txt:飯田雄平 構成:編集部

ZHIYUNとは?

ZHIYUN(ジーウン)は、一眼クラスから、スマホやGoProなどの小型カメラ向けのジンバルを発売している中国のメーカーである。2015年のCP+で初製品を発売し、まだまだ新しいメーカーだが、シンプルで直感的、高品質な製品で世界でのユーザーを増やしている。

Crane 2の質感は、RONIN-Sと似てマットでしっかりとしている。重量があってもしっかりとホールドでき、滑りにくく、操作感はよい。

ZHIYUN Crane 2。背面の智云の漢字表記も特徴だ

製品重量約1.2kg、ペイロード3.2kg、フルサイズミラーレス一眼シリーズや小型シネマカメラにはちょうど良い。

DJI
RONIN-S
ZHIYUN
Crane 2
FEIYU TECH
a2000
FILMPOWER
Nebula 4100
Slant
FILMPOWER
Nebula 4500
5-Axis Slant
最大積載量 最大3.6kg 最小500g
最大3.2kg
最小250g
最大2.5kg
最大1.8kg 最大4kg
バッテリー
駆動時間
12時間 最小12時間
最大18時間
12時間 最大10時間 最大8時間
重量 約1.5kg(ジンバルのみ)、約1.85kg(ジンバルとグリップを含む) 1.25kg 約1.1kg(ジンバルのみ) 716g(ジンバルのみ)、約810g(ジンバルとグリップを含む) 1.2kg
軸数 3軸 3軸 3軸 3軸 5軸
価格 税込92,800円 税込84,000円 税抜99,500円
税込107,460円
国内問い合わせ先 日本DJI VANLINKS Grow

ペイロード3.2kgはフルサイズミラーレスクラスカメラはもちろん、キヤノンのEOS C200などの小型シネマカメラにも対応する。モータートルクに余裕があり、安定感に優れる。それでいて本体重量1.2kgと、フルサイズミラーレスクラスには非常にバランスが良い。だが、アクセサリーやハンドルによって干渉してしまう可能性があるので注意が必要。

両手持ちのハンドルのオプションもあり

オプションの両手持ちハンドル「CRANE-EH002 Crane 2デュアルハンドル」は、片手持ちのグリップ部に拡張する形で両手持ちグリップを付けることができる。アルミニウム製のため軽量で、オペレーションがしやすかった。

ただし、片手持ちジンバルの弱点である縦揺れが防げる構造ではないので、縦揺れには同様に注意してオペレーションする必要がある。

Crane 2用 Dual Handle Grip デュアルハンドヘルド両手持ちグリップ

ジャイロ操作、リモートフォーカス操作などの最新機能に力を入れている

Crane 2では、カメラによって絞り操作やISO操作、Rec操作などのカメラコントロール機能が使用可能だ。メーカー公認対応機種はキヤノンEOSシリーズ、パナソニックLUMIXシリーズ、ソニーILCEシリーズ、αシリーズ、ニコンDシリーズである。カメラに手を伸ばさずに操作できたり、ディスプレイにステータスが表示できるので、撮影に集中できる。

ZHIYUN製品は、カメラとの連携に力を注いでおり、スマートフォンアプリを用いたフェイストラッキングもできるのも特長だ。

オプションのモーションセンサーリモコン。基本的な動作に加え、リモコンの傾きと連携してジンバルを動かすG-modeが搭載されている

フォローフォーカス機能はMFレンズも対応可能

キヤノンのEOSシリーズでは、ケーブル一本でフォーカスをコントロールできる。他のカメラやMFレンズでは、フォーカスギアを用いてフォローフォーカスが可能だ。

メカニカルフォーカスセット。ギアリングベルトも同梱されている。

標準で同梱されるフォローフォーカスモーター

フォローフォーカスリングも付属

フォーカスジョグは大きくて操作しやすかった。

小型バッテリーで最長18時間持ち、バッテリー充電・交換も容易。バッテリーは乾電池型充電電池を三本使用する。RONIN-Sはハンドル内埋め込み型なのでこの仕様は非常に嬉しい。合わせて6000mAh、最大18時間稼働と十分すぎるスペックだ。

パッケージはコンパクト。持ち歩きやすい

まとめ

フルサイズクラスのミラーレスユーザーや、重いレンズを良く使うユーザー、ソニーのラージセンサーカメラPXW-FS5シリーズやキヤノンEOS C200ユーザーには非常にバランスの良いジンバルだ。ジンバルとしての性能は当然非常に良く、スマホとの連携機能やフォローフォーカス機能、カメラボタン操作機能などが他のジンバルよりも強化されているのが特徴で、これらの機能に関しては今後の進化の可能性を感じた。

日本正規代理店、VANLINKSにZHIYUNの魅力について聞く

txt:編集部

ZHIYUNとは、どのようなメーカーでどのようなラインナップを揃えているのか?日本正規代理店のVANLINKSに話を聞いてみた。


――ZHIYUNはどのようなメーカーですか?

