NAB2008 Exhibition 2日目。とにかく広いラスベガスコンベンションセンター
エキシビジョン2日目。やっと参加者が会場にばらけるようになってくるが、まだ2層構造のサウスホールから抜け出せない。ラスベガス・コンベンションセンターの大きさを紹介しておこう。オーディオ系を中心に出展のあるノースホールが150×300mくらい。プロ映像機材が集まるセンターホールは150×400mくらい。さらに、エレクトロニクス系システムやソリューションが集まるサウスホールに至っては、100m×500mくらいの大きさで2階建てだ。ここには、カンファレンスルームや屋外展示会場スペースは含まれていない。
参考までに、11月にInter BEEが開催されている日本コンベンションセンター(幕張メッセ)の海側のホールの大きさが100×500mくらいだ。サウスホールの1階分に過ぎないと言えば、NABの規模の大きさが想像してもらえるだろうか。
足下の毛足の長い絨毯は歩く時に踏ん張りが利かない。ブースによっては、その上に厚めのゴムを敷き、さらに毛足の長い絨毯をかぶせたりもする。靴底がフカフカと埋まってしまうようなときすらあり、実際に歩いている以上に足腰の疲れが多いのもNABならではかも。そろそろ疲れも出てくるが会場の雰囲気は盛り上がるばかり。その熱気をお伝えしていこう。
Panasonic – 発表されたP2HD/AVCHD新製品群を一同に展示
PanasonicブースではP2・AVCHDのカムコーダーが大量展示。
P2小型カメラではAG-HVX200の後継モデルAG-HVX200A(日本型番AG-HVX205A)とAG-HPX170。またP2 VARICAMカメラでは、AG-HPX2700/3700が展示。 AVCHDカメラからは、AG-HMC150とAG-HMC70が。
そのほかにもAVCHDをBlu-Rayに記録するAVCHD Recorderなどが参考展示されていた。 また、HDスイッチャーのAV-HS400/300の体験ブースもあった。 カメラのハンズオンコーナーでは多くの来場客でごった返していた。
Canon – XL H1後継機 XL H1S/XL H1A2機種を展示
Canonブースでは、先日発表となったXL H1の後継モデルXL H1S/H1Aの両機種が展示。
海外では、小型のハンドヘルド型よりも肩当するモデルのほうが体格にあっているため、人気だそうだ。多くの来場客が質問を寄せていた。
Autodesk – ブース内で日本語デモンストレーションを実施
オートデスクは15日、Autodeskブース内で1時間にわたって日本語デモンストレーションを実施した。2009にバージョンアップを発表したVFX・フィニッシングシステムInferno、Frame、Flint、編集システムSmokeなどの製品について、新機能の概要を紹介した。日本語デモンストレーション終了とともに展示会場は閉場。閉場となったブーススペースを使用して、レセプションも行われた。
FUJINON/FUJIFILM – PMW-EX3用交換レンズをいち早く出展
FUJINON/FUJIFILMのブースには、各種カメラ用レンズと各種メディアが展示。
メディアにはXDCAMの2層ディスクもあった。
驚いたのは、このNAB会場で発表されたばかりのSONY PMW-EX3用の交換レンズ、レンズマウント変換アダプタが早くも展示されていたことだ。
そのほかENG/EFP用のレンズには、2/3″ HDレンズとしてZA SELECTシリーズがラインナップ。 ZA12×4.5BE RM/RD、ZA17×7.6BE RM/RD、ZA22×7.6BE RM/RDの3機種が登場。
そのほかにもHA PREMIERシリーズに23倍レンズのHA23×7.6BE RM/RD、SDレンズにA23×7.6BE RM/RDなどが登場。
一方箱型レンズでは、XA88×12.5BESMが登場し、実機を試すことができるようになっていた。
JVC – 国内未発売のHDV720pラインナップを展示
JVCのブースは、720pのProHDシリーズで盛況だ。
HD110UからHD250Uまでの各カメラを、用途に応じた展示を実施。
シネマ向けにマットボックスを装着した事例や、報道向けにビデオライトを装着した例などを展示している。さらには、箱レンズを装着したスタジオ運用の事例もあった。
また参考出品だが、HD200シリーズ(国内未発売モデル)に装着できるHDD/メモリーカードレコーダーが出品されていた。2008年末ごろの製品化を目指すという。
そんな華やかなProHDの裏側でひっそり展示されていたのが、液晶モニターの数々だ。9インチから24インチまでのラインナップを並べて展示していた。こちらをもう少しアピールしても良いのではないか。
