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ソニーは、フルサイズミラーレス一眼カメラ「α1」、「α7S III」、「α7 IV」に、C2PA規格対応を含む真正性カメラソリューションや、カメラの撮影機能とワークフローを改善するソフトウェアアップデートを提供する。2024年4月以降には、「α9 III」も対応予定。

同アップデートを行うことで、報道機関などプロフェッショナル向けに画像の真正性を検証する真正性カメラソリューションを提供し、クリエイターや社会をフェイク画像から守る業界の取り組みに貢献するとしている。一部の報道機関への提供から開始し、順次拡大していく方針。

また、クリエイターから要望が多かった撮影機能の向上と撮影後のワークフローの改善を行う。具体的には、リレー再生や動画時のブリージング補正機能、ファイル転送プロトコル(FTP)の転送操作性向上などに対応する。加えて、スマートフォンを介さずカメラから画像や動画を直接アップロード可能なクラウドアップロードなど、「Creators’ Cloud」のクラウドサービスやアプリケーションにも対応する。

ソニーは昨年、改ざんされた画像やAIが生成したフェイク画像のまん延などの課題に対処するカメラ技術開発の取り組みを発表した。

これらの課題は、画像コンテンツの信頼性が重要な報道の現場では特に深刻であり、業界全体で対策を講じる必要がある。ソニーは、報道機関などプロフェッショナルに向けて、C2PA規格への対応とソニー独自のデジタル署名技術により、フェイク画像から社会を守るための包括的なソリューションを提供する。

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ソニーの真正性カメラソリューション概要図

ソニーはイメージングのリーディングカンパニーとして、報道機関を含むコンテンツ制作者の声を聴き、商品開発に反映することを重視。クリエイターがソニー製カメラの長所を最大限に活用できるよう、カメラの使いやすさを向上し、今後も必要なソフトウェアアップデートを実施するという。

ソニーの真正性カメラソリューション

同社は、C2PAのステアリングコミッティの活動を通じ、画像の編集・操作の追跡に関する現在の業界標準の策定に貢献してきた。報道機関で使用されるソニー製カメラがC2PA規格に対応し、来歴を含めたコンテンツの透明性を担保することが重要と考えている。

同ソフトウェアアップデートにより、C2PA規格に則り、「α1」、「α9 III」、「α7S III」、「α7 IV」で撮影した画像に来歴情報とカメラで撮影されたことの真正性情報が、カメラ内デジタル署名として埋め込まれる。また、同デジタル署名は、ソニーの真正性カメラソリューションにより、撮影時にリアルタイムで画像に付与される。同デジタル署名では、「デジタル出生証明書」が作成され、カメラで撮影したことを後からイメージ検証サイトで検証できる。

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3D情報検知による被写体が3Dであるかの検証イメージ

これにより報道機関では、C2PA準拠の編集ソフトウェアで画像の編集作業を重ねても、編集来歴情報とカメラで撮影されたことの真正性情報を維持できるようになる。

また同デジタル署名には、イメージセンサーも開発するソニーだからこそ提供できる、独自のセンサー内技術によって実現する3D深度情報を含むメタデータが含まれている。これにより、撮影された画像が実際の3Dの物体か、画像やビデオを撮影した画像かを示すことができ、報道機関において重要なコンテンツの信頼性をより高めることが可能だ。