Blackmagic Design導入事例:RTL2の名作シリーズ「Beyond Belief:Fact or Fiction」の場合

Blackmagic Designによると、RTL2の名作シリーズ「Beyond Belief:Fact or Fiction」の第6シーズンが、Blackmagic URSA Mini Pro 12Kで撮影されたという。

ショーランナーであり、Superama Filmproduktions GmbHの創設者であるホルガー・フリック氏と撮影監督のエドワード・サラーノ・Jr氏は、RTL2の「Beyond Belief:Fact or Fiction」の創造的プロセス、制作における困難、第6シーズンを可能にしたテクノロジーについて、独占インタビューで次のようにコメントしている。

サラーノ・Jr氏:ホルガー・フリックとは共通の知人を通して知り合い、その後、面接で90年代のオリジナルシリーズに対する親しみと熱意を伝えました。その直後にチームに加わり、そこから視覚的に物語を伝えることに浸っており、今となっては過去に戻りたいと思ったことは全くありません。

ホルガーとディレクターのベン・ムンツと共に、90年代のオリジナルの本質を詳細に研究しました。視覚面、ショットのスタイル、カメラの動き、各ディレクターの意図や目的などを慎重にチェックしました。これにより、各短編で概ねの枠組みを一致させつつ、独自の視覚的要素を持たせることができます。

ストーリーの内容は多岐に渡り、1日で撮影され、各ストーリーのニーズを満たす必要があるため、シーズン5の撮影を担当したニック・ラムジー氏がサラーノ・Jr氏と協力して、作業を行った。

本作では1時間で5つのストーリーが展開され、どれも論理的な説明はなく、一部は事実に基づいている。どのストーリーが事実で、どのストーリーがフィクションなのかは視聴者の判断に任されている。

これらのシリーズでは、様々な場所を舞台としているので、同作ならではの機会やチャレンジが伴うと、サラーノ・Jr氏はコメントしている。

サラーノ・Jr氏:それぞれ独自の要件がありますが、これまでで最も難しかったロケ先は、サンタクラリタの山の中にある牧場での撮影でしょう。38℃を超える中での撮影はとても大変でした。

Blackmagic Design導入事例:RTL2の名作シリーズ「Beyond Belief:Fact or Fiction」の場合

両氏は緊密に協力して、カメラでの撮影方法を明確にし、ポストプロダクションでイメージの調整に使用する番組専用のLUTを作り上げた。

サラーノ・Jr氏:様々な時代やエフェクトを表現するためにフィルターの使用方法など、当シーズンでのカメラでの撮影方法について、話し合いを行いました。

私が番組の最終週の準備をする間、8日間のブロックでニックは他のディレクターと作業をしました。

シリーズを通して一貫したルックと雰囲気を維持するため、90年代のオリジナルの視覚的要素に基づいて撮影を行った。これには、フィルター、青みがかかった月光、特定のレベルのかすみを使用し、小道具やセットの装飾品にアクセントライトを当てて、90年代の空気感と一致するルックを構築することが含まれた。

サラーノ・Jr氏:オリジナルからインスピレーションを受けていますが、ジンバル、ステディカム、ズーム、ハンドヘルド、ドリーなど、様々な撮影スタイルも試しました。俳優たちの演技と登場人物や各ストーリーの感情面を最大限に活かすカメラの動きを選択しました。

Blackmagic URSA Mini Pro 12KおよびBlackmagic Pocket Cinema Camera 6K Proデジタルフィルムカメラで撮影することで、最新シーズンには新たな側面が加わった。

サラーノ・Jr氏:メインカメラのURSA Mini Pro 12Kに、Angenieux EZ 1と2 T2 Zoom、キヤノン30-300を装着して撮影しました。ジンバルにマウントしたPocket Cinema Camera 6K Proも使用しました。これには、Sigmaの単焦点レンズを装着しました。任意のルックを得るためにSchneiderとTiffenの様々なフィルターも使用しました。

データ管理、ストレージ、ポストプロダクションの要件を考慮し、同作の視覚的スタイルの最適なポイントを把握するために詳細なテストを行った後、制作スタッフはシーン毎に異なる解像度で撮影することに決めた。

サラーノ・Jr氏:VFXを統合したシーンや夜間のシーンでは、12K 5:1または8K 5:1を使用しました。一般的なセッティングや昼間のショットでは、主に8Kの8:1を使用しました。その後、各ストーリーのニーズに応じて高フレームレートを調整しました。

Blackmagic Design導入事例:RTL2の名作シリーズ「Beyond Belief:Fact or Fiction」の場合

ショーランナーのホルガー・フリック氏によると、URSA Mini Pro 12Kを使用することで、想像面と経済面の両方にメリットがあったという。

フリック氏:6K、8K、12Kで撮影できるため、セットでの意思決定が簡素化されました。特に、撮影スケジュールが厳しい時にショットのフレーミングを行う際に役立ちました。さらに、ジョナサン・フレイクスを撮影している際に再撮影やクローズアップ用にBカメラを使用する必要はありませんでした。

予算が限られた8話のテレビ番組であることから、Blackmagicのカメラを使用することで、撮影する被写体により多くの資金を費やすことができました。

プリプロダクションとテストは3日にわたって行われ、ノイズレベル、露出レンジ、圧縮品質などの様々な要素がチェックされた。DaVinci Resolve Studioで微調整した後、カラーコレクション用に番組専用のLUTが作成され、シリーズを通して一貫したルックを得られるようにした。

セットでラッシュを管理することにより、制作のデータ管理において大きな課題が生じたという。

フリック氏:44日間の撮影で約60TBのデータになると予測していました。

ロサンゼルスでの撮影開始と同時に、ミュンヘンで編集を始める必要があったことから、同社はプロキシを自動で毎日送信するシステムを構築した。

フリック氏:セットで絶えずデータをバックアップしながら、Blackmagic Proxy Generatorアプリを継続的に使用していました。Blackmagic Cloud Podを使ってウォッチフォルダーをDropboxと同期し、翌日にはドイツのスタッフが素材を使用できるようにしました。

3箇所に設置されたBlackmagic Cloud Podネットワークストレージを用いて、各エピソード55TBに及ぶRAWフッテージのデータ管理が行われた。Blackmagic Cloudにプロジェクトライブラリがホストされているため、同社のエディター、VFXアーティスト、カラリストは、制作期間を通してDaVinci Resolve Studioで共同で作業できた。

「Beyond Belief:Fact or Fiction」の第6シーズンは創造性に富んだコラボレーションを証明するものだ。同作のクリエイターたちは、オリジナルに敬意を表すると同時に、ストーリーテリングの限界を押し広げる素晴らしい映像を作成した。

Blackmagic Design導入事例:RTL2の名作シリーズ「Beyond Belief:Fact or Fiction」の場合