Blackmagic Designによると、「リヴィングストン・クリスチャン・カレッジ」が、オーストラリア初となる高校のLEDバーチャル制作スタジオの一環としてBlackmagic Designのカメラおよびスイッチャーを使用したという。同スタジオでは、Blackmagic Pocket Cinema Camera 4Kデジタルフィルムカメラ、ATEM Mini Proライブプロダクションスイッチャー、そして編集、グレーディング、VFX、オーディオプロダクション・ソフトウェアであるDaVinci Resolveが使用された。
オーストラリアのブリスベンおよびゴールドコースト近くの郊外に位置するリヴィングストン・クリスチャン・カレッジは、2002年に開校して以来、プレップ(幼稚園の年長にあたる)から高校3年生までの1300人以上のコミュニティに成長している。同校の芸術プログラムの一環として、映画・テレビ制作の教師であるケンジ・リー氏(通称:チェン氏)は、ハリウッドと同じツールで学び、制作できるようにすることを目的に、仮想制作ワークフローを構築した。
リー氏は、多文化の青年映像制作団体「One Song Foundation」の創設者および代表取締役であり、クイーンズランド州の「TeachX and Australian Educator Awards」 のファイナリストだ。リー氏と、同校のアート部門の責任者であるギャビン・コールス氏は、2022年の初めにビジネスソリューションのシニア・バイスプレジデントであるレイモンド・パオ氏が率いるHTC VIVEの台湾およびオーストラリアチームの協力の下で、スタジオの建設に着手した。
リー氏が同校に就任して以来、学生たちは、同意といじめ防止に関する短編作品、コロナ禍における社会的なインパクトのあるミュージックビデオ、そして最近では、バーチャル制作ワークフローを使ったSF映画など、多くの映像作品を作り出してきた。
リー氏は次のようにコメントしている。
リー氏:私たちは、学生たちに人々の考え方を変えるような映画を作らせたいだけでなく、もし彼らが映画制作の仕事をしたいのであれば、その準備もさせたいと思っています。バーチャル・プロダクションは映画制作の未来ですから、それを教えるのは理にかなっています
多くの大学はLEDウォールの建設を検討しており、バーチャル制作を教え始めています。しかし高校ではまだまだですね。当校では、大学を真似て、学生たちがプロたちが使うのと同じテクノロジーを使用して実践的に学べるようにしています。Blackmagic製品は低価格ですが、高品質で操作も簡単なので、もってこいです。
同校のバーチャル制作のセットアップには、16×9フィートのLEDスクリーン、Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K、Unreal Engineで画像のキーイングと同期を行うためのATEM Mini Proが利用されている。これらの製品は、バーチャル制作用の正確なカメラトラッキングとリアルタイム合成を提供するHTC VIVEのMars CamTrackシステムと使用されている。Blackmagic DesignのDaVinci Resolveは、LUTの制作とカラーコレクションに使用されている。
最初のバーチャル制作プロジェクトとして、学生たちはLEDスクリーンに映し出される宇宙船の背景を制作した。Blackmagic Pocket Cinema Camera 4Kで撮影したアクションのワイドショットやクローズアップショットは、ATEM Mini Proに送信された。
リー氏:学生たちがLEDウォールの前に立つだけではなく、バーチャル制作のあらゆる側面を体験することが重要でした。セット内のすべての機材が同期していることを確認し、照明、小道具、俳優がタイミングに与える影響を理解する必要があります。テクノロジーがあまりに複雑であれば、学生はやる気をなくしてしまうかもしれません。その点Blackmagic製品はもってこいですね。
最初のバーチャル制作を行ってから、リー氏は同じセットアップを使用して、ミュージックビデオやミュージカルなど、学生たちと一緒にいくつかの新しいプロジェクトを立ち上げてきた。
リー氏:Blackmagic Pocket Cinema Camera 4Kのゲンロックはバーチャル制作で非常に重宝している機能です。セットアップが非常に簡単なので、カメラの操作を理解することに時間をかけるよりも、学生たちはクリエイティブな面に集中することができます。Blackmagic Pocket Cinema Camera 4Kの操作や習得は簡単ですが、驚くほどシネマライクなイメージが得られます。作品の質を犠牲にすることはありません。