QBEE2022開幕!今年はリアル開催

新型コロナウイルスの影響で各地の放送機器展が中止になり、ようやくその影響が少なくなった2021年11月にInter BEE 2021が開催されたがすでにその記憶は薄い。そんな中、2019年以来、約3年ぶりとなる今年「九州放送機器展(QBEE)」が開催されたので参加してきた。

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やはりリアルの展示会はオンラインと違って機材の持つ質量感が伝わるのが良い。手にして初めて分かる機材がたくさんあるからだ。筆者は初日のみの参加となったので気になった製品を抜粋して紹介したい。

Blackmagic Design

総合商社並みに色々な機材を展示しているBlackmagic Design。今回のメインはBlackmagic Cloud Storeの20TBタイプの展示だ。

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いわゆるNASと言われるものだが、さすがに同社の製品だけあって映像に特化している。中のストレージ自体はM.2を採用することにより発熱を抑え、NASによくあるファンの騒音を防いでいる。システムはRAID 5を採用することで高速処理と耐障害性を実現している。

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10Gベースのイーサネットを4個搭載し、最大40Gでの運用が可能。非常に高価な物に思えるがそこは黒魔術なのか20TBでも十分業務ユーザーに手が届く価格だ。

キヤノンマーケティングジャパン

最近力を入れているリモートカメラがメインの展示となっていた。CR-Nシリーズは業務用途の現場でも徐々に見る機会が増えた。特に1インチセンサーモデルにおけるキヤノンらしい高画質は、他の機種と質感が違う。今回は新製品となる屋外型の「CR-X300」も展示されていた。

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もう一つ注目なのはレンズだ。フルフレーム対応のシネマレンズ「CN-E20-50mm T2.4」を展示。T2.4通しのズームレンズは使い勝手も良く、何よりもその大きさも迫力ある。

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パナソニック コネクト

IT/IPプラットフォーム「KAIROS」をメインに展示。九州では初お目見えで、新バージョンも登場している。入力I/0も新しく増え、オーディオ系もストリーミングをメインに新しくなっている。

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また今回、新製品の小型コントロールパネル「Kairos Control AT-KC10C2G」を展示。従来のフルサイズから半分の大きさなとなり、外組の時などに非常に便利そうだ。

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リモートカメラは文教系の簡易的モデルから、4K対応の業務モデルまでをラインナップ。どこに使えば良いのかという選択肢が多いのはさすがだ。

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ローランド

半導体不足などでなかなか新製品が出にくい昨今だが、ローランドは積極的に新製品を発表している。特にオンラインセミナー等が多い中で、その現場に合わせたスイッチャーや周辺機器を出してくるのは、ローランドが大きく変わったところかもしれない。

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今回は新製品の「SR-20HD」を展示。1台でライブ配信の全てを行えるが、どちらかといえば最終段に入れての運用が正解かもしれない。2ストリーム同時出力はいざという時の保険になる。

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平和精機工業(Libec)

今年発売された新製品の「HSシリーズ」は、小型軽量ながらVintenと同じく完全バランスシステムを最小にしたことでまた一段と使いやすくなった。

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先に登場したNXシリーズと併せると選択肢が広くなった。では、何を選べば良いのか?ということになるが、ワンオペのビデオグラファーならカーボンを使った軽量のNXシリーズ、物撮り等の細かいワークが必要ならHSシリーズを選ぶのがオススメだ。

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また、実はBL-660Aという三脚から雲台を約600㎜延長できるアダプターがあるのだが、今回もひっそり展示してあった。ENGメインの方はぜひチェックして欲しい。

MEDIAEDGE(ATOMOS)

伝送・抽出系が多かった同社だが、数年前よりATOMOS製品を取り扱うようになった。今回は九州初上陸のものばかりを展示。SUMOとは異なり、スタジオ内でのリファレンスモニターとして使用する「NEON 24」」はこの手のモニターとしてはお手頃価格の100万円以下となっている。

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SUMOもバージョンアップし次世代へジャンプアップした。

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またATOMOS推奨SSDとしてミニ規格のSSDを実演展示。意外とSSDとの相性を気にしなければいけないATOMOS製品だが、このSSDなら旧製品含めて動作保証付きだ。

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エーディテクノ

エーディテクノというと、筆者は「液晶ディスプレイ(モニター)のメーカー」という印象が強かったが、そればかりではなく「表示する」という部分に関して色々な製品を出している。今回はマトリックススイッチャーがメインに表示されていた。PCからのコントロールはもちろん、本体だけでも数パターンのマルチ画面を出すことができる。業務用途からサイネージ系まで幅広く使えるもので、業務レンジでも十分にターゲットになる。

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ゼンハイザージャパン

ゼンハイザーといえばガンマイクのMKH416を真っ先に思い出すが、音屋さんだとワイヤレスマイクやヘッドホンもやはりこのメーカーを推す。今回はデジタルA帯(ホワイトスペース)の新機種「EW-DXシリーズ」を展示。性能はもちろんのこと、業務用のB帯とほとんど変わらないその価格にはビックリだ。

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もう一つ注目したのは、リファレンスヘッドホンであるオープンエア型の「HD 400 PRO」。長時間聞いても耳が痛くならないのが特徴。少し聞いただけでも通常のヘッドホンとの違いが分かるほどだった。

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まだまだ気になる製品がたくさんあるので、引き続き次回(後編)でも紹介していこう。