キヤノン、放送用レンズ新製品メイン写真

キヤノンは、27倍ズーム対応の2/3型ポータブルレンズ「CJ27e×7.3B IASE T」を2024年8月下旬に発売する。希望小売価格はオープン。市場実勢価格は税込約4,620,000円前後。

同社放送用ポータブルズームレンズには、光学性能重視のUHDxsシリーズと運用性重視のUHDgcシリーズをラインナップする。光学性能を重視するUHDxsシリーズはより映像のキレの良さや焦点距離の広さを特徴とし、UHDgcシリーズは本体の軽さやコストパフォーマンスを重視したモデルとしている。CJ27e×7.3Bは、光学性能を重視するUHDxsシリーズのラインナップとしている。

同レンズは、高倍率27倍/焦点距離7.3mm~197mmの多彩な撮影シーンに対応する広い焦点距離を特徴としている。内蔵の2倍エクステンダーにより、394mmの最大望遠到達距離に対応する。報道系では複数本のレンズを持ち歩く必要がなくなり、スポーツ現場では臨場感を演出しながら撮影が可能。多彩な撮影シーンに対応するという。35mmフルサイズ換算ではRFレンズのラインナップには存在しない28.7mmから775mm相当の画角を実現する。プロが使う報道の現場やスタジオ撮影のポータブルズームレンズとしている。

キヤノン、放送用レンズ新製品説明写真

2019年発売の25倍ズーム「CJ25e×7.6B」のユーザーから意見を聞き取り、フルリニューアルを実現。ガラスの素材やレンズ表面のコーティングを新しくしているという。広いズーム全域かつ画面中心から周辺、均一な光学性能を実現し、非常にレベルの高い光学性能を特徴としている。放送系のレンズで重視される収差や歪み、色にじみ、ゴーストフレアを極力減らす設計を行い、キレが良いスッキリした映像を撮影できるレンズとしている。

CJ27e×7.3Bには、新開発のデジタルドライブユニット「e-Xs V」を統合。新ドライブユニットには、20ピンコネクタと内蔵USB-Cコネクタを備えており、機器のセットアップやメンテナンス性を改善。表示メニューも刷新され操作性が向上している。

人間工学に基づいたグリップ設計で優れた操作感を実現。手の形状に合わせた自由曲面の採用とゴム製の指がかりの配置により、良好なホールド感を実現。フォーカスリング部分のスペースを広く確保することで、マニュアルフォーカス時の操作性を向上させている。

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グリップの位置とレンズとの距離感は重要で、肩に乗せた時にバランスが悪いと疲労感が大きくなる原因となる。そこですべてのキヤノンENGレンズと同様に、レンズ光軸の近くにグリップを配置することで、取り外し時の違和感を排除。肩担ぎ時も脇がしまるために、疲労感の軽減を実現しているという。

フォーカスを操作する際に画角変動を抑制するフォーカスブリージングにも対応する。フォーカス操作時に画角変化を制御できるために、高い運用性が可能としている。フォーカスブリージングは元々箱形や大玉のレンズには搭載されている機能であるが、設計上、小型のポータブルズームレンズに導入するのが難しかった。それを今回はUHDxsシリーズのレンズにおいて標準で搭載してきている。好みに応じて簡単にオンまたはオフの選択が可能。

リモートやバーチャル対応も特徴としている。高解像度の16ビットエンコーダー搭載により、高精度の位置検出が可能。バーチャルコンテンツ作成時のキャリブレーションが容易になる。20ピンコネクタからズーム、フォーカス、アイリスの位置情報を出力できる。特にドラマ現場の合成技術が進化している中で、バーチャルに対応できる放送用レンズも重要なポイントとしている。