txt・構成:編集部

アクセサリー部門の中から片手ジンバルカテゴリーのノミネート発表

片手ジンバルは発展途上のカテゴリーで、今年もDJI、FeiyuTech、ZHIYUNなどの各社から新製品発表が相次いだ。どの製品も、重量、操作性、スマホとの連動を改善しており、買い換える価値があるものばかりだ。ジンバルは中国メーカーの独占市場だが、平和精機工業からもTH-G3が登場し、国内メーカーからも自社ブランドで登場したところは注目すべき点だ。

■DJI RS 2
問い合わせ先:DJI JAPAN株式会社
発売日:2020年10月30日
価格:単品 税込86,900円、Combo 税込105,600円

DJI Roninシリーズのブランド名が一新され、新製品は「DJI RS 2」となった。Ronin-Sの後継だが、全く別物の使い心地といっていいほどいろいろ改善されている。Ronin-Sは1.86kgの重量が欠点だったが、RS2ではカーボン製部品を多用して1.3kgと軽量化を実現している。積載量は3.6kgから約4.5kgと向上しており、これまでRonin-Sで載せられなかったカメラとレンズの組み合わせも対応可能になっている。

■FeiyuTech AK2000C
問い合わせ先:TS TRADE
発売日:2020年11月5日
価格:税込29,800円

ボディーはアルミ合金製、1078gの軽量、2.2kgの積載量を備え、折りたたみ式クイックリリースプレート、3軸のロックを採用。ジンバルのボタンでカメラコントロールも可能だ。これだけの機能を備えながら、価格は税込29,800円と、ジンバルも驚くほど安くなったという印象のモデルだ。

■ZHIYUN CRANE 2S
問い合わせ先:VANLINKS株式会社
発売日:2020年9月18日
価格:単品 税別72,000円、Combo 税別78,000円

ZHIYUNは、ミラーレスカメラ向けの「CRANE 2S」と、シネマカメラ対応の「CRANE 3S」を発売。ミドルクラスながら、BMPCC 6K、S1H、EOS-1D X Mark II、D850などの大型カメラに対応するCRANE 2Sをノミネートとした。追加のアクセサリーを取り付けることなく垂直撮影に切り替えられたり、新しいロックシステム採用で、軸を完全に固定した状態で持ち運びも可能だ。

■Libec TH-G3
問い合わせ先:平和精機工業
発売日:2020年1月
価格:税別63,000円

国産初の本格ジンバル雲台で、500~3600gまでと幅広く対応。ManfrottoやSachtlerのプレートと互換性があり、付け替える手間も必要ない。国産メーカーなので、アフターケアの対応も期待できそうだ。

アクセサリー部門の中から三脚カテゴリーのノミネート発表

三脚や雲台のテクノロジーは、成熟したカテゴリーで、大きなイノベーションが起こることは稀だ。SachtlerのFSBシリーズ、平和精機工業のRS PLUSなど、各社ロングセラーな三脚商品が多く、新製品の買い替えの理由を説明しずらい定番製品揃いが多い。そんなカテゴリーの中でも、2020年は定番シリーズを脅かしそうな魅力的な新製品がいくつか登場した。

■Libec NX-100シリーズ
問い合わせ先:平和精機工業
発売日:2020年11月下旬
価格:税別100,000円(グランドスプレッダータイプ)

Libecから軽量三脚の新システム「NXシリーズ」が登場。新設計の段階式カウンターバランス機構や新設計のカーボン脚を採用。ミッドスプレッダーモデルで世界最軽量を特長としている。また、NX-100はミラーレスカメラでバランスが取れるようにカウンターバランスの設定が行われている。国内の職人が組み立てることを前提に設計された、メイドインジャパンブランドも特長だ。

■Manfrotto 645 FASTシリーズ
問い合わせ先:ヴァイテックイメージング
出荷開始:2020年6月19日
価格:税別110,000円(645 FASTツインビデオ三脚アルミニウムモデルの価格)

645 FASTシリーズは、脚はツインまたはシングル、パイプ材質はカーボンとアルミをラインナップするビデオ三脚の新製品だ。各脚一箇所の操作で、脚全段のロック・解除が可能。上段側の脚から順番に伸長してくれる気の利いた設計になっている。素早く動く撮影現場などで重宝しそうだ。SachtlerのFlowtechとの違いも気になるところだ。

■Libec 650EX
問い合わせ先:平和精機工業
出荷開始:2020年5月
価格:税別27,000円

Libecのエントリー三脚モデルの定番である650シリーズとして「650EX」が登場。従来の650シリーズではクイックシューだったカメラプレートが、カメラの前後バランスが調整しやすいスライドプレート仕様になった。機能や大きさ、価格のバランスに優れたビデオ三脚といえるだろう。

何が受賞するのか…?いよいよ発表!

PRONEWS AWARD 2020 アクセサリー部門受賞製品発表

アクセサリー部門
ゴールド賞
DJI RS 2

DJI

ゴールド賞はDJI RS 2だ。重量1.3kg、積載量4.5kgのスペックが受賞の決め手になった。Ronin-Sは重量が問題で、アクセサリーと組み合わせたりして解消する必要があった。RS 2では、カーボンファイバー採用による軽量化が大きな話題になっている。また、大口径単焦点レンズやズームレンズを安心して搭載できる耐荷重もポイントだ。

トランスミッターでスマートフォンを外部モニターとして使えたり、先代と比べてもコンパクトになって持ち運びやすくなった。少人数での撮影やワンマンオペレートの撮影が多いカメラマンに大注目のジンバル登場と言っていいだろう。

アクセサリー部門
シルバー賞
Libec NX-100シリーズ

平和精機工業

シルバー賞はLibec NXシリーズだ。これまでNX-100クラスの価格帯でカーボンセットのモデルは市場に存在しなかった。カンターバランス機構搭載やアクセサリポート、LED搭載など、かなりお買い得な三脚が登場したところを受賞理由とした。

実際に持ってみると、カーボン脚のためか驚くほど軽い。それでいて、ドラグ機構などの重要な部分は金属できちんとできている。トレードオフ関係の中でも、かなり攻めた設計を行っているのも見逃せない。


Vol.02 [PRONEWS AWARD 2020] Vol.04