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NAB2008 Exhibition 3日目。オーディオ関係のブースも気になりはじめる頃

エキシビジョンも3日目。ようやくサウスホールから抜け出し、センターホールへと足を向ける。とはいえ、サウスホールでの各種打ち合わせなどもあり、センターホールとサウスホールを往復するはめになる。センターホールとサウスホールの間にはアンダーパスのDesert Inn Roadが横切っており、ノースホールとサウスホールのように一体とはとなっているとは言い難い。

確かにカンファレンスルームなどでつながってはいるものの、実際は100m以上も離れている。Desert Inn Roadを渡れるのは、会場の表を回るか、2階のカンファレンスルームを経由するか、アウトドア展示スペースに設けられた1カ所のブリッジを通るかだけだ。カンファレンスルーム経由といっても、会場表の屋外を通るか2階を通るかの違いだけで、同じような場所だ。事実上2カ所しか渡る場所はない。目的のブースやミーティングルームの位置を把握しておかないと、大回りして時間のロスにつながるのは痛い。

さて、とある関係者が漏らしたのは「来年は会場の雰囲気も大きく変わって、ブース位置なども大幅に変更になるということです」という嬉しくない情報を握ってしまった…。毎年の取材で、広大な展示会場の中で足が覚えているだいたいのブース位置が役に立たなくなるのは確からしい。サウスホールが出来て、直線距離で1km以上も離れたサンズEXPOセンターを使わなくなった時も混乱したが、それ以上になりそうな予感。

ただでさえ、時間に追われてブースを回っているのに、あー、またブース位置を覚え直す必要があるのか……。エキシビジョンの日程増やしてくれないかなぁ。

SONIC – Blu-rayオーサリングソフトウェア SCENARIST

SONICのブースでは、同社のオーサリングソフトウェアSCENARISTの展示と、関連するプラグインなどを展示。

その中で、日本企業の出展する注目商品を見つけたのでピックアップする。

株式会社ASVが提供するアプリケーションは、Blu-Rayオーサリングにおいてのメニュー作成作業を軽減化できるユーティリティだ。

Blu-Rayのメニュープログラミングには、HDMVとBD-Jの2規格が規定されている。 HDMVでは基本的なプレイコントロールやポップアップメニューを表示できるが、アニメーション表示や動きのあるメニュー作成などは、さらに自由度の高いBD-Jで行う必要がある。

しかし、このBD-JはJAVAの記述が必要となり、一般的なクリエーターの範疇を超えた作業となり、非常に敷居の高い作業と言わざるを得ない状況だ。

今回、ASV社が出展したFlash BD-J converterは、Adobe Flash上でアニメーションを含むメニュー画面を作成し、そのFlashムービーをBD-JのJAVAの記述に変換できるというものだ。

Flashを利用するクリエーターは多く、慣れた環境でメニューが作成できる利点は大きい。

現在の所、生成したJAVAの記述に再生先やアクションなどのユーザーコードを手作業で追記する必要はあるが、メニュー作成の作業のおよそ7割の作業はこのアプリケーションで軽減できるとのこと。

こうして作成したファイルをSCENARISTへ投げ込むことでオーサリングできるといった仕組みだ。

同社では、2008年夏を目途に再生先やアクションのJAVAコードを生成できるBD-J Builderも開発中だ。


audio-technica – USB接続のマイクロホン

audio-technicaのブースには、一風変わった新製品が登場。一見普通のコンデンサーマイクロホンのように見えるが、よく見ると接続端子の形状がおかしい。

なんとマイクロホン内部にA/D変換回路を持ち、USBでPCと接続するというのだ。

ポッドキャストやホームレコーディング、ナレーション収録などに適しているという。 Mac,Windows両対応なので、ユーザーを選ばず使用できる。


KOWA – フラッシュメモリーオーディオプレーヤー PX10

興和のブースにはUSBメモリを利用したフラッシュメモリーオーディオプレーヤーPX10が展示されていた。商品分類するならば、サンプラーやインスタントリプレイのような類の商品だ。

使用方法はいたって簡単だ。付属のPC用ユーティリティで50箇所のhotkeyに好きな音声ファイル(.WAV .MP3)を割り当て、USBメモリに保存し、PX10に指せば、すぐに再生が可能だ。

同時発音はできないので、ドラムセットなどの発音は難しいだろうが、SEやME/ジングルなど単音発音ですむ音の利用が多い、放送音効さんには手軽に使えるのではないだろうか。

なお、付属ユーティリティ上で、音声ファイルの簡単な加工も可能だ。音のスタートポイント、リリースポイントの設定、FI/FOなどをGUIグラフィックの元で設定できる。

本体でも設定可能だが、オーディオカウンタを見ての設定となる。


SENNHEISER – ツインカプセル仕様の新製品 MKH800TWIN

SENNHEISERのブースには新製品のMKH800TWINが展示。前後のツインカプセル仕様。

そのほかにもアクセサリシューに取り付け可能なビデオマイクロホンのMKE400やENG向けのワイヤレスが展示されていた。


プロオーディオ関連ブース – AKG / beyerdynamic / digidesign / SHURE

NABは映像メーカーばかりではなく、プロオーディオ関連のブース出展も豊富。いくつかのブースをまとめてご紹介しよう。

AKG


beyerdynamic


digidesign


SHURE

SHUREのブースには、2008年夏ごろ製品化予定の小型ワイヤレストランスミッターUR1Mが展示。本体重量なんと85g。ここまでトランスミッターも小さくなったとは驚きだ。

