txt・構成:編集部
ポストプロダクションツール部門のノミネート発表
ポストプロダクションツールは、今年も2019年度と同じ5製品をノミネートとした。業界的に、DaVinci Resolveとアドビの連携など、チームでプロジェクトやメディアを共有するワークフロー対応が増えてきている。
■Adobe Creative Cloud
今年のPremiere Proアップデートの中で目立ったのは、大規模プロジェクト管理に対応したプロダクション機能だ。また、ProRes RAWやEOS R5、EOS-1D X Mark III、KOMODOのフッテージ対応も嬉しいアップデートだ。After Effectsは、3Dツールが使いやすくなるような大幅アップデートが実施された。Premiere Rushなどのモバイルツールの存在は、競合他社を突き放している。
■Blackmagic Design DaVinci Resolve 17
DaVinci Resolve 17のアップデートでは、300種類以上の機能が改良されている。カーソルをフォント名に置くだけで、ビューワーに反映される「フォントプレビュー」、スマートリフレーミング、シーンカット検出などの機能を搭載している。目玉は新製品のパネルで、期間限定で有償版のDaVinci Resolveを買うと、Speed Editorが無料で付属するキャンペーンも話題だ。
■Avid Media Composer 2020
今年のメジャーアップデートは2020.4や2020.5で、WindowsでもProResメディアの作成やエクスポートをネイティブサポート、macOS Catalinaサポート、Avid Media Accessが次世代メディアエンジン「UME」に刷新された。撮影にも関わるエディターなら、2020.10で対応したProRes RAWメディアのリンクと再生のサポートは嬉しいアップデートだろう。
■Grass Valley EDIUS X
約3年ぶりのメジャーアップデートを行った。目玉は、バックグラウンドレンダリングとプレビュー解像度設定だ。メディアを書き出しながら、別作業が可能だ。また、解像度を下げて再生するドラフトプレビュー機能も便利だ。GUI自体を今回少し暗くするなど、細かい部分も変更されている。
■Apple Final Cut Pro
8月と11月にメジャーアップデートを行った。10.4.9では、インスペクタに追加された新しいコントロールを使って、ISO、色温度、露出オフセットなどのProRes RAWカメラ設定を調整できるようになった。プロキシワークフローも大きく改善されている。10.5では、アップルシリコン搭載Macでのパフォーマンスや効率が向上。また、Apple Neural Engineを使用したスマート適合の機械学習解析も高速化している。
何が受賞するのか…?いよいよ発表!
PRONEWS AWARD 2020 ポストプロダクション部門のノミネート製品発表
- ポストプロダクション部門
ゴールド賞 - Adobe Creative Cloud
アドビ
ゴールド賞は、Adobe Creative Cloud。ポスプロツールの中でも画期的な新機能を他社よりも多く追加している点を受賞理由とした。今年のPremiere Proの中でももっとも話題の新機能は、共同作業が可能な「プロダクション」機能だろう。共有ローカルストレージを使用するプロジェクトタイプで、映画やTVドラマなどの大規模プロジェクトを扱いやすくなる機能だ。パブリックベータプログラム提供開始も話題で、特に文字起こし機能が話題となった。人工知能やマシンラーニングを活用した新機能は、他社を一歩リードしている感じだ。
- ポストプロダクション部門
シルバー賞 - DaVinci Resolve 17
Blackmagic Design
シルバー賞はDaVinci Resolve 17。新しいページの追加はなかったが、DaVinci Resolve Studio 17を買うとSpeed Editorが無償で付いてくるキャンペーンが話題を集めた。これを機会に、DaVinci Resolveで編集機能を本格的に使おうと思った人は多いはずだ。新機能や改善の中では、センターに自動的にフレーミングしてくれるAIリフレーミングや再編集に便利なAIシーンカット、トランジション、エフェクトのリアルタイムプレビューが話題だ。これだけの機能アップを実現していて、DaVinci Resolve 17は無料。アップデートも無料というのは凄い。