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Avidブース動画
360°全天球動画
RICOH THETA Vで撮影した360°全天球動画です。視点変更機能を利用するにはPC版Google ChromeブラウザおよびiOS/Android版YouTubeアプリが必要です。(アプリ起動はこちら)
コンテンツを効率的に管理、配信できる「Avid | On Demand」を発表
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Avid Connect 2018での発表の様子
NAB期間中に発表されたニュースから紹介をすると、アビッドはあらゆる場所からあらゆるデバイスにコンテンツを効率的に管理、配信できる「Avid | On Demand」を発表。必要なときに必要なだけの編集のライセンスやストレージ容量を使えるようになる。
また、Avid | On Demandには、「Avid | AI」と呼ばれる自動化する新しい機能が導入されている。クラウドまたはローカルのストレージの素材にクローズドキャプションの検証や言語の検出、顔の認識、シーンの検出、および音声からテキストへの変換など、コンテンツのインデックス自動化を実現するという機能だ。
HDMI限定のリーズナブルなIOボックス「DNxID」やNEXISシリーズにニアラインストレージソリューション「NEXIS | E5 NL」を発表
NABで発表された新製品では、「DNxID」と呼ばれるポータブルかつ手ごろな価格のデスクトップI/Oインターフェイスを発表。特長は、HDMIの入出力を搭載し、SDIには対応しないことろだ。PCとの接続用としてThunderbolt 3を備える。全面のパネルには、アビッドのIO製品でお馴染みのオーディオパンチ用の入力を搭載している。
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入出力をHDMIに限定した「DNxID」
DNxIDは、入出力をHDMIに限定してコストを抑えており、米国での価格は約1,000ドルを予定。すでに発売中のAJAと提携して開発をしたDN×IVの価格は、税別35万5000円。デジタル・アナログ入出力をすべて備えるBlackmagic Design DNxIQの価格は、約46万円。
DNxIDの日本での販売価格はまだ発表されていないが、インターフェイスをHDMIに割り切っているぶん、圧倒的に安いコストを実現している。独立系のクリエイターがMedia Composerとセットで組み合わせて使うことでミニマムのコストの4K IOが可能になるだろう。また、Media Composer | Firstは、DNxIVとDNxIQには未対応だがDNxIDのみ対応するのも特長だ。
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入出力はHDMI、PCとのインターフェイスにThunderbolt 3接続をサポート
また、NEXISシリーズに「NEXIS E5 NL」と呼ばれるニアライン用の大容量アーカイブ用のストレージを発表。これまでのAvidのストレージは編集用のリアルタイムパフォーマンスの高いものが中心だったが、ニアライン用のストレージはパフォーマンスを多少抑えて大容量を実現する製品となっている。
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NEXISのストレージをすべて積んで展示
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一番下にある大きなラックがニアラインストレージのNEXISのE5 NL
クリエイティブツールは「Ultimate」「スタンダード」「First」の3種類のグレードに統一
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Avid Connect 2018より
クリエイティブツールのラインナップも一新した。フル機能バージョンのMedia Composerや「Pro Tools」、楽譜作成ソフトウェアの「Sibelius」のいずれも、Ultimateを付けた名前に変わった。Media Composerは「Media Composer | Ultimate」、「Pro Tools | HD」は「Pro Tools | Ultimate」、Sibeliusは「Sibelius | Ultimate」となる。
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Media Composer | UltimateとMedia Composerのパケージ。Media Composer | Firstはフリー版なのでパッケージは存在しない
無償版は「Media Composer | First」、「Pro Tools | First」、「Sibelius | First」となる。さらに、無償版とフル機能版の間にスタンダード版が、各クリエイティブツールに加わる。スタンダード版にはUltimateやFirstなどのグレードが付かず、1年もしくは一ヶ月のサブスクリプションライセンスのみとなる。
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Pro Tools | UltimateとPro Toolsのパッケージ
スタンダード版は、編集機能はフル機能をもっているが、プロジェクトのシェアリングには対応していない。具体的には、NEXISストレージに接続して他のMedia ComposerとProject/Binの共有ができない。一人で完結するユーザー向けで、インディペンデンスの方が自分だけで仕事が完結する制作環境に向いているといえるだろう。
