白色LEDは、車や懐中電灯など従来の電球に変わり、様々なところで採用されるようになた。それに伴い価格も安くなり、品質的にも良いものが作られるようになってきた。従来の白色LEDは青色成分が多く、赤色成分が少ないことから、ビデオ撮影の光源に利用するには不向きだったが、それも改善され、ビデオ用のLEDライトが各社から発売されている。今回取り上げるエル・ピー・エルのVL-300は、実売1万円ほどの安価なLEDライトだが、30個の高輝度白色LEDを搭載しており、単3乾電池4本の電源で手軽に扱うことができる。
最近では、デジタル一眼レフカメラでも動画の撮影ができる機種がいくつか発売されている。こうしたカメラで動画を撮影するとき、ストロボのように瞬間的な発光では撮影できないので、ビデオカメラと同様な照明が必要になる。VL-300はこうした用途にも使用できるように設計されているようで、スチルカメラのアクセサリーとして、業務用のビデオカメラ用のアクセサリーに比べ、極めて安価な価格設定になっている。その分機能的にはそれなりの割りきりがあるようで、ディマーや灯体の角度調節、外部電源などには対応していない。
リーズナブルな価格が魅力
HVR-Z5Jに装着。カメラ液晶モニターの開閉もライトを取り付けたまま可能 |
フィルターはクリアとアンバー系の2種類。ライト横からスライドインし、フィルター着脱は、本体下部のボタンを使用 |
VL-300には、直径10mmほどの比較的大型な白色LEDが採用されており、これが縦5×横6個均等に並んでいる。ディマーは装備されておらず、本体上部にあるスライドスイッチでON/OFFするだけとなっている。バッテリーは4本の単三乾電池を本体内に収納するようになっており、この状態での質量はおよそ250gほどである。HVR-Z5Jに取り付けてみたところ、取り回しに苦労するほどではないが、重心が高くなるので、ハンドリングには注意が必要だ。
点灯中のライトの状態。LED使用数は30個 |
電源は単3乾電池4本を使用する |
ライト本体はカメラのストロボのような感じで固定されるようになっている。撮影距離や状況によってライトをティルトすることはできないが、よほど近距離で広角での撮影をしない限り問題はないだろう。同社ではオプションでティルトップDXやユニバーサルブラケットUB-90、ライトシューグリップといったアクセサリーを用意しており、カメラへの取り付け方やハンドライトとしての使用などバラエティに富んだ使用ができるようになっている。ちなみにオプション込みの価格は、実売で1万数千円程度なので、オプションをすべてそろえてもお買い得感がある価格設定だ。
色温度はデーライトだが6300Kと比較的高いので、そのまま補助光として使うには場明かりにもよるが少し青白い光になってしまうようだ。色温度変換フィルターが付属しており、タングステンの色温度になるのだが、これもタングステンとしては色温度が若干高めで4000Kになっている。補助光として使うには、従来からのタングステンやデーライトより色温度が高めなので、カメラのホワイトバランスと撮影時の映像のバランスがなれないと難しいかもしれない。
機能的にはそれなりの割り切りがあるものの、その分取り扱いは単純明快で、色温度が若干高めことに注意すれば非常に魅力的な製品である。また、非常にリーズナブルな価格設定なので、小物撮影用に複数台購入して簡単なライティングキットとしても有用だろう。 ディマーを装備した上位機種など今後に期待したい。
VL-300の主な仕様
約1mでの配光特性 |
フィルターなしで照度を計測 |
分光曲線(フィルターなし) |
分光曲線(アンバーフィルター) |
380~880nmまでを光スペクトラムアナライザーでスキャンしたグラフで、1目盛りは50nm
- 光源:LEDφ10/30個
- 電源:単3電池/4個
- 定格:約6V-3.8W
- 色温度:約6300K/4000K
- 照度:約1300Lx(透明フィルター装着時、中心/50cm)、約1000Lx(色温度変換フィルター装着時、中心/50cm)
- 外形寸法:幅120×高さ100×奥行43mm
- 重量:約250g(バッテリー含む)
- 付属品:透明フィルター(6300K)
- 色温度変換フィルター(4000K)
- 連続点灯:3時間(アルカリ乾電池使用。照度50%になるまでの連続点灯時間)
- 希望小売価格:¥12,075(税込)
問い合わせ先:株式会社エル・ピー・エル04-2951-7016、06-6772-9022