Leader – マルチSDIモニターの新製品2機種が登場
リーダー電子からは、マルチSDIモニターの新製品2機種が登場。
6.5インチ液晶搭載のLV5330。
従来のLV5750よりも高輝度化、スリム化された。
ウェーブフォーム・ベクトルスコープ・オーディオ・簡易ピクチャ表示のほかに、新しくシネライト表示機能を搭載。これは、画面上の任意のポイントの輝度レベルを数値表示できる機能だ。
もうひとつの大きな追加機能にシネゾーン表示がある。これは、サーモグラフィのような画面表示で、輝度分布を確認できる。輝度の高い部分は赤く、輝度の低い部分は青く表示される。また上限閾値、下限閾値を設定でき、上限を超えた部分は白く、下限を下回った部分は黒く表示される。これにより、視覚的な輝度レベル監視が可能だ。
さらに、ピクチャー表示機能に注力したLV5380も登場。
測定機能のほか、ピクチャー表示機能にマーカー表示やブライト・コントラスト調整・色温度選択など映像モニターが有する機能を持たせたモデルだ。このモデルには上記のシネライト・シネジーン機能はオプションとなる予定だが、測定機能・映像表示を1台で済ますことができるのは魅力的だ。
現行のLV5800にはオプションが登場。LV58SER05はoptical SDIインプットユニット、LV58SER03は3Gb SDIの入力を可能にするユニットだ。
LOWEL – 開発中の新製品”SOFTCORE”を公開
LOWELは、ブース内の一角で、開発中のライトシステムSOFTCOREをスニークプレビューした。SOFTCOREは、1灯、3灯、5灯のワンタッチ交換可能な新型ソケットを持つライトシステム。ソケットを接続するアダプタ側にソフトボックスの保持金具も付けられており、スピーディーなセッティングができる。ブース来場者による使い勝手などの声を集めるため、開発途中の段階でブース公開した。製品の発売時期・価格については未定。
その他にはRifa exシリーズをブース内に大量展示している。
ブースで開発中の新型ソケットを持つライトシステムSOFTCOREをスニークプレビュー
LOWELは、ブース内の一角で、開発中のライトシステムSOFTCOREをスニークプレビューした。SOFTCOREは、1灯、3灯、5灯のワンタッチ交換可能な新型ソケットを持つライトシステム。ソケットを接続するアダプタ側にソフトボックスの保持金具も付けられており、スピーディーなセッティングができる。ブース来場者による使い勝手などの声を集めるため、開発途中の段階でブース公開した。製品の発売時期・価格については未定。
MainConcept – MPEG Pro HD 3
開発者向けCodec SDKからPremiere Pro向けCodec Optionまで幅広く取り扱うMainConcept社のブースには、各種プラグインが展示されている。
中でも、XDCAM EXのファイルをPremiere Proで取り扱うことのできるMPEG Pro HD 3は日本国内でも注目の高い商品だ。
MainConcept社ではProsumer向けにそのほかにもDVCPROのCodecなども販売している。
一方開発者向けにはモバイルプレーヤーやWindowsCE向けなど各種用途に応じたCodecを開発するためのSDK(Software Development Kits)の販売も行っている。
SONY – HDVレコーダーの新機種を夏までに3台投入
PMW-EX3やF35などのカムコーダーばかりに目が行ってしまいがちだが、HDVレコーダーの新機種も発売を控えている。HVR-1500Aは、従来のHVR-1500にHD-SDI出力に加え、HD-SDI入力を装備。より幅広い現場での使用が可能となる。HVR-M25AJ、HVR-M15AJは、現行機種であるHVR-M25J、HVR-M15JにHDVプログレッシブ記録・再生機能を追加させたもの。
TIFFEN – Steadicam PILOT他、幅広いラインナップを展示
光学フィルターとSteadicamといえば、Tiffen社。
Tiffen社のブースでは、小型カメラ用のMerlinからシネカメラ用のUltra2までの幅広いラインナップが勢ぞろい。どれも試すことが可能になっていた。
また新製品のSteadicam PILOTも展示。4.5kg程度のカメラまで搭載が可能。MerlinとFlyerの中間に位置するため、HDVカムコーダーなどには適しているだろう。
MATROX – Mac環境のFinal Cut Pro、Production Premium用ポータブル入出力機器MXO2を発表
