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AJA Video Systems社は、コンバーターの新製品「Dante AV 4K-T」と「Dante AV 4K-R」を発表した。Dante AV 4K-Tおよび4K-Rの希望小売価格は税込467,500円。

Dante AV 4K-Tはトランシーバー、Dante AV 4K-Rはレシーバーで、この2種類のコンバーターは、12G-SDI/HDMI 2.0デバイスを1GE Dante AVネットワーク内で使用できるようにする。各デバイスの入出力を高品質な4K/UltraHD/2K/HD/VESA Danteビデオ・オーディオに低遅延で変換し、送出、制御できるようにする。

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AJA Dante AV 4K-T(写真上)と4K-R(写真下)

AJA Dante AV 4K-T、4K-Rから出力されたオーディオおよびビデオのストリームは、主要なDante Controllerソフトウェアを使って簡単に管理できる。これらの新しいデバイスは、AJAの12G-SDI/Dante 64ch オーディオエンベッダー/ディスエンベッダー OG-DANTE-12GAM をベースに設計されている。

AJA Dante AV 4K-Tや4K-Rを活用することで、スタジアム、アリーナ、劇場、教会、学校、複合オフィス、ホテル、会議室といった拡大しているAV over IP環境に、高品質で無劣化のビデオをスムーズに組み込めるという。

AJA Dante AV 4K-T は、4K/UHD/2K/HD/VESA SDI と HDMI を Dante AV Ultra 信号に変換します。Dante AV 4K-R は Dante AV Ultra信号を4K/UHD/2K/HD/VESA SDIやHDMIに変換可能。どちらも、これまでにない低遅延と同期性能を実現し、会場内のスクリーンと外部放送・配信との完璧なリップシンクを実現するとしている。

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AJA Dante AV 4K-T(写真上)と4K-R(写真下)

AJA Dante AV 4K-Tおよび4K-Rを使用すれば、複数の物理的に異なる場所に跨る既存のIPインフラとデジタルAV 機器を活用し、ビデオ技術とカンファレンス技術を円滑に統合できるという。内蔵されたネットワーク制御機能と柔軟性により、ビデオウォールやデジタルサイネージを低コストで簡単に導入、管理が可能。エンドユーザーは、会場内のスクリーンやスピーカーへの信号のルーティングが行える。

AJA Dante AV 4K-Tおよび4K-Rは、AJA Ki Pro Ultra 12GやIo 4K Plusなどの業務用ベースバンド機器とも相性が良いという。AJA KUMO SDIルーターと組み合わせれば、SDI信号を簡単にDante AVインフラへ組み込める。

Dante AV 4K-T、4K-Rの主な機能

(以下、プレスリリースより引用)

  • 最大4K/UltraHD 60p 12G-SDIおよびHDMI 2.0映像出力を超低遅延かつ視覚的に無劣化な品質で変換し、IMAG など幅広いアプリケーションに伝送
  • ネットワーク効率が高く高画質なJPEG2000コーデックを使用し、視覚的に美しいDante AV Ultra ビデオを達成
  • Dante AVと1GigEネットワークの互換性により、よりコスト効率の高いスイッチや既存のネットワークインフラを実現
  • 完全な時間合わせと個別ルーティング可能なオーディオ/ビデオストリームを実現
  • 3500を超える既存のDante 対応オーディオ製品との互換性
  • Windows/macOS対応のAudinate Dante Controllerソフトウェアを使用して、オーディオとビデオの制御を統一
  • IP経由で完全検証済み実装のHDCP 2.2にアクセス可能
  • IP経由でUSB HID、シリアル、赤外線(IR)伝送・制御を実現、リモート機器を簡単に遠隔操作
  • POE+(25W 802.3at PoE+)またはDC電源(12V 4A)に対応
  • 12G-SDIおよびHDMI 2.0入力(4K-T)、12G-SDIおよびHDMI 2.0 出力(4K-R)
  • KVM USBおよびIR ポートにより、広範なKVM機能を利用可能
  • アナログRCAオーディオモニター出力
  • 包括的な接続性を網羅
    • Neutrik etherCon RJ45 コネクタ-1 GigE(Dante AV&POE+)×1
    • Neutrik etherCon RJ45 コネクタ-1 GigE(今後のファームウェアで対応予定 ×1
    • 12G-SDI 入力(4K-T)×1、12G-SDI出力(4K-R)×1:SDI:YCbCr 4:2:2 10bit に対応
    • HDMI 2.0 入力(4K-T)×1、HDMI 2.0出力(4K-R)×1:RGB、YCbCr、4:4:4、4:2:2 8bit、10bit、12bitに対応
    • 8ch エンベデッドオーディオに対応した SDI および HDMI 入出力
    • BNC リファレンス出力(4K-T)または BNC リファレンス入力(4K-R)(今後のファームウェアで対応予定)
    • 電源:プライマリ Ethernet ポートで PoE+に対応、DC12V電源
    • DB-9 RS-422/ VISCAシリアルポート×1
    • USB 2.0 Type Aコネクタ×2
    • USB-Mini Host コネクタ×1
    • 前面 LEDインジケーター:電源、コーデック、システム、ステータス、シンク、HDCP
    • IR over IP 用の 3.5mm IR Tx/Rx ジャック
    • EDID 対応
    • HDCP オンボードプロセッシング
  • 5年間のAJA製品保証

Audinate社CEOのAidan Williams氏は以下のようにコメントしている。

Williams氏:AJA を Dante AV ファミリーに迎えられて大変うれしく思っています。。AJAは、ビデオおよび放送業界の世界的なリーダーとして、IPベースのワークフローを実現する革新的で信頼性の高い製品をお客様に提供しています。AJA Dante AV 4K-T および 4K-R は、先導者のような製品です。

放送、ライブイベント、教育、礼拝堂など様々な市場のお客様は、Dante AV を使用して完全同期した高品質で超低レイテンシーのネットワークビデオと Dante オーディオのすべての利点を体験できるようになります。今後もAJAとのパートナーシップを継続し、より革新的なDante AV製品を市場に投入していきます。

また、AJA社の社長、Nick Rashby氏は次のようにコメントしている。

Rashby氏:Audinateは、ライブ環境において信頼性の高いAudio over IPを提供しており、新しい Dante AV Ultra プロトコルは、ビデオ機器をDante オーディオネットワークにシームレスに統合できる魅力的な方法です。Audinate社との提携でDante AVワークフロー業界に役立てる変換デバイスを開発でき大変うれしく思っています。IPへの移行が進むAV業界にとっても大きなメリットとなるでしょう。AJAのDante AV 4K-TとDante AV 4K-Rは、お客様が当社に期待する使いやすさ、マルチベンダーとの相互運用性、他社製品との統合、制御を実現すると共に、新しいProAV IPビデオ規格の基盤作りに貢献していきます。

なお、AJAXは2023年4月15日から4月19日まで米国・ラスベガスで開催される放送機器展示会「2023 NAB Show」に出展する。同社ブース(West Hall No.2600)でAJA Dante AV 4K-Tと4K-Rを展示予定。

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