AJA Video Systems社は、米国ラスベガスにて2024年6月12日から14日にかけて開催されている「InfoComm 2024」で、マルチチャンネル HD/SD レコーダー Ki Pro GOの次世代モデル「Ki Pro GO2」を発表した。2024年第3四半期より販売開始予定。メーカー希望小売価格は税込970,200円。
現行のKi Pro GOが持つ機能を強化したKi Pro GO2は、ポータブルな2RU デバイスで、コスト効率の高いUSB 3.0 ドライブやネットワークストレージに最大4チャンネルのH.265(HEVC)またはH.264(AVC)の同時収録が可能。また、冗長収録機能と、収録した複数のチャンネルから1チャンネルを選択して再生する、シングルチャンネル再生機能も搭載している。
Ki Pro GO2は、低いビットレートで収録データ量を抑えながら、映像の品質を高く保てるため、より長時間の収録が可能。また、3G-SDI と HDMI のデジタルビデオ入力を4系統ずつ備え、幅広いビデオソースに接続できる柔軟な接続性を提供する。
Ki Pro GO2は、InfoComm 2024のAJA社ブース(No.C8321)で展示される予定。
AJA社の社長Nick Rcashby氏は次のようにコメントしている。
Rcashby氏:現代の制作環境では、撮影現場やプロダクションの施設内など、さまざまな状況に対応できる柔軟性が重要です。AJA が新製品を設計する際も、常に柔軟性を最優先に考えています。
Ki Pro GO2は、Ki Pro GOが提供するすべての優れた機能に加え、各制作のニーズに応じてH.265またはH.264で収録できる柔軟性を備えています。H.265の利用が普及している世界中のさまざまな地域からの声を反映し、Ki Pro GO2の開発に着想を得ました。そして、今回、InfoCommでKi Pro GO2を市場へ投入できて、大変嬉しく思っています。
Ki Pro GO2 ウェブ UIの特徴
- ビデオモニタリング
- メニュー/ステータスのオーバーレイ表示
- オンスクリーンキーボード
- 機能ボタンでの操作(収録/再生/停止/巻き戻し/早送り)
- 一般的な Ethernet LAN 接続でネットワークを介した、デバイスのリモート制御と設定が可能
さらに、Ki Pro GO2はフレーム同期機能を搭載しているため、入力されたビデオ信号をジェンロックする必要がない。また、各入力には高度なデインターレース処理機能が備わっており、インターレースの入力をプログレッシブに変換してビデオを収録できる。Multi-channel Matrix Monitoring機能を使えば、複数のカメラ映像をHDMIまたはSDI対応のディスプレイ1 台で、同時にモニタリング可能だ。
加えて、柔軟なオーディオ機能により、3G-SDIまたはHDMI入力から最大2チャンネルのエンベデッドオーディオをキャプチャーする。XLRの接続ポートからは、最大2チャンネルのアナログオーディオをキャプチャー可能で、入力オプションはライン/マイク/+48Vファントム電源から選択できる。アナログオーディオ入力のうち1端子は、LTC(Longitudinal Time Code)形式のタイムコード入力に対応している。
Ki Pro GO2は、市販のUSBメディアを幅広くサポートしており、使い勝手が良く、コスト効率の高い収録を実現する。また、Ethernet 経由で、ネットワークストレージへのリアルタイム収録も可能。クロスプラットフォームに対応しておりFATまたはexFATファイルシステムを利用できる。ワークステーションやサーバーなど、異なるプラットフォーム間でのファイル転送も可能だ。
マルチチャンネル収録機能により、各チャンネルを個別に収録できる。ユーザーはUSBドライブに保存したファイルを直接、任意のクリエイティブソフトウェアにドラッグアンドドロップで転送できる。また、「グループ収録機能」も搭載している。論理的で把握しやすいクリップ名が設定され、自動的にチャンネルとバックアップが追加されるため、簡単にデータ管理を行える。
強化されたSuper Out機能により、SDIおよびHDMIモニター出力に、タイムコードのオーバーレイ、チャンネル毎のオーディオ VUメーター、メディアのストレージ残量のパーセンテージを表示できる。さらに、Ki Pro GO2は、対応のサードパーティー製の制作アプリ(DaVinci Resolve/Avid Media Composer/Apple Final Cut Pro/Adobe Premiere Proなど)で作成された、HEVC/AVC 形式のファイルも再生可能。
Ki Pro GO2の主な機能
- H.265(HEVC)または H.264(AVC)のマルチチャンネル HD/SDを、USBドライブおよびネットワークストレージに冗長収録
- 直感的な操作性:一般的なウェブブラウザと互換性のある使いやすいウェブ UI、フロントパネル搭載のボタン、内蔵HDディスプレイでデバイスの操作が可能
- 柔軟な接続性:
- USB 収録用メディアポート×5(市販の USB 3.2 Gen 1 メディア対応)
- 3G-SDI入力×4/出力×4
- HDMI入力×4
- 3G-SDIモニタリング出力×1
- HDMIモニタリング出力×1
- バランスド XLR アナログオーディオ入力
- マイク/ライン/48V 切替可能
- Ethernet LAN接続ポート
- ネットワークストレージへのリアルタイム収録
- 内蔵のexFATドライブをフォーマット可能
- フレーム同期機能を組み込み
- HDMIおよびSDIのマルチチャンネルをマトリックス形式でモニタリング可能
- タイムコード/メディアステータス/オーディオレベルのモニタリング向けにSuper Out機能を強化
- H.264またはH.265のシングルチャンネル再生機能:DaVinci Resolve、Avid Media Composer、Apple Final Cut Pro、Adobe Premiere Proなど、編集ソフトウェアで作成されたファイルの再生も可能
- 5つのオプションから選択可能なVBR(可変ビットレート)収録設定
- タイムコード SDI RP-188の入力に対応:日時またはタイムコード値から入力形式を選択可能
- シングルチャンネルのアナログオーディオ入力を使用して、LTCを入力可能
- ビデオ入力毎に2チャンネルのエンベデッドオーディオに対応
- 3年間の製品保証でAJAの高品質な製品サポートを提供