その他にはマイクロホンを一同に展示。なじみの深いSM63だが、同様のスタイルのVP64Aというマイクロホンがなぜ日本で売れないのか不思議がっていた。SM63よりもハイの抜けは悪いが、低域が50Hz?と低いので、SM63ほど低域のない音にならないとのことだ。


SOUND DEVICE – 8トラックのポータブルHDDレコーダー 788Tが新登場

SOUND DEVICESのブースには堅牢なポータブルHDDレコーダーの7シリーズに8トラック仕様の788Tが登場。

160GBのHDDを内蔵し、CFカードや外部HDDへも記録できる。CFカードスロットは本体背面に装備。外部接続のインターフェースも従来のUSB,FW400に加え、FW800にも対応となっている。従来機同様に、電源としてSONYのLバッテリーを使用することも可能だ。

ライブや放送現場でのパラ録りには、場所もとらずコンパクトに設置できる。ただ、この製品の他シリーズ同様、一部入力と出力にはミニキャノン端子が採用されている点は注意が必要だ。


その他にはこんなブースも – ENSEMBLE DESIGNS / P+STECHNIK+SiliconImaging / P.I.ENGINEERING / PROPROMPTER / SolidStateLogic


ENSEMBLE DESIGNS

各種コンバーターを製造するENSEMBLE DESIGNS社のブースには、同社のミニコンバーターBrightEyeシリーズが多量に展示されていた。

今回は複数のBrightEyeコンバーターを挿入して、一体化することのできるField Kit for BrightEyesが展示されていた。ペリカンのケースにアントンマウントがついており、フィールドでバッテリー駆動することができる。


P+STECHNIK + SiliconImaging

P+STECHNIK社とSiliconImaging社の共同ブースには、デジタルシネマカメラや撮影関連機器が展示。

SiliconImaging社では2KのデジタルシネマカメラSI-2Kを展示。脱着式の内蔵HDDに記録でき、映像信号としてはHDMIでの出力が可能だ。

撮像素子はCMOSを採用、レンズには16mmシネレンズを使用でき、P+STECHNIK社の豊富なマウント変換アダプタを用いれば、B4マウントの2/3″レンズやPLマウントレンズも使用可能だ。 VFも電子式・光学式をセレクトでき、用途に応じたオプションセレクトが可能だ。

一方のP+S TECHNIK社では、豊富な光学系ラインナップから、DOFアダプタやレンズマウントアダプタを展示。

また正確なカメラ移動を実現するSKATERシリーズの展示・デモが行われていた。 SKATERは、3方の可変ドリーに移動角・速度などを設定することで、正確なトラッキングを可能にする。モーションの合成など複数回にわたる移動再現が必要な場合に不可欠な商品だ。

SKATER Control Unitを使うことで移動開始点・終了点、スピードなどを設定・保存でき、再現させることが可能なコントローラーだ。


P.I.ENGINEERING

P.I.ENGINEERING社では、USB接続のヒューマンインターフェースを展示。ノンリニアやDAWではキーボードショートカットが多く、覚えるのに苦労する。

同社の製品では、ビデオユーザー向けのジョグシャトルつきの製品もラインナップされている。

複数キーの同時押しにも対応しているので、多くのショートカットを記録することができる。キートップははずせるようになっており、ショートカットアイコンなどを描いた紙を中に封入することもできる。


SolidStateLogic

放送音声卓メーカーSolidStateLogicのブースでは、放送局向け卓C100 HDの各種、オーディオポストプロダクション向けのC300 HDなどを展示。

放送局向けのC100 HDは、ローカル局向けのC100 HD-L、から標準的なスタジオ向けのC-100 HDとその規模に合わせて3種類のラインナップ。

最上位のC100 HDはフェーダー間のピッチは40mm、下位2機種は30mmとなっている。

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NABSHOW会場のラスベガスコンベンションセンターを散歩してみた

会場にはセグウェイに乗ったお姉さんが案内図を配布。アメリカならではの光景だ。歩き疲れの身としては、ついついセグウェイが欲しくなってしまうからある意味危険だ(笑)。

Central Hallの奥を出ると、オートキャンプさながらの光景が広がり、中継車や大型ビジョン搭載車両などが一堂に展示されている。

世界中から集まった人々が行き交い、広大な会場となれば歩いているだけでも色々な発見がありなかなか楽しいもの。とはいえ、日差しはなかなか厳しいし、気候も日本と異なるので体力の消耗は即体調を崩す原因につながる。これは用心したいところだ。

明日はいよいよNAB2008の最終日となる17日。まだまだレポートできていないブースが(足を踏み入れてないエリアも…)多数あるので、時間の許す限り掲載する予定だ。