マトロックスは、Mac Pro/MacBook Pro環境でのFinal Cut Pro、Production Premium用の入出力デバイスMatrox MXO2を発表した。1595ドルで7月に発売予定となっている。
Matrox MXO2は、軽量でラップトップバッグでの持ち運べる小型軽量の入出力ボックスで、バッテリー駆動も可能。XDCAM、XDCAM HD、XDCAM EX、P2の各ファイルベースワークフローをネイティブでサポートし、ProRes 422、ProRez 422 HQ、DV、DV50、DVCPRO、DVCPRO HD、8bit/10bit非圧縮SD/HD、Offline RTとしてキャプチャできる。
AJA Video Systems – RED DIGITAL CINEMAワークフローに対応したKONAを投入
今回のピックアップはミニコンバーターを扱うブースだが、ブース内に全製品を展示。さすがに豊富なラインナップ。圧巻される。
AJA Video Systemsは、RED DIGITAL CINEMAワークフローに対応したKONAを、KONA3ユーザーに対し5月末までにフリーダウンロード提供する。Final Cut Proの再生オプションとして2K(2048×1153または2048×1024)解像度をサポートする。出力には、DCIスペックの2Kプロジェクターか、KONA3のリアルタイム2Kクロップ機能を使用した1920×1080解像度のHDビデオモニタが必要になる。
SD/HDMIからSDIなどミニコンバータを4種類を発表
AJA Video Systemsは、ミニコンバータを4種類──HD10CEA、HA5、3GM、3GDA──を発表した。
HD10CEAは、エンベデッドオーディオ付きのHD-SDI入力をアナログHDと4チャンネルバランスドオーディオで出力したり、SDI入力を4チャンネルバランスドオーディオとアナログコンポーネントまたはコンポジット出力するコンバータで、第2四半期に定価165,900円で発売する。HA5は、HDMI入力をSD/HD-SDIで出力するコンバータで5月に定価87,150円で発売する。
3GMは、3G SMPTE 425M-ABと1.5G SMPTE372Mを相互接続するためのコンバータで、SMPTE 425MのAタイプとBタイプの相互変換も可能。第2四半期に定価165,900円で発売する。
3GDAは、入力信号を自動的に感知して、リク ロッキングとイコライズを行い、6系統ある3G HD-SDI、HD-SDI、SD-SDIから出力できるディストリビューションアンプ。第2四半期に定価126,000円発売する。
XENAをバージョンアップし、Premiere Pro CS3でDVCPRO HDを取り扱い可能に
AJA Video Systems社は、Windows用のビデオ再生/キャプチャカードXENAのソフトウェアをバージョンアップしv3.5とした。
XENAソフトウェアv3.5を使用することで、AJA社のMachinaアプリケーションで提供しているDVCPRO HDでのリアルタイムキャプチャ・再生・編集機能を、Adobe Premiere Pro CS3においてもサポートする。第3四半期に、無償アップグレードとして提供する。
また会場では、マルチフォーマットコンバーターのFS1のデモが行われていた。
FOR-A – 生まれ変わったスイッチャー HANABIシリーズ
FOR-Aのブースでは、新製品のHANABIシリーズが登場。 1M/EのHVS-650HSは、HVS-600HSから本体ユニット部を分離させ、コンパネと本体の分離型スタイルとなった。
また、4M/EのHVS-5400や3M/EのHVS-5300、2M/EのHVS-5200などの大型スイッチャーも展示。
1M/Eの低価格スイッチャーから、中継・放送向けの4M/EまでHANABI GINGAシリーズの強力なラインナップが一同に会しているのはなかなか見ることができない。
HiTech – VTR、ディスクレコーダー用各種コントローラーを出展
イギリスのHiTech Systemsのブースには、数々のVTRコントローラーとディスクレコーダーのコントローラーを展示。スポーツのリプレイや、イベントの映像送出など瞬時に再生したい場合に威力を発する。
最近ではVTRを使わず、マルチチャンネルに収録と再生が可能なディスクレコーダー製品が多くなってきた。同社のQ-Trackerシステムもその一種だ。
タッチスクリーン式の液晶ディスプレイを使用すれば、画面から操作も可能。ディスクレコーダーコントローラーを使えば、スロー再生やTCの手打ちで呼び出しも可能になる。
そのほかにもカートマシーン用のコントローラーなども展示していた。