三寒四温に振り回されているうちにすっかりゴールデンなウィークは過ぎてしまい、すっかり新緑の季節といえども急に寒くなるというカウンターアタック。そんな私は、PRONEWSのNABレポを読者諸君同様、隅から隅まで読み込み、勉強に余念がありません。しかしメカ音痴の永子ママの今回のコラムはNAB勉強の成果とはそっちのけで、相変わらず近日届いた素晴らしい映像作品をご紹介したいと思います。とはいえ、ある意味、メカ、というか、最先端のプログラムを駆使した代物なので、PRONEWS読者の皆さんの好奇心をかき立てること間違いなし!
と、いう訳でご紹介しましょう、NIKE MUSIC SHOE!
NIKE MUSIC SHOE
NIKEの新ランニングシューズ「NIKE FREERUN+」のバイラルCMとして作成されたたこの映像は、4月中頃の発表以降、You Tubeの再生回数は50万件を楽々突破、様々な媒体でもひっきりなしに取り上げられている超話題作です。
NIKEのバイラルCMは、いつも斬新なチャレンジと効果的に普及する広告性、両者のバランスが絶妙で、その劇的ともいえるマッチングが見所。3年前は、こんなバイラルがありましたっけね。
NikeCosplay
色やデザインをカスタムできるスニーカーのキャンペーンとして生まれた「アキバマン」。こちらは150万アクセス超え。
今回の「NIKE FREERUN+」の映像は、手動ブレイクビーツ番長ことHI FANAが登場。スニーカーを手に演奏をする訳なんですが、さらっと見て、音響を後づけしたのだろうと思われる方々もいらっしゃるかと思いますが、そんな面白くもなんともないこと、NIKE&HIFANAがする訳、ないじゃん。そう、このスニーカーには動きに合わせて音が出る「曲げセンサー」が搭載されている! 曲げたり、ねじったりすると音階・音色が変わる! 音自体も、ドラムやホーンやギターなど、いくつかの種類がプログラミングされている! この画期的なプログラムを開発したのはライゾマティック社! その未来派スニーカーをHI FANAが超絶プレイ!
プログラムの詳細は、何回聴いてもママちんぷんかんぷんなので、こちらのメイキングをごらんあれ!
NIKE MUSIC SHOE – MAKING OFメイキングにも登場するように、プラグラムの開発とソフトウェア制作の兼ね合いもさることながら、実際にプレイヤーが楽器として演奏をするところまで精度を高めるには、綿密なコミュニケーションとそれぞれのパートへのリスペクトが必要不可欠。すべてのコンディションが最高値にまで達した頂点を、映像という器が見事に受け止めてくれました。
映像は、いうまでもなくオーディオとビジュアルで構成されています。オーディオには音楽や音効や声や台詞があり、ビジュアルにもファッションや写真やデザインやアートディレクションなど、様々な要素が山と詰め込まれている。しかしながら、時すでに2010年。映像演出上で可能とされる表現は出尽くした感があり、特に前時代的な作り方に固執しているMVやテレビCMは完全なる飽和状態に突入しております。
人々が、見たことのない、聞いたことのない斬新な表現を心待ちにしていた矢先、革新的なテクノロジーを持った音楽映像がここに誕生。しかも、既存のMVよりも自由。もはや誰が見ているのかも分からないテレビCMよりも有意義。なおかつ人々を興奮させるエンタテインメント性にも溢れている。これぞ、2010年のミュージック・ビデオのニュースタンダードといわざるを得ない!
MERCE DEATH ライブ IN 六本木アートナイト
ちなみに、このプロジェクトに参加している友人のミュージシャン、MERCE DEATHは、先日、NIKE MUSIC SHOEを片手にライブを敢行!彼もまた以前より、テクノロジーと美しい音楽の融和をはかったオリジナリティー溢れる演奏で人気を博しております。