Blackmagic Design導入事例:スポーツテレビ放送専門の制作会社「Obvious C」の場合

Blackmagic Designによると、スポーツのテレビ放送を専門とするObvious Cが、カナダのストーンハムで開催された2025 StepUpフリースキー・スロープスタイル・ワールドカップの放送で、Blackmagic Designのカメラやスイッチャーなどを中心としたモバイル撮影ユニットを使用したという。気温は氷点下、雪と風にさらされる中で、モントリオールを拠点とする同ビデオ制作会社は、シームレスな生放送およびライブ配信を21か国以上に提供した。

Obvious Cの創設者兼技術プロデューサー、アレクサンダー・カサボン氏は、次のようにコメントしている。

カサボン氏:ストーンハムのスロープスタイルのイベントはFIS(国際スキー&スノーボード連盟)が開催する競技会で、私たちはホスト放送局として参加しました。

この制作において、私たちはいくつかの重要な仕事を担当しました。具体的には、会場全体のカメラ撮影、必要な素材をすべて含む最終的な放送映像の作成、予選のライブ配信における司会者とスポーツ専門家の導入、FISディレクター、スターター、グラフィックチームとの調整などです。また、メインプログラムの創造性に影響を与えないように、審判用に別のカスタムフィードを作成する必要もありました。

冬の野外イベントだったので、事前に決まったケーブル配線はなく、予想外の天候にも悩まされ、時間ギリギリのセットアップや、長時間の労働、繰り返される変更に対応する必要がありました。また、このイベントは初開催だったので、わからないことが数多くありました。

Blackmagic Design導入事例:スポーツテレビ放送専門の制作会社「Obvious C」の場合

最初のステップとして、Obvious Cチームは、会場全体に光ケーブルを走らせ、配信ハブに向かうメインの光回線をいくつか確立させた。それがカメラ、モニター、ネットワーク機器により近い複数の小さいハブにバランス出力されるかたちだ。彼らは3つのハブから各デバイスに専用のマルチファイバーケーブルを走らせた。

カサボン氏:カメラの詳細は、手動で操作したURSA Mini Pro 4.6K G2が8台で、そのうちいくつかはVideo Assist 7" 12Gと併用しました。また、クリエイティブなアングル用に高品質で可能な限り小さいカメラが必要だったので、Micro Studio Camera 4K G2を3台、通常のワイドショット用にStudio Camera 4K Proを2台使用しました。

私たちは放送で、シネマカメラとシネマチックなスタジオカメラを使用します。被写界深度と低照明環境での性能に長けており、さまざまなレンズを使用できるため、独特で映画的なルックを作り出せるからです。

カメラからのSDIフィードはすべて、Obvious Cの3Dプリントされたカスタムマウントキットを使用して、光ファイバーに変換された。

カサボン氏:可能な限り、接続してすぐに使用できるセットアップにするために、3Dプリントを多用しています。

すべての光ファイバー接続を、2台のATEM Talkback Converter 4Kおよび多数のMini Converter Optical Fiber 12Gを備えたモバイルユニットに接続しました。

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モバイルユニットには、ATEM 4 M/E Constellation HDおよびATEM 2 M/E Constellation HDライブプロダクションスイッチャー、Blackmagic Videohub 40×40 12G、Blackmagic Videohub 10×10 12G、Smart Videohub 40×40、Smart Videohub CleanSwitch 12×12ルーターに加えて、HyperDeck Studio HD ProおよびHyperDeck Studio HD Mini放送用デッキが搭載されており、前者はビデオとグラフィックの再生、後者はクリーンビデオとグラフィック付きフィードの収録に使用された。また、サテライト信号はTeranex AVで1080i 59.94に変換された。

カサボン氏:非常に過酷な天候の中、これらの機器が好調に動作してくれたのは嬉しい驚きでした。-30℃の気温、吹雪、強烈な風に直面しましたが、カメラは1台も止まりませんでした。私たちはこれらの機器を限界まで追い込んだと思いますが、見事に応えてくれました。

自分たちの機器を適切にセットアップできるように、地元の実行委員会と一緒に構造物を建てる手伝いもしました。予選の初日はバタバタした状態でしたが、2日目にはすべての調整が完了していました。

もうひとつの課題が、業界のベテランたちがいたことでした。オリンピックなどの主要イベントに審査や運営、スタッフとして関わってきた人たちです。彼らの理想が高いことはわかっていましたが、最終的には私たちの仕事に大いに感銘を受けてくれました。彼らのおかげもあり、このイベントはアスリートたちとケベックの地域社会にとって大成功となりました。

私たちは現在、4KやSMPTE 2110などのワークフローに対応する、より大きいモバイルユニットの構築に取り組んでいます。

とはいえ、私たちは常に、小規模なイベントや制作が、彼らの熱意にふさわしい高品質の放送を行えるようにすることを優先しています。Blackmagic Designが私たちのワークフローの中枢である理由はここにあります。自分たちの専門知識および技術を駆使して、コストを抑えながら、プロフェッショナルな制作を実現できます。

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