影して、グループとしての映像を作成できる。すべての3Dデータが1回で撮影できるので、何度もカットを変えて撮影する必要がなく、演者はもちろん現場スタッフの拘束時間が低減され、編集の際に「違うアングルから撮っておけばよかった」ということもなくなる。

ボリュメトリックビデオの3Dデータそのものを活用した、MR(複合現実)分野やメタバースへの可能性も大きく広がる。ニコンクリエイツでは、このPOLYMOTION STAGEを、今後、CM・PR動画・ミュージックビデオ等の制作をはじめ、文化遺産のアーカイブなど幅広い領域で活用できるよう活動していくという。「新しい映像価値の創造」を目指して、次世代のクリエイターたちとともに次世代の映像コンテンツを提供していくとしている。

ボリュメトリックビデオ撮影イメージ

1.撮影スタジオにて撮影

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2.3D空間に再現

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3.編集する際は360°、全ての映像角度を使用することができる

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ボリュメトリックビデオの特長を最大限に活用した3つのショーリール

ボリュメトリックビデオは、撮影の後のポストプロダクションの段階でアングルやズームを自由に変えられる。ニコンクリエイツは同一素材を元にした3人のディレクターの競作を企画。この技術が変革する制作プロセスが分かる3本のショーリールが、ニコンクリエイツ公式HPおよびYouTubeにて公開された。

通常の制作では、撮影前にアングルや構図、ライティングを綿密に計算して撮影に臨むが、この企画ではディレクターは撮影現場に立ち会わずに、4人組バンド「SPiCYSOL」の4人それぞれのパフォーマンスをニコンクリエイツ側で撮影し、高品質な3D/360°データ映像を生成。その素材を、個性の異なる3人のディレクターに提供し、後から背景や構図などの編集を加えてもらうことで、同じ素材でも様々な映像が生まれたという。

今回依頼したディレクターは、CMディレクターの髙田弘隆氏、映像作家の牧野惇氏、映像ディレクターの加藤ヒデジン氏の3人。

髙田弘隆Ver.

髙田弘隆|CMディレクター

エディターを経て、ディレクターとしての活動を開始。ミュージックビデオ、ステーションID、VJで注目を集め、TVCM、ショートフィルム等へ活躍の場を広げる。独自の映像美を活かし、TVCMでは、車・コスメなどクオリティの高いビジュアルが求められる作品を多く手がけながら、ファッションスチールの世界から撮影技術、人物に対しての照明手法を学び、2000年からは演出だけではなくD.O.P.も兼任。近年では、スチール撮影も行っている。

牧野惇Ver.

牧野惇|映像作家

チェコの美術大学UMPRUMのTV&Film Graphic学科にてドローイングアニメーション、パペットアニメーションを学んだのち、東京藝術大学大学院映像研究科アニメーションコース修了。実写・アートワーク・アニメーションの領域を自在に跨ぎ、映像ディレクション、アートディレクションから、アニメーションディレクション、キャラクターデザイン、イラストレーションまでを手掛ける。国際映画祭での受賞/招待上映や、広告祭での受賞多数。

加藤ヒデジンVer.

加藤ヒデジン|映像ディレクター

大阪芸術大学映像学科を経て制作した長編映画が、ハンブルク日本映画祭等に正式出品。その後、映像制作会社にディレクターとして所属。不動産、自動車メーカーなど広告映像を主にディレクション。2015年、中国で制作したネットドラマがヒット、中国のTudou Festival 2015 Comedy Channel部門において同チャンネルが最優秀賞を受賞。MV、中国ネットドラマ、TVCMやwebムービーなど多数。映像作家100人2020、2021に選出されている。

施設概要

  • 所在地:東京流通センター物流ビルB棟3階(BW3-7)
    143-0006 東京都大田区平和島6-1-1
  • 運営:株式会社ニコンクリエイツ
  • 稼働開始:2022年10月13日(ボリュメトリックビデオ撮影システムのみ)
    2022年12月予定(完成および全体稼働)
  • 営業時間:10:00~18:00