ソニーは、35mmフルサイズ対応α Eマウントレンズとして、望遠400mmから望遠800mmまでをカバーする超望遠ズームレンズGレンズ「FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS」を2025年3月19日に発売する。希望小売価格はオープン。市場推定価格は税込41万円前後。

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同レンズは、αレンズ初の最望遠800mmをカバーした超望遠ズーム。まず、最大のポイントはやはり望遠800mmかつ高解像であるという点である。もちろんテレコンバーターに対応しており、最長で2倍の1600mmまで焦点距離を拡張することが可能。

1.4xテレコンバーター「SEL14TC」に対応
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2.0xテレコンバーター「SEL20TC」に対応
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2倍のテレコンバーターを装着するとF値が16と大きくなり、AFがきちんと作動するのかという不安をユーザーが抱かれる可能性もある。ソニーの一部のボディラインナップであれば、F22まで像面位相差AFが作動することを公式にうたっており、実際に2倍テレコンバーターをつけてもしっかりとAFが作動する仕様となっている。

レンズ構成は、超望遠であるため色収差が出やすい点をカバーするために、色収差を抑制するEDガラスを6枚使用している。MTFを確認してみると、広角端、望遠端ともに非常に高い性能を有している。

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オートフォーカスの性能は、リニアモーターを2機搭載することにより、非常に高いAF性能を誇る。

アクチュエーターには、FE 200-600mm GではダイレクトドライブSSMを1機搭載していた。ソニーの優れたアクチュエーターであるが、今回はリニアモーターを2機搭載している。これにより、FE 200-600mm Gと同等の高いAF性能を有している点がポイントである。

また、超望遠レンズであるため、近接性能を重視される方は少ないかもしれないが、FE 200-600mm Gと比較しても、このスペックは向上しており、最短撮影距離はワイド端で1.7m、最大撮影倍率は0.23倍に向上している。

フォーカスブリージングは、最小限に抑制している。AFについては、α9 IIIの120コマ/秒連写にも対応している。また、ハイフレームレートの動画撮影でもスムーズなオートフォーカスを実現している。

もう1つのポイントとして、今回400-800mmもFE 200-600mm Gと同様にインナーズーム機構を採用している。インナーズーム機構により、ズームした際、広角端と望遠端でズームの全長が変わらず、重心が安定する。加えて、ズームリングの回転角も非常に小さくなっている。おおよそFE 200-600mm Gと同程度の回転角で広角から望遠までズームできるので、このフレキシビリティが野鳥撮影において必要となるズームインアウトの細かい動きに最適化されていると言える。

操作部については、FE 200-600mm Gと大きな変化はない。追加されたボタンとしては、フルタイムダイレクトマニュアルフォーカススイッチがある。FE 200-600mm Gには非搭載であったが、今回は搭載されている。ズームリングはインナーズーム設計である。

「フルタイムDMF」(Direct Manual Focus)を搭載。このスイッチを使用すると、カメラメニューを開かずにフルタイムDMFのオン/オフを直接設定できる
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「補正モード1/2/3切替」を搭載。(1)は通常撮影、(2)は流し撮り、(3)は複雑な動きの被写体を追う撮影時の安定したフレーミングに対応
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ソニー、「FE 400-800mm F6.3-8 G OSS」発売。Eマウントレンズ最望遠800mmを実現した超望遠ズーム説明画像
ボタンやスイッチ周りのシリコンゴムパッキング、レンズマウントゴムリングなど、ゴミや水滴の浸入経路となりえる箇所の構造の工夫により、屋外での過酷な撮影環境にも耐えられる信頼性を確保している

三脚座は、FE 200-600mm Gでは着脱式であったが、今回は非着脱式とすることで堅牢性を高めている。プロのフォトグラファーが三脚をつけて持ち運ぶ際に、FE 200-600mm Gでは三脚座がカタカタして不安定であるという意見があったため、今回は非着脱式としている。

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「1/4-20 UNCネジ穴」1つと「3/8-16 UNCネジ穴」を1つ搭載
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三脚座は、FE 400mm F2.8 GM OSSなどと同様の非脱着式を採用する事で、強度を優先したシンプルな構造
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フードも新型を同梱しており、レンズのフィルター窓にアクセスできるようになっているため、ファインダーを覗きながらフィルター操作を行うことができる。