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強風となった3日目
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強風の影響でシャトルバス発着場通路に並んでいたBlackmagic Designの広告POPは全てなくなっていた
NAB3日目の今日は風が強く、通常なら視界が良く遠方まで見通せる界隈も周辺の砂漠からの砂埃の影響だろうか曇りがちであった。吊り広告のPOPも風で飛ばされたのか安全のために取り外したのだろうか、シャトルバス発着場通路に並んでいたBlackmagic Designの広告POPは全てなくなっていた。
4Kは数年前から各社活発にカメラなどの新製品を発表しており今年も新製品が出展されていた。8Kは昨年までイマイチの感じがあったが、今年はカメラの新製品のほか周辺機器も8K対応の製品が登場している。今回は新製品のカメラや特徴的なカメラを中心にまとめてみよう。
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朋栄はB4マウントを採用したフル4K高速度カメラFT-ONE-SS4Kを出展。高速度カメラはスポーツ中継などで利用されることが多く、そうした運用では高倍率ズームレンズが定番といえ、レンズのラインナップが豊富かつ周辺機器も充実したB4マウントに対応したという。もちろんセンサーも2/3インチのものを搭載しているが、センサーサイズが従来機より小さくなってしまうと感度の点で不利になるが、従来機と遜色のない感度を維持している。4Kで1000コマ/秒までの高速度撮影が可能なほか、EVS製ビデオサーバーを使用して4Kで3倍速またはHDで6倍速の長時間収録に対応。
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アストロデザインは4K/8K分野ではリーディングカンパニーといえる存在で、今年はカメラをリニューアル。筐体デザインも一新した新製品としてAB-4815を出展した。AB-4815はPLマウントを採用しており8K120p収録に対応。
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出力は12G-SDI☓4と4K/HD、オプティカルを装備しており、スタンドアローンでHD/4K/8Kに対応可能
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Grass Valley LDX 86 N 4K RF。UHD 3CMOSセンサーを搭載し、DPMUltraテクノロジーによる高感度なHD/3GモードやHD 3倍速/6倍速に対応したLDX 86NにEMG(Euro Media Group)によるRFワイヤレスを搭載したワイヤレスカメラ。HD、4K、HiSpeed HD伝送に対応。Euro Media Groupによるプレミアスポーツイベントに採用されたワイヤレスシステムでスポーツやライブイベントの報道のために導入されたもの
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ALEXA Mini LFはカメラの左側にあるメディアベイを除いてALEXA Miniと同じサイズとなっており、ALEXA LFのサブカメラとして使われることを想定し、ALEXA LFより小型になっているが同じルックでの撮影が可能。センサーは最大解像度4448×3096で4.5K ALEXA LFと同じセンサーを搭載。MXF/ARRIRAW、MXF/Apple ProResなどさまざまなフォーマットやアスペクト比で内部記録することができる。メディアはCodexの新しいコンパクトドライブ記録メディアを採用している。なお SSDには、MacやWindowsパソコンで追加のソフトウェアやライセンスなしで使用できるUSB-C Compact Drive Readerが付属のほか、SXRキャプチャードライブを搭載するドックでは、コンパクトドライブアダプタを使用できる。これはダウンロード速度を2倍以上にするという
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シャープはアストロデザインと共同開発で8C-B60Aという8Kカメラを発売しているが、今回シャープ独自開発の8Kカメラを披露した。このカメラは4月3日にマイクロフォーサーズシステム規格にシャープが賛同したと発表しており、レンズマウントはマイクロフォーサーズ規格となっている。センサーは3300万画素のCMOSセンサーで自社設計
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液晶モニターはフルHD対応の5.5インチタッチパネルを搭載しており、バリアングルに対応。なお、記録メディアはSDカードでビットレートは200Mbpsなので、ごく普通に出回っているUHS-Iのメディアを使うことが可能。動画の記録方式はH.265/30fpsで64GBのmicroSDカードに40分前後の映像を記録できる
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HDMIで8Kテレビに接続可能。ミニXLRポートとステレオミニジャックの入力とヘッドホン端子およびUSB Type-Cで充電することを想定している
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JVCのCONNECTED CAM HDカメラGY-HC900ST。2/3インチのCMOSセンサーを搭載したHDカメラ。1080p/1080i/720p/480i対応で3G-SDI☓2の出力を備えている。2つのSDHC/SDXCスロットがありApple ProRes 422での収録にも対応可能。オプションのFS-900 SMPTEファイバーシステムと接続時、Gigabit EthernetによるVideo-oner-IPに対応
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Kinefinity TERRA 4K cinema camera。19.5×13.3mmのスーパー35相当のセンサーを搭載しており4K(4096×1720)で100fps、4096×2160で75fps、3840かかる1600で100fps、3840×2160で75fps、2048×860で320fpsの収録が可能。記録メディアは7mmハイトの2.5インチSSDで12bit KineRAW(KRW)+10bit ProResで記録される。価格は$3,999
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Kinefinity TERRA 6K。センサーにスーパー35相当の6K(5760×3240)CMOSセンサーを採用しており、6K Wideで30fps、4K Wideで100fps、2K Wideで225fpsの記録が可能。記録コーデックはProRes422HQ/KineRAW。価格は未定
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Kinefinity MAVOはセンサーにスーパー35相当の6K(5760☓3240)CMOSセンサーを採用しており、6K Wideで66fps、4K Wideで100fps、3K Wideで130fpsの記録が可能。記録コーデックはProRes4444XQ/CinemaDNG/KineRAW2.0。価格は$7999
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昨年あたりからニコンはロボットを使った撮影システムを出展。ブースだけでなく会場入り口でもロボットに搭載したカメラで参加者を撮影するパフォーマンスを行うなど、結構派手な演出をしている。ブースでも同様のモーショントラックングによる撮影システムを紹介しているが、これらは予めプログラムされたものとなっている
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一方ブース内のスタジオ周囲に設置された撮影システムは被写体の動きをフォローする物となっており、画像認識により被写体の動きを検知し、フォローする仕組みとなっている
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ロボットカメラでどの被写体をフォローするか設定できる。1つのシステムで4台のカメラを制御でき、カメラ同士が被写体を混同しないようになっている。ロボット部分はサードパーティを利用しているが、このソフトはニコンオリジナル
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会場で使われているロボット雲台などはMRMC社のシステムを採用しているが、他社のものでの対応可能で、システムとして販売またはレンタルなどを想定しており、すでにWeb系の制作会社に導入されたという
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