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ソニーは、スマートフォンアプリ「Creators’ App」に「クラウドアップロード(カメラダイレクト)」「USB有線転送」「LUTインポート」の3つの機能を強化するアップデートを公開した。Creators’ Appは、撮影した動画・静止画を簡単にクラウドへアップロードするスマートフォン向けアプリで、2023年2月22日のリリース開始からちょうど1年というタイミングで大幅な機能アップデートを行う。
スマホを介さず、クラウドへ直接撮影データのアップロードが可能に
これまでのCreators’ Appは、スマートフォンに取り込んだ画像を、クラウド(Creators’ Cloud)にアップロードをする手順で実現していた。
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今回のアップデートで、カメラからスマートフォンを介さず、クラウドへ直接撮影データのアップロードが可能になる。クラウドへのアップロードは、最初のみスマートフォンにインストールしたCreators’ App上で初期設定を行う。一度設定を行えば、あとはモバイルとは関係なくカメラとクラウドで直接のやり取りが可能になる。
初期設定は、カメラが使用するWi-Fiを定義する「Wi-Fi設定」「カメラの登録」、静止画または動画、または両方などアップロードするファイルを設定する「アップロード設定」など。静止画はJPEG、HEIF、RAW、動画はプロキシなど、細かい設計にも対応する。
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一度設定すればスマートフォンは関係なく、カメラが自動的に登録したWi-Fiエリアに入ったタイミングでカメラの電源はONになり、データがクラウドにアップロードされる。基本的に、撮影した結果を細かくファイルを指定せず、最初に大雑把に選んで上げることができるようになる。一時的なバックアップやファイルの共有などがより簡便になるという機能だ。
プロテクト有りのものだけを送る、あるいはレーティングなど、かなり細かい設定も可能。クラウドが今まで以上により近くなり、共有、閲覧、共有編集を手軽に実現できるようになる。
クラウドアップロードカメラダイレクトの対応機種は、FX3とFX30の2モデルに対応(発表時点で公開される本体ソフトウェアアップデートにて対応)。対応機種は順次拡大予定で、2024年3月以降、α1、α9 III、α7S III、α7 IVの対応を予定している。
USBケーブルで接続することで、早く、安定したデータ転送が可能に
USBの有線転送は、カメラとスマートフォンをUSBのケーブルで接続することによって、Wi-FiやBluetooth使用時の干渉に悩まされることなく、安定したファイル転送ができる機能だ。対応機は、Creators’ Appに繋がるカメラの全モデル(カメラ側ソフトウェアアップデートは不要)。AndroidやiOSのUSB Type-Cモデルのスマートフォンがサポートの対象としている(LightningやUSB 2.0 mini-Bのスマートフォンは非サポート)。
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LUTをカメラにCreators’ App経由で簡単インポート
LUTインポートは、お気に入りのLUTなどを所有する映像クリエイターが増えている中で、これらを一度クラウド上に上げておけば、外出先などで自身のスマートフォンを介して撮影するカメラに簡単にインポートすることができる機能だ。撮影する時にlogの状態では、どうしてもコントラストが低く、撮れてるのかどうか最終的な成果物を頭に描き描くのが難しい。そこであらかじめ最終的な色味をメンバー内で共有しながら、スマートフォンで軽く共有して本番のカメラに入れて撮影に臨むということで、より撮影に集中することが可能になる。
対象モデルはFX3、FX30、α9 III、α7CR、α7C II、ILX-LR1(カメラ側ソフトウェアアップデートは不要)。
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CP+のセミナー、ワークショップでクラウドサービスを紹介
Creators’ Appアップデートは、CP+のCreators’ Cloudのコーナーで体感が可能。スペシャルセミナーでも写真家 井上浩輝氏の「動物撮影の新時代」(2月23日 10:20~10:55)でオートフォーカスの良さなどと併せて、クラウドの魅力についても紹介する。
ソニーブースのワークショップコーナーでは、映像ディレクターAKIYA氏(2月23日 14:00~14:45)、映像クリエイターDIN氏(2月24日 12:10~12:55、2月25日 13:40~14:25)、フォトグラファーもろんのん氏(2月23日 10:20~11:05)がクラウドを絡ませたワークフローを紹介する。
ソニーブースとは別の場所で行われるプレゼンテーションステージでも、フォトグラファー/ビデオグラファーAUXOUT氏によるクラウドのアップロードが一部行われる予定だ。
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