ヴァイテックプロダクションソリューションズのブースでは、Sachtlerの最新雲台である「aktiv」「FSB MkII」、カーボンモノコック三脚「Flowtechシリーズ」、そしてLED照明「GEMINIシリーズ」などの展示を行った。

画期的な水平出し機構を搭載する雲台「aktiv」

多くのビデオ雲台は水平出しをする際に雲台の下に伸びるノブを緩めて角度調整を行うが、aktivは雲台横にあるレバーを上に上げることで角度調整が可能。ノブが下に出ていないことで、三脚を地面に直置きするような低い高さでの運用が可能になる。

またこのレバーを使って脱着もできるため、スライダーなどへの取り付けもとても楽だ。また、ハイアングルでの作業を考えて、上を向いている水準器の下にミラーを配置して横からも確認できるようになっている。

写真はFSB MkII。aktivも同様に横から水準器を確認できる

展示してあったaktiv8の場合、カウンターバランスは16段階と細かく調整ができ、耐荷重範囲も12kgまでとなっており、1台でミラーレスカメラから軽量なショルダーカメラまでカバーできる。もう1つの雲台FSB MkIIは、水平出しのノブが従来の形で下に伸びている以外はaktivと仕様は共通となっている。今までの水平出しのやり方に慣れている人はFSB MkIIを選ぶのもよいだろう。

素早いセッティングを可能にする機能満載の三脚「Flowtech」

Flowtechは2018年に発売され、機構や構造の特徴が話題となった三脚だ。特徴をいくつか見ていこう。

上段の1カ所にあるノブで3段三脚の全てのロックのオン、オフが可能。体をかがめて下段のロックのオン、オフをする必要がない。

持ち運びに便利な運搬用ハンドル

運搬用のハンドルが付いているので持ち運ぶ際にすぐに持ち上げることができる。スプレッダーを使用しない場合は、写真用三脚のように足の角度を3段階に固定することができる。スプレッダーをワンタッチで伸縮、脱着が可能。

三脚内部の空洞部分に排水機構を採用しており、スプレッダーをつけずに三脚のみの運用かつ、三脚部分が水に浸かるような場面で使用した場合でも、使用後に広げて乾かせば問題ないとのこと。ネジなどにも耐腐食性のものを採用している。

近年取材などのロケに人数を割けないことも多く、ワンマンオペレーションの機会も増えている。aktivの水平出し機構や耐荷重の幅広さ、そしてFlowtechの現場で素早いセッティングをするための様々な機構は1台で多くの状況に対応し現場での負担を軽減してくれるセットだ。そのような功績が認められ、sachtler aktiv/Flowtech三脚システムは2021年度グッドデザイン賞を受賞している。

Flowtechは剛性も高く、4K/8Kなどの高精細な映像の撮影には良いが、どうしても機動性が落ちてしまうので、そちらを重視するニーズに応えるべくカーボンファイバー製のより軽量なモデルも用意されている。

FSB MkIIと軽量な三脚の組み合わせ

強い光の演出にも対応するLEDパネル照明「GEMINI 1×1 HARD」

Lightpanels展示エリアではAstra、GEMINIシリーズが展示されていた。その中からGEMINIシリーズの新製品である「GEMINI 1×1 HARD」を紹介する。

従来のGEMINI SOFTシリーズはディフューザーを付けて使用することが前提だったが、1×1 HARDはディフューザーを外しての使用も想定している。1×1 HARDではRGBそしてデイライト、タングステン各素子1つ1つを別々に配置し、その1つ1つにTIRレンズを付けることでLEDの光に指向性を持たせ、より遠くまで明るい光を届けることができるようになっている。

それによりビーム角46°、3mで3000Lux以上という明るさを実現している。これは同社ASTRA6Xの約2倍の明るさだ。従来のライトではRGB複合型のLEDを使っていたが、1×1 HARDではRGB個別の素子を採用して熱効率を高めることでより強い発光を可能にしている。もちろんドーム型ディフューザーなどを付けてより柔らかみのあるソフトライトしても使用可能だ。

GEMINIシリーズで採用しているRGBWW方式は、W(ホワイト)1色の場合どうしても各色を混ぜて白を再現しなければならないのに対して、デイライト、タングステンの素子を別途使用することでより正確に本来の色表現ができる仕組みとなっている。

また、GEMINIシリーズでは専用のヨークを別途用意することで最大4台のライトを1つの大きなライトとして使用することができる。4台のライトを所有していれば、1つずつでの使用、2台ずつ、4台をまとめて、と様々な使い方ができるし、大きな照明として使用する場合も移動時には分解して小さなサイズに分けての運搬が可能になる。必要なサイズのライトをサイズごとに用意するよりもリーズナブルになるだろう。