また、Media Composer | Firstで面白いのは、ソーシャル系の出力をメニューとして持っているところだ。完成したコンテンツをトランスコーションしてYouTubeに書き出すことが可能。ビデオトラックは4トラックの制限があるので、もし満足できなければ24トラックのビデオを使えるMedia Composerを選べば良いだろう。
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楽譜作成ソフトウェアのSibeliusとSibelius | UltimateとSibeliusのパッケージ
Media Composerの次世代バージョンを展示
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次世代バージョンのMedia Composerが展示されていた
ブースのデモでは、次世代バージョンのMedia Composerが稼働していた。これまでのMedia Composerは、プロジェクトはサイズ的には8Kまでだったが、次世代バージョンではレゾリューションに依存しない設計に変わり、16Kのプリセットやサイズや120pのプリセットが準備されて中に入っている。ストレージやその辺のスピードが整えば16Kも全部編集が可能だろう。
新しく搭載される部分差し替え機能にも注目だ。今後のMedia Composerでは完成した1個のファイルに対して、部分差し替えもできるようになる。ファイルベースは一つファイルを書き出したら、一つのファイルになっているので、途中の一部分だけ差し替えることはできなかった。しかし、部分差し替え機能を使うことでこれまでのテープ編集のインサートと同じことがファイルベース上で可能になる。
また、タイムラインを再生して、必要なところを素材として決めたいときに叩くとビンにつぎつぎと登録されていく「Live Timeline 」も注目の新機能だ。
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どこからでもプロジェクトやメディアにアクセスして作業できるMediaCentral | Cloud UX
MediaCentral | Cloud UXは、タイムラインやプレビュー、コンテンツがあるのでMedia Composerの編集アプリと非常によく似ているが、ブラウザベースのアプリだ。
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リアルタイムグラフィックスとビデオ制作を実現するMaestro
こちらはニュースソリューションのMaestro。グラフィックスやビデオを簡単に作成、管理、配布、再生することができるコントローラだ。
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ニュース、ポストプロダクション環境向けに設計されたMediaCentral | Asset Management
こちらのMediaCentralのアセットマネージメント機能。MediaCentral | Cloud UXのアプリケーションと一緒で、プレビューウインドウやタイムライン、素材がある。ここから素材の検索や、素材からプロジェクトを読み込んだり、Media Composerのプロジェクトから使っている素材だけすべて抽出する検索機能を搭載。また、決まったフォーマットに変換して、サーバーに送るトランスコードとトランスファーの機能も搭載されている。
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複数の高解像度スタジオディスプレイやスタジオ空間を簡単に表示、管理、制御できる「Maestro | PowerWall」
マルチモニタでビデオウォールを実現する「TD Control」が「Maestro | PowerWall」に名称が変更となった。スタジアムなどに導入実績あるマルチのビデオ画面のコントローラーグラフィックスエンジンで、スタジアムの横に長いモニターやイベント会場でサイズの異なるモニタとーを手元で一元管理できる。
これらのコントロールには、グラフィックスエンジンやビデオエンジンが全部必要だが、そういった製品がすべて揃っている。そこに流すコンテンツはMediaCentralのアセットマネージメントの環境の中で管理されており、コンテンツを読み込んで使うことができる。それらのコンテンツはNEXISに入っており、すべてが連携している形になっている。
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Maestro | PowerWallで異なるモニターに映像を出力したところ
Avid Connect 2018も開催
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NAB開催前にはAvid Connect 2018が開催され、新製品についての発表が行われた。参加者は1000人を超え、Avidユーザーが一堂に介した
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会場ではメーカー、サードパーティの展示も行われていた
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■Avid Blog
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