Avidは、「Media Composer 2024.6」のリリースを発表した。同リリースには、ユーザーから特に要望の多かった新機能が含まれているという。
要望の多かった3つの機能
新しくなったPhraseFind
PhraseFindは2011年からMedia Composerのアドオンオプションとして提供されており、MC Ultimate/Enterpriseにも含まれている。音声インデックスを使用してクリップのオーディオを分析し、クリップ内の特定の単語やフレーズを検索して、その単語が話された瞬間にジャンプできる。
Media Composer 2024.2では、音声索引付けの速度と精度を向上させるAIベースの技術を採用したことを示すため、PhraseFindの名称をPhraseFind AIに変更した。Media Composer 2024.6では、同機能に加え、トランスクリプトツールが追加され、クリップ内のすべてのダイアログの完全なトランスクリプトが表示されるだけでなく、トランスクリプトツールでテキストを選択し、シーケンスにドラッグするだけで、エディターがそのトランスクリプトからタイムラインに直接基本的な編集が可能となった。
リアルタイムでクリップを聞くのとは異なり、エディターがほぼ瞬時に必要な素材を見つけることができるため、ストーリーの構成を加速度的に組み立てられる。
Media ComposerとPro Toolsの互換性と相互運用性の向上
完成したシーケンスをMedia ComposerからPro Toolsに移動してオーディオ・ミキシングを行うことは、ハイエンドの映画やテレビのワークフローでは非常に一般的なプロセスだという。
Media Composerの"プロジェクト"とPro Toolsの"セッション"の構造の違いにより、Media ComposerのシーケンスとそのメディアをPro Toolsに移動する最善の方法は、これまでAAFファイルをエクスポートすることだったが、これにはPro Toolsに持ち込める情報量に一定の制限がある。また、完成したオーディオをPro ToolsからMedia Composerに戻すにも、さらに制限がある。
現在、Media ComposerとPro Toolsのバージョン2024.6では、ポストプロダクションのプロフェッショナルが望んでいた、業界をリードする2つのツールセット間の相互運用性が実現したという。 Pro Toolsで可能なのと同様に、Media Composerでボリュームとパンの両方にサブフレーム・オートメーションが導入され。バージョン2024.6以前のMedia Composerでは、ビデオ・フレームの境界でオートメーション(調整)を行うことが制限されていた。
2つの相互運用におけるもう1つの革新は、Pro ToolsがMedia Composer固有のセッション・ファイルをエクスポートできるようになったことで、編集スイートに戻したときに、重要な編集とミックスのメタデータが維持される。同統合機能により、調整のためにPro Toolsに戻る必要性が減り、Media ComposerであれPro Toolsであれ、一方のアプリケーションで行われた編集やミックスの決定を再作成する時間が短縮される。
Avid HuddleがMedia Composerの全バージョンで利用可能に
Avid Huddleにより、クリエイティブ・チームは、使い慣れたツールを使用して、あらゆるデバイスから、より効率的かつ安全にコラボレーションを行うことができる。高品質なビデオ・コンテンツをどこからでもレビューできる、セキュアなプロジェクト表示機能を提供。エディターは、Media ComposerまたはAvid|Edit on Demandで直接Microsoft Teamsセッションを起動することで、Media Composerタイムライン・コンテンツを1人または複数の共同作業者にストリーミングできる。共同作業者は、ビデオ会議中にリアルタイムで編集を確認し、タイムスタンプ付きの注釈やコメントを追加してエクスポートが可能。テキスト・コメントは、編集プロセスを促進するマーカーとしてMedia Composerに戻すことができる。
対象となるユーザーは、Media Composer 2024.6およびPro Tools 2024.6をAvidアカウントよりダウンロード、またインストーラーへのアクセスが可能。