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ソニーマーケティング株式会社は、クラウド制作プラットフォーム「Creators’ Cloud」の各種サービスにおいて、順次、アップデートを提供する。

なお、「Creators’ Cloud」の各種サービスは、幕張メッセで2023年11月15日~17日に開催される「Inter BEE 2023」のソニーブースおよびアマゾンウェブサービス(以下:AWS)ブースに出展する。

「A2 Production カスタマイズソリューション」のアップデート

SaaS型の映像制作クラウドソリューション「A2 Production カスタマイズソリューション」において、11月から最新バージョンV1.2の提供を開始する。V1.2の主な特長は以下の通り。

音声解析サービスの追加

「音源分離サービス」、「音声認識(音声文字おこし)サービス」や「盛りあがり編集」など、音声解析を中心とした解析サービスを追加する。「音源分離サービス」は、ミックスされた音声情報をAIエンジンが解析し、話者、背景音楽や環境音などの音声に自動分離する解析サービス。たとえば、過去に作成した映像作品から話者(ナレーション)のみを分離するなど、アーカイブコンテンツの二次利用に役立てることができる。

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AI映像解析を身近にするWeb GUIツールを追加

AI解析をより手軽に行える、新たな解析ツールを提供。利用したいAI解析サービスをWeb GUI上で選択し、解析するファイルをアップロードするだけで簡単にAI解析が行えるなど、直感的に分かりやすい操作が可能だという。また、解析結果のダウンロードやサービス利用状況の確認を行うことができる。なお、本GUIツールは、A2 Productionカスタマイズソリューションで提供するすべてのプランで利用できる。

「ベーシックプラン」、「ビジネスプラン」の提供を開始

映像編集作業の下準備として利用できるタイムライン自動同期サービス「LineSync」、新たに提供を開始する「音声分離サービス」などを、より手軽かつ安価に利用できる新プラン「ベーシックプラン」「ビジネスプラン」を提供します。「ベーシックプラン」は、月額105,600円(税込)から利用可能で、月額料金内に解析素材尺100時間分の利用料が含まれる。「ビジネスプラン」は、月間使用量の多いユーザー向けに、割安な利用料金を設定している。

これまで「A2 Productionカスタマイズソリューション」は主に、「エンタープライズプラン」として個別カスタマイズやシステム連携を前提としたサービスだったが、「より手軽にAI解析を活用したい」「特定の解析だけを安価に利用したい」といったニーズに応えるため、新プランの提供を開始した。

「ベーシックプラン」と「ビジネスプラン」で利用できる解析サービスの内容は同じだという。

クラウド中継システム「M2 Live」のアップデート

ライブ制作向けのクラウド型スイッチャーシステム「M2 Live」は、10月下旬から最新バージョンのV1.2の提供を開始した。V1.2では、「収録映像のスロー&リプレイ機能」、「各入力ストリーミング信号の収録機能(ISO収録機能)」に対応。これにより、多くのユーザーからの要望があったという、スポーツライブ制作運用での活用の幅を広げる。

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M2 Live操作GUIイメージ

クラウドメディアストレージ「Ci Media Cloudのアップデート

10月下旬から、デスクトップアプリ「Ci Transfer」の提供を開始。「Ci Transfer」はWindowsまたはmac OSで利用できるデータ転送アプリだ。視覚的に分かりやすい操作画面を備え、ローカルストレージとクラウドストレージ間での高速かつ信頼性の高いデータ転送を実現するという。フォルダー単位でのデータ転送が可能で、大量データの一括アップロード/ダウンロードが行いやすいほか、転送状況のステータス確認やレポート出力の機能を備え、「Ci Media Cloud」へのデータ転送をより円滑に行えるようになる。

また、「Ci Transfer」はクラウドへのデータ移行にも活用できるという。例えば、映像データとオプティカルディスク・アーカイブ向けコンテンツ管理用ソフトウェア「Content Manager(コンテントマネージャー)」で管理されるメタデータ情報を合わせて、「Ci Media Cloud」へアーカイブ映像をデータ移行(マイグレーション)が可能。

クラウドカメラポータル「C3 Portal」のアップデート

10月下旬から、最新バージョンV2023.3の提供を開始した。同アップデートにより、SRT形式のストリーミング入力に対応し、ソニー製カメラやサードパーティ製エンコーダーからのストリーミング映像を、複数系統ファイル収録できる。収録された映像は、クラウドまたはオンプレミス環境に設置される編集システムで編集可能となり、映像制作工程の効率化やスピードアップに貢献するとしている。

また、スマートフォンアプリ「Creators’ App for Enterprise」の最新バージョンV2023.3を11月下旬から提供予定。最新バージョンでは、ユーザーからのフィードバックを反映したUIへ刷新するとともに、「BURANO」「FX3」「FX30」にも対応することで、報道に加えて、シネマ/番組制作領域においても、撮影現場のカメラからクラウドへのダイレクト転送が可能となるという。

※BURANOは、2024年春の発売以降に対応予定

Inter BEE2023 AWSブースでの出展

ソニーブース(ホール6)での出展に加え、AWSの出展ブース(ホール4)内に、ソニーマーケティングとして展示を行う。

AWSブースの主な展示内容

「Ci Media Cloud」によるカメラ・クラウド間の伝送をデモンストレーションする。カメラから「Ci Media Cloud」へ直接ファイルアップロードを行い、共有された映像ファイルを用いて、AWSブース内の編集システムや解析ツールとの連携を紹介するとしている。また、編集後のファイル共有やリモート環境でのレビューといった、一連のワークフローを紹介する。

そのほか、「Ci Transfer」を活用した、HDDやオプティカルディスク・アーカイブなど可搬メディアからのデータ移行や、安価なアーカイブストレージオプションを活用したコンテンツ管理機能を紹介する。

アマゾンウェブサービスジャパン合同会社のインダストリー事業開発マネージャー、山口賢人氏は、次のようにコメントしている。

山口氏:AWSはソニーと連携して業界の変革に取り組めることを大変嬉しく思います。Inter BEE 2023のAWSブース展示では、コンテンツの「Create. Deliver. Monetize.」をテーマに、コンテンツの制作から配信・放送まで、一気通貫でのメディアソリューションを実演します。「Ci Media Cloud」を活用したコンテンツ制作デモでは、複数拠点からの素材共有を行い、クラウド編集を効率的に行うワークフローを展示します。

また、メディアサプライチェーンデモでは、ソニーのオプティカルディスク・アーカイブから各社メディアアセットマネジメントへのデータ移行、AWSの機械学習サービスを活用した映像タグ付けのソリューションを展示します。ソニー様の技術や知見とAWSの240以上のサービスとを融合し、お客様に新たな価値を提供すべく取り組んでまいります。