VANLINKS:ZHIYUNは、2015年に中国の桂林に設立しました。設立してから約3年間でスタビライザーのトップメーカーに成長しました。2015年に中国国内で販売をスタートすると同時に、グローバルにも展開を広げました。

2016年から米国の大手量販店と提携して展開を開始。グローバルのスタビライザーのシェアを6割ぐらい取得しました。2015年、初代のSmoothを開発しまして、これはZHIYUNが世界初のスマホ用電動スタビライザーというものです。その後、アクションカメラ用のスタビライザーも開発。毎年2、3種類の新商品をリリースしています。開発スピードがとても早くて、次々と新製品をラインナップするのも特徴です。

――ZHIYUNはスタビライザーのみを専業としているメーカーですか?

VANLINKS:スタビライザー専門のメーカーです。

――なぜスタビライザーなのでしょうか?

VANLINKS:もともとはドローンを開発していたメーカーでした。ドローンの業界では競争が厳しくて、そのドローンに使っているスタビライザーの技術をそのまま商品にしたのがZHIYUNの原点になります。その技術を応用してジンバルを製品化したところヒットしまして、2015年の売上は日本円で10億円、2016年は20億円、2017年は100億円の売上を達成しました。急成長中のメーカーです。

――なぜ急成長できたのでしょうか?

VANLINKS:ZHIYUNはスタビライザー開発のメーカーとしては、常に新しい技術をどこよりも早く使って市場に製品を投入しています。さらに、ZHIYUNの製品は製品のクオリティが高いです。社長自身がもともと軍の開発をやっていた経歴がありまして、そういう関係から実はZHIYUNの製品に使う素材は特別つ商材を調達できたり、すごく優れた材料を使って製品に使っています。そのためにハードウェアの面では、他社よりも品質面でリードができています。

――VANLINKSは日本国内のZHIYUN製品のどの部分を扱っていますか?

VANLINKS:弊社はZHIYUNの総代理店です。弊社はwww.zhiyun-tech.jpの公式サイト、Facebook、InstagramなどのSNSを運営しております。映像専門販売店及び家電量販店と提携して、商品販売のみならず、日本でのブランディング、マーケティング活動も積極的に実施しております。また、メーカーと緊密に連携して日本でのアフターサポートをしっかりご提供しています。

――御社から購入するメリットを教えてください

VANLINKS:1つは製品自体のパッケージとマニュアルは日本語版になります。また、弊社は弊社から流通した製品のみカスタマーサポートをします。

例えば、なにか問題があったり、故障が発生した場合のは交換をしたり、修理などの対応をさせていただきます。使い方がわからないという方向けに日本語のビデオを用意してりもしています。

――御社の流通している製品を購入したい場合は、どこに行けば買えるのでしょうか?

VANLINKS:システムファイブを始め映像専門の量販店やビックカメラ等の大手家電量販店で展開をしています。

――平行輸入で購入した製品を御社で修理は受けられますか?

VANLINKS:受け付けることはできません。弊社は弊社から流通した製品のみ修理に対応させて頂きます。

――ZHIYUNの主なラインナップを紹介してください

VANLINKS:日本では、デジタル一眼レフ用「Crane 2」、ミラーレス用「Crane Plus」、スマホ用スタビライザー「Smooth 4」の3種類をラインナップしております。Crane 2とCrane Plusの積載重量が異なり、3.2kgと2.5kgとなっております。

――最後にCrane 2のアクセサリーで特に注目なものを教えてください

VANLINKS:標準状態とハンドルとコントローラーが付いた状態を紹介します。ハンドルにコントローラーを付けた。ワンマンの場合は、ハンドルにコントローラーを付けて操作する。もしくは、ハンドルなしの状態で片手でジンバルを持って片手でコントローラーを操作するような形になります。

標準状態

デュアルハンドルが付属。両手で操作できることにより、疲労を減らすことができる。フォローフォーカス付きモーションセンサーリモコンはハンドルに取り付けが可能

サーボフォロフォーカスも標準で付属しています。

オプションで5.5インチミニカメラモニターもオプションとして用意されています。

フォローフォーカス付きモーションセンサーリモコンは、BluetoothまたはケーブルでCRANE 2へ接続して、CRANE 2をコントロールすることが可能です。これも他社にないアクセサリーです。

機材をコンパクトにまとめたカバンも特徴となっております。


Vol.02 [10万円以下のジンバル選び] Vol.04