今回の特集は照明にまさにスポットライトを当てる。それも新時代を予感させるLEDを中心に、オンボードライトを解剖する!

カメラに装着して使用するオンボードライトは、タングステンの時代から存在するが、消費電力や発熱など使いづらい面が目立った。こうしたオンボードのライトの多くは、電源や発熱だけでなく、大きさや取り回しなどからあまり大きな(光量的にも)ものは製品化されていない。そう商品としては積極的に展開されていないのが実情だ。必然的にメインで使うライトではなく、補助的に使うライトということになる。また、カメラレンズの近くにライトがくるため、メインで使うには光の当たる方向が不自然になりがちという事情もある。

白色LEDが開発された当初は、価格や光量、光の質の問題から撮影用の照明として利用されることは皆無。しかし近年こうした問題も徐々に解決され、現在ではオンボードライトの定番となりつつある。白色LEDのオンボードライトは、いわゆる砲弾型の高輝度LEDを多数並べたものがメインだったが、最近ではパワーLEDを採用した製品も発売されている。ただLEDを多数並べた製品が古いというわけではなく、面光源的な光となるので、少数のパワーLEDを採用したものに比べ、まぶしさが軽減されるという利点がある。当然のことながらライトの面積がある程度必要なため、器具が大きくなることは否めない。

タングステンタイプのライトで色温度をデーライトにするためには、ブルーのフィルターを使わなくてはならなかった。ただでさえ効率の悪いタングステンライトにブルーフィルターを使うとさらに光量が落ちてしまう。そこで、はじめからデーライトの色温度が得られるディバイスとして、蛍光灯やメタルハライドランプなどが開発されたが、小型化とコスト、扱いやすさという面でオンボードのライトとして普及するには至らなかった。

白色LEDは、色温度はデーライトが一般的だが、最近ではタングステンのものも出現している。実際の使用時にはデーライトでの光量のほうが必要な場合が多いので、フィルターでタングステンの色温度にするほうが合理的なためか、タングステンタイプのLEDを採用したものは、少ないのが現状である。

さて、こうした歴史的、技術的な流れから、数々のオンボードライトが商品化され、市場にあふれているが、メーカー発表のスペックだけではわからないことも多い。特に光量や照射範囲などは、メーカーごとに基準が異なり、表記されていないこともある。そこで、今月は特集として、オンボードライトを集め、レビューを行ってみた。取り上げた、オンボードライトは以下の通り。

もちろん、市場にはほかにもたくさんの製品があり、こうしている今も新製品として発売になっているものや旧製品でも定番となるものもあるだろう。今回の特集[LightHouse]は、これにとどまらず、一つのコーナーとして、定期的に新しい商品や技術を取り上げていくので期待してほしい。

[Light House]01